京都で定年後生活

2013年3月60歳で定年退職。

美術館と庭園めぐり、京都の四季の行事と花を綴ります。

東福寺の暁天講座

2013-08-02 16:15:14 | 坐禅会

東福寺暁天講座初日に行ってきました。
6時開始にあわせて家を出、着いたのは5時45分です。
係りの人に誘導され、境内に車を止めます。
以前書きましたが、4,5年前までは毎月1回の日曜日の坐禅会に通っていました。
故福島慶道管長の提唱を聞くのがなによりの楽しみでした。しかし管長はだんだん病が進行し、提唱することができなくなり、坐禅会も休止となりました。
そして2011年3月、東北大震災の前に亡くなられました。
私の大好きなそして尊敬する管長の死はショックでたまりませんでした。
それ以来東福寺に通うのはなくなり、せいぜい暁天講座に参加するくらいでした。

今回は私の大好きな白隠禅画の第一人者である、吉澤勝弘花園大学教授の講座ということで参加しました。


坐禅会や暁天講座はここで行われます。門が開いています。



禅堂内です。



6時雲水から坐禅の仕方の説明を受け、30分坐ります。
坐禅終了後、白隠坐禅和讃の読経後、吉澤教授の講座に入ります。



吉澤教授


内容は「白隠禅画をよむ」です。


「机に向かう観音図」に描かれた白隠の意図をよみときます。



約1時間の講義が終了後、茶礼となります。




和菓子(通天)とお茶です。菓子は東福寺の紅葉と通天橋を表現しています。



禅堂内の写真








7時40分過ぎに終了です。










日曜美術館アントニオ・ロペス

2013-08-02 16:14:03 | 美術・博物館


日曜美術館(2013年7月21日放送 再放送:7月28日夜)

『そこにある永遠 アントニオ・ロペス』を見ました。

私アントニオ・ロペスという芸術家は知りませんでした。
番組冒頭で「マリアの肖像」という絵を見て、圧倒されるように絵に引きずり込まれ、番組を最後まで見ました。




アントニオ・ロペスは、現在のリアリズム絵画を代表するスペインの巨匠で、超絶的な技巧と鋭い観察眼で、空間の匂い、そして時間の移ろいさえ描き出すと言われているそうです。(何のこっちゃと思われそうですね)

番組はアントニオ・ロペス(画家)も出演し、インタビューに答えていました。




アントニオ・ロペスは 1936年、スペインの地方都市に生まれ現在77歳です。
画家だった伯父に才能を見いだされ、14歳の時、ピカソも通ったマドリードの名門美術アカデミーに、最年少で入学します。
当初はキュビズムやシュルレアリスムにも傾倒していました。




その当時のことをロペスは、「当時は現実そのものを書く必要がないという考えにとらわれていた。目の前にある現実をありのままに描くことは、当時の絵画の主流からあまりにもかけ離れていた。あのころは主観的に物事を描く前衛的なスタイルがなりよりも重要だと考えられていた」と答えていました。

その後、「フランシスコ・カレテロ」という作品から転機が始まります。
人物をありのままに描きながら独自のリアリズムの挑戦する。
具象的なものを描きながら、そこに形のないもの、目には見えないものを調和させたいという夢を持つようになったと言います。
リアリズムだから、写真を撮って写っているように描けばいいかといいうとそうではないようです。
ロペスは、「写真はひとつの手段でしかない。良くないのは写真だけを見て現実を見ない。
写真を使えばとても簡単にかけます。しかし、絵はとても単調になって、色と光の世界は表現できなくなる」と言います。










ロペスにとってリアリズムと精神性は分かちがたいものであり、感情のないリアリティーなど存在しないと言います。
代表作バリューカスの消防署から見たマドリードは1990~2006年と完成には16年かかりました。

ロペスは絵画だけでなく、彫刻にも独自の考え方を追求します。
彫刻代表作「男と女」1968~94はまた素晴らしい作品です。
まるで生きているみたいです。




現在日本で美術展が開催されています。

ロペスは、日本での美術展開催にあたり、絵画より彫刻を見てほしいと言います。
今後は先入観にとらわれることなく、彫刻を追求していきたいそうです。

番組を見終わり、非常に至福でした。
ぜひ、作品の実物見て見たいのですが、現在長崎県で開催されています。
ちょっと遠いです。