日曜美術館8月18日放送の『原田ハマが挑む貴婦人と一角獣』 を見ました。
現在、フランス国立クリュニー中世美術館所蔵 の『貴婦人と一角獣展 』が日本で開催されています。 中世ヨーロッパ美術の最高傑作の誉れ高い作品です。
東京展示会は終わりましたが、2013年7月27日(土)-10月20日(日)まで大阪の国立国際美術館で開催中です。
私は涼しくなってから見に行く予定です。
『貴婦人と一角獣』は、西暦1500年頃の制作とされる6面の連作タピスリーで す。19世紀の作家プロスペル・メリメやジョルジュ・サンドが言及したことで、一躍有名になったそうです。
作品の解説をみると、千花文様(ミルフルール)が目にも鮮やかな大作のうち5作品は、「触覚」「味覚」「嗅覚」「聴覚」「視覚」と人間の五感を表わし、残る1面「我が唯一の望み」は、「愛」、「知性」、「結婚」など諸説あり、いまだ謎に包まれていると言います。
番組は小説家の原田ハマさんらが、謎に包まれている「我が唯一の望み」を探ります。
確かに、作品のすばらしさは当然ですが、加えてそこに謎解きがあるというのは、さらに作品の魅力を高めているのだろうと思いました。
6面のタピスリーと解説を転載します。
我が唯一の望みとは一体何なのか、想像しながら作品を楽しむのもいいですね。

感覚
背すじを伸ばし堂々と立つ貴婦人が、右手で旗竿を持ちながら、 左手で一角獣の角に軽く触れています。 動物が旗竿を支えていな いのは、この画面だけです。 背景に描かれた猿もまた、自らの首 輪の鎖に手を触れています。

味覚
6面のうち2番めに大きなタピスリーです。 貴婦人は侍女の捧げる 器から右手でお菓子を取り、左手にとまるオウムに与えていま す。オウムはお菓子をついばみ、また前景にいる猿も、何かを口 に入れようとしています。

嗅覚
背すじを伸ばし堂々と立つ貴婦人が、右手で旗竿を持ちながら、 左手で一角獣の角に軽く触れています。 動物が旗竿を支えていな いのは、この画面だけです。 背景に描かれた猿もまた、自らの首 輪の鎖に手を触れています。

聴覚
もっとも縦に細長いタピスリー。 豪華な織物を掛けたテーブルの 上に、小さなパイプオルガンがのっています。 貴婦人はオルガン を演奏し、侍女がふいごを操作しています。一角獣と獅子は、振 り返ってオルガンの音に耳を傾けています。

視覚
草地の上に腰を下ろす貴婦人の膝に、一角獣が前脚をのせ、憩っ ています。貴婦人は、右手で鏡を支えながら、左手で一角獣のた てがみを撫でています。一角獣は、鏡に映る自らの姿に見入って います。

我が唯一の望み
6面めの、もっとも大きなタピスリーは、「我が唯一の望み」と題 されています。 これは、画面中央の背後に配された、青い大きな 天幕の銘文から取られています。 この言葉は何を意味しているの でしょうか。 貴婦人は、侍女が捧げ持つ小箱から、宝石を選んで 身につけようとしているようにも、また逆に箱に宝石を戻してい るようにも、見えます。この最後の画面が何を意味しているかに ついては、様々に論じられてきました。 五感を統べる第六の感覚 である、心、知性、精神であるとも言われますし、銘文からは、 愛や結婚といった意味が導き出されています。 宝石が象徴するも のに対する貴婦人の身振りも、どちらとも解釈することができま す。最後に残された大きな謎。 それは、連作の魅力をいっそう高 めているのではないでしょうか。