道々の枝折

好奇心の趣くままに、見たこと・聞いたこと・思ったこと・為たこと、そして考えたこと・・・

オーバープレゼンスの兄弟

2021年01月31日 | 人文考察
世の中の人々は、多かれ少なかれ、オーバープレゼンス(overpresence)の衝動を抱えて生きている。これには二つの派がある。ひとつは自己承認欲求に衝き動かされている派(以下承認欲求派と呼ぶ)と,もうひとつは自己顕示欲求に衝き動かされている派(以下顕示欲求派と呼ぶ)の、二派である。どちらも目立とうとし過ぎるのである。目立たなければ居られないのである。これら二つの欲求は、人間が多数の中で自分の存在 . . . 本文を読む
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ユーモアについて(その2)

2021年01月27日 | 人文考察
「ユーモアについて(その1)」に続く。コロナ禍という未曾有の災厄に見舞われ、不安が重苦しくのしかかっているこんな時こそ、日常生活でユーモアを忘れないようにしたい。ユーモアというものは、逆境にある時にこそ、その真価が発揮されるものである。目下は専門家でも対応と予測に確信が得られない非常事態、メディアに煽られ素人が政府の不手際を非難したところで、然るべき政治家(統合家)不在の日本では、最適の対処は無理 . . . 本文を読む
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統合家

2021年01月26日 | 人文考察
あらゆる専門は各個バラバラなものだが、究極的には統合によって初めて有機的に連結運用され、人間生活の向上と社会の発展に寄与する。日本には専門家は多数居るが、統合家が極めて少ない。統合能力を備えた人物不在の社会である。卓れた専門家と雖も、専門外には全くの素人である。分野の異なる専門家同士が互いを評定し調整し連携し合うことはできない。したがって、すぐれた専門家(professional)はすぐれた統合家 . . . 本文を読む
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アラ探し

2021年01月24日 | 人文考察
苟も民主主義の国家なら、政権が交代する度に、前の政権の政策の見直しは後の政権の責務であり、その結果新政権は前政権の政策転換の必要に迫られることもあるのが当然である。これは与党内での政権交代であっても、与野党間の政権交代であっても、政権に確固たる意思がある限り発生するはずのもの。ところがわが国では、この当たり前のことの行われることが少ない。お隣の韓国は見直しが甚だしく、目を覆いたくなるほど問題が多い . . . 本文を読む
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方言

2021年01月22日 | 人文考察
テレビは標準語の普及に多大な貢献をした。その反面、この国から方言を失わせることにも寄与した。方言というものは風土と一体のもので、今日遠方に旅してお国言葉を聞くことが少ないのは、寂しいことである。藤沢周平原作、山田洋次監督の時代劇三部作のひとつ「鬼の爪」を観たとき、永瀬正敏扮する主人公に仕える召使い役(恋人)の松たか子の口から「〇〇でがんす」という俚語が発せられたときは、頭が「がーん」と衝撃を受け . . . 本文を読む
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