樹間暮のきまぐれライフ

ゆったりと・・・残りの20年は過ごせそうにないけれど、きまぐれな日々の生活を少しだけでも記憶の底に残しておくきっかけに。

興福寺 仏頭展

2013-09-26 00:03:07 | 日記
上野の森
東京藝術大学の美術館で11月まで開かれている
興福寺 仏頭展

朝一番に入ったが、
さすが連休、そして早起きなお年寄りがわんさかすでにおいでておりました。
その元気さにひるまず仏頭を拝見しに・・・ちょっと気に入っている美術館へ。

仏頭は思っていた以上に大きくて秘めた力強さを感じる微笑。でも
ちょっと離れたところから目を細めてながめてみると
目をしっかり開けて見た時と違い
とても優しい、包み込まれるような暖かさを感じる笑みをたたえていらっしゃる。

火に焼け落ちた後、500年もの間行方知れずだった数奇な運命をたどった仏頭
1300年を経た薬師如来の苦難はいかばかりだったのか。

それ以上に、興味を引いたのは
木造十二神将立像

その立像のそれぞれのあの表情、動きある立ち姿、その見事な細工!
ミノ一つで作り出す平安・鎌倉時代の仏師たちの力量は
神がかっていたのであろう、と想像する。

芸大の彫刻学部や修復学科がこういったものに携わっているようだけど
きっとパソコンを使ったり現代の技術を利用しているのであろう。

ミノひとつでがんばれ!
やってみよ!
と声をかけたくなる。 


※ちょっと仏像とは違うが、船越桂の楠木の彫刻
 そして父親の船越保武氏の石の彫刻を岩手県へ見にいきたい・・・

秋を味わう前に過ぎ行く9月

2013-09-25 23:37:03 | 日記


今年は国外で密やかに過ごした誕生日を皮切りに休むことなく
週末はほとんど都外(県外と言う言葉はあるが、「都外」ってあるのかな?)で
過ごしていた。

広々とした山頂だった双六岳から
さいころを転がすように12時間歩き続けた週末。
台風に向かって東京へ行くより安全と、下山後金沢へ足が向いてしまった。

やっぱり、私には東京は落ち着かない場所だなぁと思いながら
車を走らせる。

そして2回目の連休は、母を連れてお墓参りの御殿場から富士山の守護神
浅間(せんげん)神社の総本山、浅間大社へ。


大変立派なすがすがしい神社
本殿の後ろの正面に朝天気がいいと富士山がすくっと見えるらしい。
(ご想像ください!)


本殿は珍しい2重殿


その昔、霊峰富士山へ登る際にはここでお参り、禊をして登ったようだ。

境内の横には富士山の伏流水が滔滔と湧き出でている。
その名も「湧玉池」
富士山からの恵みです。




小さい魚も大きい魚も
水鳥も仲良く泳いでいる


水量が多いので結構流れが速い



止まる事を知らない蛇口から水も自由に汲むことができる。
日本は本当に水に恵まれている。
それは木々と山のお陰様


「水があわない」とはよく言ったもので
私は東京の水が合わないのだろう、と気づく。





双六

2013-09-18 23:31:56 | 日記


金沢から松本方面へ向かう途中、神岡辺りの左側に
「双六」へはこちらから と ← が書かれていて
いつもなぜかこの「すごろく」という言葉に惹かれていた。

お正月に遊ぶ古風なあそび、すごろく と一緒の意味なのだろうか。
どこかで「ふりだしにもどる」というフレーズが頭の中に残っていて
この双六に登ると私も「ふりだしに」戻れる、と期待していたからだろうか。

そんな双六岳はとてもマイナーではあるけれど、私の中ではちょっとした
憧れの山だった。


この「小池新道」登山口まで林道をもう2時間も歩いている。
だから「双六小屋」までトータル約8時間ということ。
それも結構傾斜がきつい。1600mの標高差
奥深い奥深い山々また山



最初ッからこんな感じであとは樹林帯だったりの山肌をひたすら登る。


途中から眺めた 鷲羽岳(わしばだけ)

3年前雲の平から水晶岳と鷲羽岳を登る行程を大雨の中決行し、結局鷲羽を諦めた。
そのリベンジの鷲羽岳と双六岳への憧れとが今回の原動力



続いて



三俣蓮華岳から眺める鷲羽は、まっすぐ歩いていけばすぐ着いてしまいそう
いやいや、ここの懐の深さはここに立ってみないと分からない。
深~い深~い山懐


ひたすら鷲羽に向かって歩を出せば近づいてくる鷲を広げたような山

右が鷲羽岳、左奥が水晶岳(黒岳)
品格が漂う美しい山
待っててや~ と逃げない鷲に声をかける。


三俣山荘前の標識



時間があれば行ってみたい 黒部五郎と再チャレンジの雲の平の名が見える


強風の中飛ばされまいとしっかりと足を踏み出しながら確実にあがった山頂
回りは霧に包まれていたけれど、満足満足


三俣山荘から1時間半、ここまで今日の行程は約4時間


頂からは先ほどの三俣山荘が見える
緑(ハイマツ)の中の赤い屋根はどこからみてもよく目立つ

帰りは霧雨やら風やらで天候が下降している。
こんな天候の時は、ほら、ハイマツあたりで雷鳥親子が遊んでいる。

足とお腹周りが冬支度

雷鳥親子に励まされながら、台風を避けるために
雨が降らぬうちにと一気に下まで下山することになる。

朝から12時間の行程となってしまったが、大正解だった。
最後の2時間はへろへろだったけど、途切れぬ集中力と思わぬど根性が顔をだし
これまた印象に残る最長不倒記録の山となる。

「岩や石の声を聞け!」
なるほど、今回の下山でこの意味がわかった気がする。



すごろくの「あがり!」となったのか、
「ふりだしにもどる」なのか・・・
はたまた「1回休み」なのか・・・
どこに 駒をすすめよう・・・








鏡平池

2013-09-17 21:00:56 | 日記

2009年6月最終週末
来週から鏡平小屋がオープンするという準備初めの日
「逆さ槍」で有名な鏡平池はまだ雪に閉ざされていた。


新穂高温泉からの登山道
まだ夏道が雪の下に埋もれ、雪渓の上をほぼ垂直に登りつめた先にこの風景が
目の前に現れた


ここの夏の風景が見てみたい・・・と思ってから
もう4年が過ぎゆく

先日、そのチャンスが訪れた。




左の槍ヶ岳の穂先左に見える小さな尖がり、これは
「アルプス一万尺、小槍のう~えで アルペン踊りを踊りましょ~♪」
に出てくる小槍


風がなかったので湖面はまるで鏡
ちょっと日本離れした風景にここまで登ってくる夏道の大変さを暫し忘れる。

夏しか味わえない、鏡平小屋名物のカキ氷!
山の美味しい水を凍らしたカキ氷は 風景と共に最高の友!


だけど、ここまでの夏道はホンマに辛かった。
もうここへ来る事はないだろうなあ・・・




コーヒービーンズが高いわけ

2013-09-17 20:30:02 | 日記


値段が高いものには訳がある。
コーヒー豆が高いのは、原料のせいもあるだろうが
その手間にあるということ。全部というかほとんどを
手作業でしているからだということ。

機械作業でもできるのだろうけど、品質を見極めるのは
やっぱり人間らしい。


130年も年をとっているコーヒーの木


たわわに成るコーヒーの実


赤くなると収穫の時期
赤くなったコーヒーの実を coffee cherry という


赤くなる順番がその実その実で違っていて
下から順次というわけでもないらしい。気ままなんでしょう。
だから赤くなったのだけを手でもって一粒一粒づつもいでいく
これが、手間がかかる作業なんだそうだ。

そして外側の皮をむくために一晩水に漬けておく


プールに泳がしておくように


コーヒーの実は3層の皮で包まれている。
1層は水でふやかして剥ぎ取る。

次は天日で乾燥させる
湿度が11%になるまで絶対雨などの水分を当てないようにして
乾燥させる。
(なんだかこの作業、昔映画で南部奴隷たちがやらされている作業のよう・・)


後ろの屋根が可動式になっていて
雨が降りそうになるとこの屋根をひっぱってくる。
イギリス・ウインブルドンのセンターコートの屋根みたいなんだけど
実はこれを開発したのは日本人なんだって。

茶色い平面がコーヒー豆の天日干し
均等に乾燥できるようにグランドのならし棒(とんぼ)みたいな
ものでかき混ぜる


雨にぬらしちゃいけない等、まるで梅干の天日干しみたい。

脂っこい皮をはがしていくと
豆が顔を覗かせる

これが生豆


そしてこれを焙煎すると
あのこげ茶色の薫り高きコーヒー豆となる。

「どこどこ産の豆」と袋に書かれている場合
その豆が10%入れてあれば、そう表示できるそう。
100%生産地の豆が入って売られることは少ないのだそうです。
ご用心ご用心・・・