夜中に腹痛で目が醒めた。前日に中毒の可能性のある食品は食べていない。翌朝体温を測ると37.3度あった。腹痛は夜中よりも酷くなっている。急遽お粥と梅干しの朝食を食べることになった。安静にして寝ていたが昼には38度になった。コロナが頭を掠めたが呼吸器に異状はなく、発熱のほかは腹痛、それも腸と腹筋とが痛いだけなので、様子を見ることにした。その日の夕方は37.1度。翌朝は36.4度に下がり、コロナの不安は消えた。
前の週に妻が腹痛と太腿の筋肉痛を発し、3、4日不調が続いていた。週が変わり症状が収まってから、かかりつけ医院での定期検診の際にそれを伝えたら、医師は、目下、腹痛・筋肉痛が症状のウイルス性の感染症が流行っていると告げたそうだ。
時期と症状から、妻からウイルスに感染したのだろうと素人判断した。風邪ウイルスの感染の応酬は、鼻風邪程度なら日常茶飯事だ。どちらかが発症すれば、必ず連れ合いに感染る。個別に私室をもたない老夫婦に感染防止は難しい。普段食事を共にしない他の家族に感染させないよう注意するだけで精一杯、自分たちの身を守る術はない。
それ以後、食事はお粥か煮麺にシラス干しだけの副食になった。タンパク質や脂質を少しでも摂ると、このウイルス病は腹痛がぶり返す。糖質、タンパク質、脂質の順で、消化が悪いことを切実に体感した。普段は気づかないが、栄養価の高い食べ物の消化のためには、免疫機能に影響するほどの生体エネルギーを要するのだろう。高カロリー高タンパク食は禁物だ。更に、冷たい飲み物や冷菓などは、免疫力を低めるのか腹痛の悪化を招いた。
この風邪には、温いデンプン質すなわち伝統の病人食、葛湯のようなものが回復を早めるのではないか?昔の人の知恵には、つくづく感服させられる。
闘病4日間で消化管の痛みは消えたが、腹筋の痛みがやや遺っている。それでも、今朝はいつもの標準食に戻ることが出来、植物の手入れをする意欲を取り戻した。自然治癒力が支える健康の有難さを、あらためて痛感した。