はな兄の1分で読めるエッセー

ふと脳裏に浮かんだ雑感を気ままに綴った日記

現代はつらいよ

2025-01-27 04:32:00 | 映画

先日は『男はつらいよ』(1975年)を観たわけですが

前半何かあわただしくシーンが切り替わると思ったら

このテレビ版の『男はつらいよ』って、

前半、ストーリーと直接関係ないシーンを

カットしてる部分が多いんですねえ。

だからちょっと味気ないスカスカな印象を受けた。

同映画の推しファンのひとりとして

この日生まれて初めて『男はつらいよ』を鑑賞する人に

「な~んだB級コメディに毛の生えたようなものだな」

などと勘違いされたくない。

 

 

たとえばオリジナルでは

江戸川の土手の斜面で

寅次郎と源公の会話が終わると

カメラがゆっくりパンして

青空を写し

その広い空を二羽の鳥がゆうゆうと飛んでゆく。

が、テレビ版では、二人の会話が終わった時点で

すぐブチッと切られて次のシーンに移ってしまう。

 

あるいは

小さな公園で眠り込んだ寅次郎が

目を覚ました時に

子供たちのいたずらでズッコケると

子どもたちがからかう。

「こらっまちやがれ、このガキ。ちしょうめ」

と寅次郎が追いかけ

子どもらは「やあい。あっかんべー」と言いながら逃げてゆく

こういう昭和のお馴染みの『実写版忍者ハットリくんなど』の

「子どもたちが大人の男をからかったりするシーン」は

ことごとくカットされている。

 

たぶん今のこのご時世も影響してるんだろな。

もしこういうシーン観て

触発された現代の子どもが

明日、公園のベンチで寝てる住所不定の男性をからかったりすると

男が持ってるナイフで子どもをブスッ

なあんて事態がなりかねない。

そういうリスクはできるだけ助長しないよう

テレビ局は細心の注意を払ってるのかもしれない。

 

だからさあ

先日の「葛飾立志伝」を観ていいなと思った人は

数年後オリジナルに近いdvd版をあらためて観てほしい。

またちょっといい意味でイメージが変わるはずだ。

 

 

 



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