やはり自民党は政党としての機能を失っている。この10年間の自民党政権における治世は、何事もうまくいかなかった。折も折、青天の霹靂のコロナ禍、こればかりは国際比較の厳しい目に晒されていて国内問題のように適当に国民を謀(たばか)ることが出来ない。政権は疾病対策管理の不手際と行政能力の劣化を白日のもとに曝け出してしまった。焦りは分別を奪い、妄言まで口にするようになった。
「コロナのピンチをチャンスに変える」自民党下村博文
2021.5.3
コロナをチャンスに変える???
与党のピンチとの認識は正しいが、それをチャンスに変えようとは・・・どの口から出た言葉か?
焦りと絶望感で分別を失ったとしか思えない。
この人物が総裁選に出ようとしたので驚いた。国民感情を分かっていない。菅総理はじめ党内から批判され取り止めた。
変異株の恐怖に怯える全国民、コロナで亡くなった人々の遺族の無念の思い、感染して後遺症に苦しむ人々への一片の同情・共感もない言葉だ。
自民党の本質をこれほど端的に示した言葉もかつて無かっただろう。
党実力者の高齢化による発想の硬直化には逆らえず、多年隠し続けてきた本性を露呈してしまったようだ。
旧憲法の下で、300万人の同胞を死に追いやった史実を忘れてはいけない。どんなに優れた憲法をもっていても、理念と良識なきリーダーが意思決定を行う国は滅びる。
東京オリンピック・パラリンピックも、照準を改正国民投票法の成立と将来の憲法改正に平仄を合わせた手続きの一つであると見ることができるだろう。
世界中から人が来て競技に熱狂し、メダルの数に国民が酔い、その余韻の冷めやらぬところで国民投票に持ち込む。石原慎太郎元都知事の発案が自民党に支持されたのは、それが党是を実現するに最も効果的な方策として期待されたからだ。
そうまでこだわる党の悲願は、国民の生活向上にも福祉にも資すことは何ひとつない。戦後76年間、国民にも国際社会に対しても些かも不都合をもたらさなかった現行憲法を、敢えて改正するなら、より政権の恣意性を抑える方向で憲法を改正する選択肢しかない。それは自民党政権の下においては実現できない。
自己正当化を謀る戦前のエスタブリッシュメントの末裔とその意を受けた自民党が希求する憲法は、政権担当者に戦争の裁量権を与える憲法である。国民を戦争に総動員する権限を手に入れるための法典である。政権の独走を阻むという憲法本来の目的と真逆な目的を秘めた法典は、この国の未来には不要である。
敗戦を招いた権力者たちの後継者たちに教唆され使嗾され、憲法改正しかないと思い込んでいる若い政治家たちは、目を醒さなければならない。
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