たまに妻がオムレツの朝食を用意してくれると、妙に懐かしくも嬉しい気持ちになる。何の変哲もないプレーンオムレツなのだが・・・
オムレツは新婚時代の朝食を想起させる料理ではないだろうか?
材料が簡素で手早くつくることができるから、料理に不慣れな新妻には扱いやすい料理である。それでいて固くならないよう素早くつくらないと美味しくならない。中身を程よく柔らかに、綺麗にまとめるのは難しい。新婚時代のオムレツには、新妻の朝食にかけるひたむきさが、籠っていたような気がする。
結婚して55年経っていても、老妻が何かの拍子にオムレツの朝食を用意してくれると、日頃叱られてばかりいてすっかり意固地になってしまった頑固爺いの心も和らぎ、若い時のように妻への労わりも蘇る。いつも飲んでいるコーヒーまでが、香り高く感じられるから不思議だ。
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