道々の枝折

好奇心の趣くままに、見たこと・聞いたこと・思ったこと・為たこと、そして考えたこと・・・

自覚

2024年06月27日 | 随想
人間何が大切かとあれこれ考えてみたら、先ず自覚が最も大切との結論に至った。自覚無しには、何事も覚束ない。自覚に欠けるということは、船舶や航空機が自位不明の状態で航行や飛行を続けるようなもの、進むべき目標も進路も定められない。人は自覚が足りないと、的外れな行動や言動が出てくる。自分のポジションがわからなくなっているからである。人を育てるということは、その人の自覚を促すことに尽きるように思う。自覚があ . . . 本文を読む
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対岸の景色

2024年06月23日 | 随想
人の一生は、大河を泳いで渡るようなものである。大河の流れに逆らうことはできない。水に入った時は対岸の目標地点の景色を目に焼き付けたはずだが、いったん泳ぎ始めると、前に進んでいるようでいて下流に流され続け、漸く対岸に着いて岸に上がってみれば、夢想もしなかった情景を観て絶句する。たじろいでも仕方がない。やり直しは効かない。情況に甘んずるしかないのである。泳ぎ出す前に見た景色は幻だったのか?と我が目を疑 . . . 本文を読む
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鹿児島行

2024年06月20日 | 旅・行楽
静岡空港から小型旅客機に乗り、鹿児島空港ヘ降りた。15年も前に開港した県内唯一の空港発便を初めて利用したのだから、飛行機嫌いというか時代遅れも甚だしい。高所と閉所、両方嫌いだから仕様がない。10年前九州に来た時のアクセスは新幹線で、小倉で降り、大分・宮崎を経由して鹿児島に入った。 今回は同行した娘夫婦が航空機・宿・レンタカーを全てセットしてくれた2泊3日の5人旅、重い腰を上げ苦手な飛行機 . . . 本文を読む
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共感

2024年06月13日 | 随想
ネット社会が進化するに従って、人同士の触れ合いの場や人に共感を抱く場と機会が、世の中から急速に減っているのではないかと危惧している。生産性が上がり余暇時間が増え、人々の交流の場が増えているのなら嬉しいが、どうもそう良い方向ばかりではないらしい。共感というものは、人の集まりがあるところで呼び合うものである。仕事を遂行する組織の人員が、省力化やIT化に伴う縮小または分散により、目に見えてその規模を減ら . . . 本文を読む
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感懐を掬う

2024年06月11日 | 随想
世の中には、老人になってみなければわからないことが沢山ある。若い頃には考えが及ばなかったことが多い。知恵が足りなかったのではない。人生体験の不足が、適切な思考を促さなかったのである。人は老人になるに従い、心裡に溜まった感懐を掬い上げることが多くなる。芸術の素養のある人たちは、創作に感懐を籠めることが出来る。書や画、音楽や詩作など、表現をもってそれをする人たちは多い。筆の立つ人は書簡や随筆の形をとる . . . 本文を読む
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