7月初日の当地は、朝から猛烈な日射の強さにたじろいだ。急な暑気に流石の家内も昼食をつくる意欲が湧かないようだ。
そこで緑陰の濃い奥三河まで行って昼食を摂ることに意見が一致、片道1時間半の道のりを走った。
峠を2つ越えて新城市の長篠橋を渡る。長篠城を左に見て長篠大橋を越え右折すると間もなく、寒狭川右岸に旧い発電施設跡を公園化した〈花の木公園〉に着いた。30代の頃の、川釣りを始めた頃から、年に数回は訪れていた。今年は今日が3回目。
岸に沿ってかけ渡した、白妙の衣のような人工滝を眺めながら川魚料理を賞味できるのは此処だけのものなので、家族をつれてよく来た。
そもそもは、寒狭川の清冽な水の流れに惹かれ、この川筋を行き来していて立ち寄ったのが始まりだった。生まれて初めてアマゴを釣ったのも、この川の上流である。
標高900mの段戸高原に源を発するこの川の水は、昭和40年台・50年代までは、清冽なことで知られていた。
駐車場の山壁に、鳳来百合(ヤマユリ)の蕾を3つ見つけたが、開花にはまだ間がありそうだった。ヤマユリはササユリと共に好きだが、此処のは環境が良いのか花が大きい。土地の人はヤマユリを〈鳳来百合〉と呼ぶ。
「梅雨が明けないと鳳来百合は咲かない」と地元に言い伝えがあるらしい。大いに意を強くした。そうか、ヤマユリは梅雨明けに咲くものだったのか。周りは森林なのにセミも鳴いていない。自然界の認識では、まだ梅雨は明けていないのだった。
誰だ!自然の理を無視して、気象庁に「梅雨明け」と早々に発表させたのは!セミが鳴いてヤマユリが咲かなければ、日本の梅雨は絶対に明けないのだ!コロナ禍でも経済を回したい意図は理解できるが・・・
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます