今日私たちは、FB・Twitter(X)・YouTube・Instagramなど、SNSと呼ばれる膨大な情報の大河に取り囲まれて暮らしている。これをスキマ時間に閲覧していると、つい引き込まれ、気がつくと随分時間を費やしていて愕く。SNSは、それと気づかず、中毒の状態に陥り易い。ほかならぬ私がその症状を呈していると、家族から度々指摘されていた。この大河を流れる情報は、私たちの仕事や暮らしに役立つ情報 . . . 本文を読む
日本の政治が、敵性国家の対日強硬政策を奇貨として民意を煽り、対抗して軍事力を増強する方向に舵を切った。前の戦争遂行に大きな責任があった人々の、衣鉢を継ぐ人たちが表立って発言するのが目立つようになっている。彼ら彼女らに若い人たちが使嗾されないよう、誤った国家主義に被れないよう、私たち戦争の影響を直接蒙った世代は、政治が右傾することに対して敏感でなければならないと思う。国民が非戦を国是と望むまで、選挙 . . . 本文を読む
人が喧騒を好むのは、考えたくないからではないかと思う。人間は集団や喧騒の中に入ると、思考力が低下するのが普通である。孤独と静けさは、否応なく人に何ごとかを考えさせる。思考には静寂が必要だ。いくら考えたところで、良い考えが泛かぶとは限らないが、困ったことに頭というものは、静かになると自動的に作動し始めるもの。物事を考えたくない時には、喧騒の中に身を置くのが一番確実だろう。都会で暮らす人間は、日常うん . . . 本文を読む
秋は鳥の渡りの季節。伊良湖岬はサシバほかのタカ類が南へ渡る経路に当たっている。岬の先端部の森一帯が、渡りの拠点になっているらしい。9月、タカたちは列島の北の各地からこの森に集結し、渡海の機会を待つ。10月に入ると、晴れた日には、サシバの飛翔が本格化する。前日からの晴天が、進発の条件である。日が昇り地面が暖まると、上昇気流が発生する。タカたちは気流に乗り、三々五々、旋回を繰り返しながら段々と高度を上 . . . 本文を読む
正義感というものは「絶対的な感覚」である。「ほどほどの正義感」というようなものはない。ところが面白いことに「絶対の正義」というものはない。正義は観念だからだ。観念は人それぞれ、正義は多様である。観念に過ぎない多様な正義を定義しようとするから、間違いが起こる。定義できないものを定義しようとするのはナンセンスである。正義を口にするのが躊躇われるのは、人として正しい反応である。人が声高に正義を叫ぶ時、碌 . . . 本文を読む