未来への絆 【江戸っ子畳職人物語】

この物語は畳の仕事や日々の暮らしを通し
      家族の愛と信頼を
  余すところ無くブログ化したものでる。

裏張り in 涙。

2008年03月10日 22時24分23秒 | 思い出し笑い

「裏張り(ウラバリ)10枚やってこい

私が修行時代に先輩から言われた強烈な一言。

本日仕事をしている時、思い出した。

 (畳床が古い。)

古い畳床のコモ(一番下の部分)が、剥がれていたので「裏張り」作業

をした。 画像撮り忘れました。すいません。

「裏張り」とは畳床の補修などに用いる方法で、畳表やワラなどで

補修する作業の事をさす。私が修行時代、夏休み前位に、運針法の

練習を兼ねて、先輩に教わった作業である。

とある先輩に、「夏休みが終わるまでに裏張り10枚やってこい」

といわれ、愕然とした。この作業かなり大変な作業で、手の皮等

ボロボロになる。しかも仕事の裏張りと違って、運針法の練習目的の

為、針足(ピッチ)等が細かい。しかも縫い終わった後にその糸を締める。

とにかく大変な作業。私、素直に先輩に言われたとうり、19歳の夏休みを

工場での修羅場とたえた。蚊にさされ、汗だくで、時には涙も流した。

そして何とか一ヶ月かけやりとげ夏休み明けに先輩に写真を見せると

「本当にやちゃたんだ。」と一言。さらに

「冗談だったのに。」・・・と。

 

・・・・・・・・・・・・            

「俺の夏休みは・・・・殺気が芽生える。」 「この手見て下さいよ

先輩 「えへへ。」               

しかし今では感謝している。良く頑張れた思い出になった。あの先輩は

今何処で何をしているのだろうか?