
行きたい、と恋い焦がれていた
福井県勝山市にある 平泉寺白山神社
穏やかな空気が流れ
清廉な風が吹く
下界から離れて精霊たちがひっそりと暮らしているような・・・
威厳という言葉は似合わず
ただひたすらに動じない穏やかさを感じる

いにしえの石畳が続く
この石畳にくっついている 苔
分厚くふかふか柔らかく
石畳というより絨毯の上を歩いているような感覚に陥る
質素な鳥居を潜った先には長い参道が続く
緑の苔も一緒に脇を固めてたおやかに続く
本殿にたどり着く前にいくつかのお社が苔と一緒に脇を固めていた
白山を開山した泰澄大師の廟にも参る
参道途中に清廉な池

御手洗池
この池の真ん中に女神が現れ
泰澄に白山へ行きなさい、とお告げがあり
白山へ登った と伝わっている
今でも清らかな水が湧き、空を木々を鏡のごとく写す
向かいに、その泰澄が植えたとされる杉が天に向かって延びていた

ご神木
途中から3本に枝分かれし、これが3社(御前峰のお社、大汝のお社、別山のお社)と共鳴するとか
参道を進むと道が別れる
まっすぐ素直に進むと中宮

さらに素朴な道を進むとこれまた素朴な、しかし細かな細工が施されている本殿がひっそりと佇む

小さいながら風格、重みはずっしり感じられる
その裏、長く続く白山への道 越前禅定道 がここから始まる

ここの神社はなんと表現すればいいのだろう

飾らない ありのまま・・・
それでいて 厳かさを持ち併せている

きっと泰澄大師がここに生きていた時代と
漂う空気はそれほど変わっていないのだろう
ここで、浄化されつつ空気のなかへ昇華されていっても悔いは残らない
そんな気がした