未来への絆 【江戸っ子畳職人物語】

この物語は畳の仕事や日々の暮らしを通し
      家族の愛と信頼を
  余すところ無くブログ化したものでる。

泉岳寺 様 (EPILOGUE)

2008年03月16日 14時17分17秒 | 有職畳 祭り

泉岳寺

泉岳寺(せんがくじ)は、東京都港区高輪二丁目にある曹洞宗寺院

江戸三箇寺の1つ。

慶長17年(1612年)に徳川家康が外桜田に門庵宗関を招いて創建。寛永18年(1641年寛永の大火で焼失したが、将軍家光の命で、毛利浅野朽木丹羽水谷今川の6大名により、現在の高輪の地で再建された。

浅野内匠頭赤穂浪士が葬られていることで有名であり、現在も多くの参拝客が訪れる。また、毎年12月13日12月14日には義士祭が催される。

現在の住職駒澤大学名誉教授小坂機融。様

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 参照

(泉岳寺御本堂)

(泉岳寺境内入り口)

       

       (大石内蔵助良雄様像)         (赤穂義士四十七士墓地)

忠臣蔵でご名声の泉岳寺様。

(株)金井畳店が一ヶ月に渡り、お仕事をさせて頂きました。

出会いは数年前から、時下に泉岳寺様からお話を頂、色々な場所の畳仕事を

させて頂いて来ました。今回は御本堂の有職技術による表替え仕事にて

施工させて頂きました。

 御本堂ビフォー。

 御本堂アフター。

 

使用材料は「畳表」 産地(熊本県)の方に特注で、織って頂きました。

無理なお願いにもかかわらず、丁寧に織り上げて頂き、その温もりや

表情を、損なわないよう、産地の生産者の愛情が、より美しくお客様に

ご提供出来る様、しっかり製作させて頂きました。本当に有難うございました。

「畳ヘリ」は京都の材用商からの仕入れでした。

 

製作者は四代目 金井 功です。全ての作業工程を行いました。

私は、この御本堂のような、有職技術を用いた、作業を行う場合

限りなく一人で製作するようにしています。

寸法の見方。紋へりの満ち欠け。部屋の湿度や空気。紋へりの感触流れ。

全体をとうして、一つのドラマと考えます。全ての意思は統一したほうが

良いと考えるからです。まだまだ未熟ものですが、畳と向き合う事に

畳に温もりを込めることに、今の自分を全て表現するよう努力しました。

泉岳寺様には、このような機会を与えて頂き、心より感謝申し上げます。

本当に有難うございました。

これからの畳の移り行く季節に対して、細やかに対応して行きたいと思います。

 

 

 

数々の温もりを込めた畳達。又いつかお会いしましょう。

EPILOGUEは新たなPROLOGUEの始まりに・・・~FIN~

P.S 後日詳しく 金井畳店HP 有職畳のページにUP予定。

注) 全ての写真は泉岳寺様の了解を得ての掲載にあたります。


お得意の勘違い。

2008年03月15日 22時44分01秒 | 江戸っ子の日

本日、土曜日にて江戸っ子の日。宜しくお願い致します。

「俺は昔からおちょっこちょいな所があり、よく勘違いやなんかしやす。

昔、修行時代に先輩に畳の搬入(敷き込み)に行って来いといわれ

息災良く現場に向かい、現場で一人大騒ぎ。「畳がねぇぜ。畳がねぇぜ。」と

トイレや、しとつのこらずのお部屋を探す始末。

気が動転し、すぐさま会社にいる先輩に電話。

すると先輩あきれてなあんにも言やしねぇぜ。 どうやら俺、勝手に俺の中で

畳の引き上げと勘違いしてやがる模様。畳はあるわけねぇぜ。

工場にちゃんと立っていた。素晴らしき勘違いぜ。

今日はそんなおちょっこちょいな俺の新たなエピソード。

近々俺、金井畳店HPを大量更新の予定。

どうやらプロバイダーさんとの契約容量も乏しくなってきた。俺、早速電話で

増量の願い出。何やら5メガバイトずつ増やせるらしいぜ。

俺、なあんにも考えねぇで、「景気良くMAXやちゃって。」

「マジにいいんかよ?」の返事。「かまやしねぇからやちゃって。」

向こうにすてみればずいぶん景気のいい話。そいで、その会話が終わり

ふと仕事中に俺は考えた。一回で○千円払えば増設?何て?

何か虫が良すぎるぜ。もしかして一回いくら?じゃ無くて

月額(プロバイダー料金+「増量額」○千円)かも?

俺の背中に悪寒が走るぜ。

すぐさま電話すると、もう、やちゃいやがったよの返事。

俺それとなく聞いてみたら案の定不安的中。

どえれぇぬかし訳なさそうに、容量をもっかい大幅カット。

さっきの勢いはどこに?なさけねぇ勘違いのお話だった。」  情け無い・・・

P.S 本日にて無事お寺のお仕事終了。楽しい日々だった。

 

最後の拝敷(寸法もの)製作完了。

後日総括&EPILOGUE。ご紹介させて頂きます。

 


丸い紋畳縁祭り。

2008年03月14日 21時58分57秒 | 有職畳 祭り

凄いですね

しかしこの雨にあやかったお話。

私がこの一ヶ月、仕事にあたらせて頂いているのは、お寺のお仕事。

このお寺のお仕事には、一般のご家庭であまり使われない(床の間を除く)

畳ヘリを使っています。

 

このような畳ヘリを「紋へり」といいます。素材は各種色々ですが

今回使用した畳ヘリは「綿素材」のものでした。

この畳ヘリは上記写真を見ても分かるように、丸い紋の模様です。

これを、畳の端(すみっこ・角)に一紋一紋綺麗に出さなくてはいけません。

ヘリの大きさに畳が合っている訳でもなく、逆で畳の寸法に紋へりを

合わす作業がしつようとなります。

そんな中、私は最後の四天拝敷を製作するべく、ヘリのだんどりから行った。

本来、拝敷等には、若干の寸法の余裕がみられ、紋ヘリの寸法に

ある程度あわす事が可能とみていますが、今回の一枚は違う。

寸法の違いが許されない処に敷く拝敷なので、ヘリの段取りからの

勝負となりました。

  

又、御住職がお座りになる椅子の中に納める畳を作成。

厚み60ミリでオールボード畳床を使用。

一紋回しでの畳台になった。堅さを少しでも和らげる為

畳床にクショッン材を縫い付けています。

長きにわたりブログにて、初めて見たお客様や色々な人たちに

分かり図らいブログになってしまい、恐縮です。

めったに無いお仕事なので、興奮して書いたブログも多々ありました。

このお仕事をとうして、畳の又違った一面をご紹介出来ていたなら

これにこしたことはありません。このお仕事も後二日。

EPILOGUE はすぐそこに。


ちょっいと休息。

2008年03月13日 18時44分04秒 | 今日のお仕事

お寺のお仕事も残すところ後少しにさしかかり、いよいよラストスパート。

と思っていたら、頭がぼーっとして回転しない。

良い畳を作る為にも本日、少し息抜きを決意した。

久し振りに家族と食事に行くことにした。

気分転換して明日からの仕事に備えよう。

沢山飲みます。 この位かな?(予想)

P.S 本日から製作している

 厚み13ミリ 目積畳表 へり無し置き畳

金井畳店HP」 からのご注文でした。純国産目積畳表の驚くほどの

 

やわらかさに少し驚いた。しかっり温もりを込めたい。


イングリット・フジコ・ヘミング祭り。

2008年03月11日 23時14分01秒 | 今日の祭り

本日ちょっと仕事とは関係無い話題。

私の趣味的な話をちょっと。

彼女との出会いは去年の10月にさかのぼる。

それまでテレビ等で名前は知ってはいましたが、あまりよく知りませんでした。

出会うきっかけは、妻との結婚記念日にとの、コンサートでした。

妻は幼い頃からピアノに触れていて、クラシックが大好きでした。

私、イメージ的には演歌っぽいですが、クラシックには余り興味がなく

その日もいい転寝の時間かなと思っていましたが、とんでもないことに

彼女(フジ子さん)心を射抜かれました。

初めて音楽を聴いて、涙が出そうになるくらい感動しました。

 (バガニーニによる大練習曲 第6番)

 「ラ・カンパネラ」 

この曲に心を打ちぬかれたました。

それ以来、フジ子さんの様々な曲や演奏をアイポットにダウンロードしたり

ツ○ヤで探しては聞いています。何か力を感じるのです。

是非とも又お会いしたいものです。今日はそんな趣味てきなお話でした。

P.S やっぱり最後はお仕事のお話

 やっと完成。後2枚急ピッチで製作予定。


裏張り in 涙。

2008年03月10日 22時24分23秒 | 思い出し笑い

「裏張り(ウラバリ)10枚やってこい

私が修行時代に先輩から言われた強烈な一言。

本日仕事をしている時、思い出した。

 (畳床が古い。)

古い畳床のコモ(一番下の部分)が、剥がれていたので「裏張り」作業

をした。 画像撮り忘れました。すいません。

「裏張り」とは畳床の補修などに用いる方法で、畳表やワラなどで

補修する作業の事をさす。私が修行時代、夏休み前位に、運針法の

練習を兼ねて、先輩に教わった作業である。

とある先輩に、「夏休みが終わるまでに裏張り10枚やってこい」

といわれ、愕然とした。この作業かなり大変な作業で、手の皮等

ボロボロになる。しかも仕事の裏張りと違って、運針法の練習目的の

為、針足(ピッチ)等が細かい。しかも縫い終わった後にその糸を締める。

とにかく大変な作業。私、素直に先輩に言われたとうり、19歳の夏休みを

工場での修羅場とたえた。蚊にさされ、汗だくで、時には涙も流した。

そして何とか一ヶ月かけやりとげ夏休み明けに先輩に写真を見せると

「本当にやちゃたんだ。」と一言。さらに

「冗談だったのに。」・・・と。

 

・・・・・・・・・・・・            

「俺の夏休みは・・・・殺気が芽生える。」 「この手見て下さいよ

先輩 「えへへ。」               

しかし今では感謝している。良く頑張れた思い出になった。あの先輩は

今何処で何をしているのだろうか?


異種格闘技戦。

2008年03月09日 22時19分35秒 | 今日のお仕事

今宵もブログなひと時。

夜遅くまで作業をしている期間が一ヶ月をたとうとしている。

私一人での作業だが、家族の支えが無ければとても出来ないだろう。

深夜になり、食事の支度をしてくれる妻。

しきりに気を使ってくれる母。

ナイスなスマイルで癒してくれる子供たち

そして、やたらと厳しい三代目

そんな家族達みなさんのお力を借りて後、一ヶ月頑張ります

今日の異種格闘技。

 なにやらアートな畳。お客様のお子様作。

 

厚み30ミリの セキスイ美草畳表 市松 へり無し畳の作成12枚。

 

畳の引き上げ&荷造り。

 

四天拝敷製作過程。ダウン。テンカウント。 

You Be Defeated 。Go Home


この未熟者め。(自分)

2008年03月08日 23時07分58秒 | 江戸っ子の日

 

第三クール終了。 本日江戸っ子の日にて、お願いします。

「今日は俺に腹が立った日だった。

紋へりの合わせ(畳と畳の敷き合わせ部分)はどこも間違いはなく

ピタッと寸分も無くあっていた。今回は縦と横の畳の敷き合わせがあるため

特に製作時に用心を払った。古い歴史のあるお寺の為、畳もかなり古いぜ。

畳床のカタチも悪く、みんな板入れの畳であるぜ。畳を引き上げる際

畳と寄せ木との間の隙間がかなり空いてやがるカタチだったぜ。

俺は製作時にこの隙間を埋める為、畳床との補修と

いっぺんに畳の寸法に用心しながら製作にあたった。

畳床のカタチが悪い為、畳表を張る時に、細心の用心を払いながら

畳表を張った。けどよここが技術不足。センスの足りねぇ所だった。

縦の畳は立つ明かりで、畳表を強めに張らねぇと若干見た目が

シワっぽく見えてしまうってんだ。

まさにそのカタチに何枚かの畳が陥っていた。

紋ヘリの合わせ。畳床への配慮。そいで畳の寸法等に用心をとられ

マジの意味での畳の寸法にきずかなかった。己の未熟さを痛感した。

すぐさま畳表の張り直し。俺に腹が立った。」

その現状において何が大事なのかを見極める事。

分かっていたつもりはいいわけにならない。悔しい一日だった。

P.S  帰ってきてから へり無し畳 の製作。

琉球畳表を使った。へり無し畳でした。そんな畳表についていた商標。

パンダよ 持たされている感が出ていて哀愁ものだぞ。

「中国産だが、大分県認定な商品です。」


ダークサイド。

2008年03月07日 23時24分20秒 | 今日のお仕事

本日、少しダークサイドです。ブログで書く事ではないとは思いますが

宜しくお願い致します。本日、材料屋様とのお話にて何やら

畳の表替え2500円裏返し1500円で仕事を行っている業者様

がいるらしく、周辺地区の畳屋様がお困りの様子との事。

この話題について正直語りたくありません。ただ一つ思った事は

お金だけの奇薄な関系より、畳をとうしてお客様や業者様に

温もりを与えられるような仕事、お客様の喜ばれる笑顔。

畳の良さを、多くの人々に伝え、知ってもらい

後世に日本の文化でもある畳を伝える事。

畳屋にとって当たり前の事を当たり前に誠実に行う事。

何より、お客様の為にと前向きに思う心を大事にしたい。

その気持ちさえ失わなければ大丈夫だと思った。

私達は畳屋なのである。一つではなかった

少し気分がめいって、そんな中での仕事。連日の残業の疲れも重なり

思うように作業が進まない。拝敷きでの作業で、完成に近づいた時

気持ちが畳に出ていたので、全ての糸を切って、最初からやり直す

事にした。

この様な感じで進んでいった。又明日、再チャレンジです。


紋縁に一言申す。

2008年03月06日 23時14分47秒 | 有職畳 祭り

今宵もブログなひと時。

私がこれから製作にあたるのが「四天付拝敷」(してんはいしき)

という、有職技術を用いた、お坊さんがお経を唱えるときに座る敷物であります。

詳しい説明は今度「金井畳店HP」  「有職畳のページ」 へUP予定です。

 3紋回し。四天は4*2紋

 2紋回し。四天は5*3紋

写真の下の拝敷が、一般的な、いわゆる七・五・三紋ですが

写真でも分かる様に上下写真とも座布団の幅に合わせている為

紋回しが異なります。

紋ヘリよ。「違うなら、合わせて見せよう、この腕で。」

紋へりよ。「縮むなら、合うまでまとう、しょうがない。」

紋へりよ。「合わぬなら、やり直そう、最初から。」

ちょっと意味不明ですいません。明日には完成予定


EPILOGUE(エピローグ)近し。

2008年03月05日 23時13分15秒 | 有職畳 祭り

 第三クール終了。

今宵もブログひと時。このお仕事も後少しになって来た。

若干寂しさも感じるが、残りの全ての畳に全力を込めて温もりを込めたい。

 (読みづらいが指示書を製作。)

本堂の畳も後ワンクール残っているが、拝敷き等の製作もあり

腕の見せ所である。

 

早速、簡単なものから製作にあたった。二重(ゴザ互い違い二枚)の

半畳サイズの拝敷製作完了。

頑張ります。


57紋の調。

2008年03月04日 23時03分26秒 | 有職畳 祭り

本日も畳に向き合い楽しい時間も過ぎた。

 この機械は「サンダー君」

私が修行を終え、三代目にプレゼントされたものです。(新品ではなくお古です)

この機械は畳業界に衝撃を与えたと言っても過言では無い機械です。

私が子供の頃から活躍する大先輩です。

モーターなどをいじりカスタマイズしているのが特徴です。

私はこの機械を溺愛しています。そんな「サンダー君」の活躍が光る一日でした。

 

57紋に挑む「サンダー君」

レールが足らないのはレールを途中で送る離れ業。

 

一紋一紋合わせながら57紋の調。

 この畳×3枚。 美しい調でした。

 


ひな祭りだよ全員集合。

2008年03月03日 23時38分05秒 | 今日のお仕事

本日はひな祭り。娘は喜んでいただろうか?

私は仕事に励んだ。本日も作業終了にてブログなひと時。

本日は、よく色々な材料が届いた。そんな変わった材料のご紹介。

 (画像が悪くてすいません。)

畳の材料で、二枚とも畳床です。比較しやすく並べてみました。

縦(丈)の長さはゆうに3メートルを超え、横(幅)の長さは1メートルの畳床。

上にクッションを縫い付けてあり、一人で何とか持てる畳床です。

お寺のお仕事で、9尺の畳が入れ替え (新畳) になった為、材料の

発注になりました。製作が楽しみです。

続きまして、

セキスイ美草畳表 (市松表) 「詳しくは 金井畳店HP カラー畳のページへ」

この市松畳表で厚み30ミリの へり無し畳 の製作にあたります。

綺麗に模様が合うか、今から楽しみです。詳細は後日 「施工実績」 

UP予定です。

そして本日一番嬉しかったのは、久方ぶりに「熊橋備畳表」に出会えた事です。

詳しくは、「最高級畳表のページへ」 この畳表については

  

後日語らせて下さい。とにかく本日もあわただしく過ごしました。

色々な材料、そして色々な畳。そんな畳達に出会えて、職人として

幸せな限りです。しっかり温もりを込めて製作したいと思います。

P.S 娘よ元気に大きく育ってね。心よりお祈りします。

 妻作成。美味しそう。