NHK日曜美術館
影絵作家藤城清治89歳の風の又三郎(8月25日放送)を心待ちにしていました。
私の大好きな作家藤城清治さんが取りあげられるからです。
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影絵で有名な藤城清治さんはかなり前から知っていましたが、長年展示会には行ったことがなく、初めての展示会は、昨年の5月の連休見に行った、奈良県立美術館「光と影のファンタジー 藤城清治影絵展」です。
米寿特別展示会として、モノクロのシンプルな初期作品から最新作、油彩画、水彩画などもあわせて200点 以上が展示されていました。
原爆ドームや東日本大震災をテーマにした作品もありました。
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展示品を見終わり、非常に感激しました。
光と影の調和が実に美しく、特に詩や童話などメルヘンの世界を幻想的に映し出す作品は感動を覚えます。
すばらしい絵画や彫刻から受ける感動とはまた違った、光に写し出された影絵は、
心に焼き付くような美しさがあり、何か人間の心の奥深くを揺さぶるようです。
この夏、藤城清治さんは、宮沢賢治の代表作「風の又三郎」の連作に取り組んでいます。これまで「銀河鉄道の夜」をはじめとする、 賢治の童話を作品にしてきましたが、
長い間「風の又三郎」は心のどこかで避けてきたそうです。
それが、80 歳を過ぎてからの大きな心の変化があり、メルヘンだけでなく、
原爆ドームなど現実の作品を制作します。
さらは東日 本大震災後、何度も被災地を訪れ、復興の祈りを込めた影絵を制作します。
去年11月には防護服 を着て福島第一原発をデッサン、完成した影絵には、「世界がぜんたい幸福にな らないうちは個人の幸福はあり得ない」という、宮澤賢治の言葉を添えました。
藤城清治さんは、「風の又三郎を89歳の今だから描 ける」として、制作を開始しました。番組は、その創作の日々を映し出しています。
89歳でなお創作意欲が旺盛な姿には、感服するばかりです。
早く完成品を見てみたいです。