随分と前のことのになってしまった。
気づけば5月も後半戦
5月の3連休を利用して
再び再生の道、熊野詣 に
出かけていた。
過去を洗い清め現在を確たるものとし
未来の願いを叶える という熊野三宮
私が山を始めたきっかけを与えてくれた
最初の熊野詣(熊野古道歩き)は
もう7年前になる
ほぼ同じコース
滝尻王子から湯の峰温泉まで中辺路を今回もゆく
いにしえの道を歩き始めると
杉やヒノキの木立、
枝を通して落ちてくる柔らかな陽を受ける
連休だと言うのに人はすごぶる少なくて
すれ違う人も前後を歩く人の姿もない。
世界遺産登録10年
その熱も醒め始めているのか。
今年は群馬県の富岡製糸工場跡が混雑しているのかもしれない。
数ある「王子」(お休み処)の中でもよしきにつけ悪しきにつけ一番人気の
牛馬王子
受難の王子は、時に傷つけられ
時にお顔だけを盗まれる
それでも笑みをたやさず佇む王子に
癒されて あと3時間の歩みに任せる
熊野王子は九十九あり、京都から熊野への道すがら
信仰の道をつなぐ為に設けられた神社や祠、分社。
それぞれで禊をし心新たにまた旅の安全を祈願する場所でも
あったそうだ。
途中参加のメンバーも露近王子までバスで追っかけてきて合流
途中の村のけったいな民宿に一泊
2日目はまず 野中の清水
まあまあ普通の水だけど、乾いたのどを潤すには丁度よし。
継桜の王子
立派なご神木が
私達を圧倒する
とがの木茶屋 はそのままにあったが
前回宿とした向かいの民宿は廃屋になっていた
年老いた女亭主だったから時は移ろいて・・・
秀衡桜 の横たわる古木を過ぎて黙々と歩く
東屋でちょっと朝のコーヒーブレークをしていると
雨が落ちてきた
中川王子、小広王子と過ぎ熊瀬川王子
ここでちょっと膝を痛めてしまったメンバーの一人がバスで先に
湯の峰温泉へ駒をすすめることとなる。
その後わらじ峠のアップダウンを過ぎると
2年前の大雨と洪水で道が崩れてしまったため
迂回路の林道を蛇形地蔵まで歩くことになる
そして 湯川王子。ここまでで約4時間
ここからまた三越峠へのつづら折れの坂を登る。
王子もすくなくなり、
人工的に創られている500mごとの道標をただ頼りに林道を
進むにつれ、なんだか気分は暗くなる。
王子に会える楽しみがないからでしょう。
と文句のひとつも言いながら歩いていたためか
古道にもどれず、発心門王子まで林道歩きとなってしまった。
格式高い 発心門王子(ほっしんもん)
ここからはちょっと若いカップルや観光客も多くなり
村々を歩く道、なんだかますます邪念が増える
これはまずい・・・
時たま王子が現れてくれるとほっとするようになる。
水呑王子、伏拝王子(ふしおがみ)を過ぎると下り坂どんどん下り
どこかで聞いたことのある地名 三軒茶屋跡
そういえば、前回はここで冷たいアイスキャンディを食べて
生き返ったことが蘇る。
1日6時間歩くという未知なるロングウオークだったもの。
ここ三軒茶屋跡は十津川温泉方面(そのまた北は奈良県高野山から続く道)からの
小辺路との合流点
「伊勢は7度、熊野は3度」というから
次回の3回目はこの小辺路だ、とメンバーの暗黙の了解
さて、あと30分で 祓殿王子(はらいど)。そしていよいよ
熊野本宮大社
この緑に囲まれた落ち着いた雰囲気の本宮!
霊験新たかな「牛王宝印」を懐にいれる
雨もまたよし!
本日到着の「湯の峰」温泉
餓鬼となった小栗判官が連れてこられ
この湯につかり7日目には蘇ったと伝えられている由緒ある温泉
その名も「小栗旅館」に泊まる。
小栗判官の末裔だとか。
90度の源泉掛流し
どひゃ~と疲れが吹っ飛ぶ。
これなら蘇るのもさもありなん
温泉おかゆ、温泉鍋におなかも膨れ
ここちよい夢の中に落ちる2日目。
翌日3日目は快晴、観光と決め込む一団
先ずは速玉神社
第一霊験所
なんだけど
やけに明るくて健康的
ご神木
ナギの大樹 (ナギは凪=平和・和楽に通ず)
そしてお次は 青岸渡寺と那智大社
深々としたコケを生やし
シダを育み 自分もを空へ伸びやかす
ここで石になった八咫烏(ヤタガラス)
神武天皇を大和国まで導いたといわれている。
このからす、これはどうも太陽の化身らしい
一箇所で 七福神すべてが祭られているお寺?
日本の八百万の神様は大らかで温かく、懐が深い
こうして、蘇りの強い 今回の旅は終わる
さて、新たな道がひらけるかどうか・・・