道々の枝折

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植物油という曲者

2024年02月01日 | 食物・料理

高齢者が健康を保つのはなかなか難しい。注意することが多過ぎて、何を優先させたらよいのか、選択に迷うことが多い。

病の原因として生活習慣が挙げられ、その中でも、食事の質と内容は健康と強い相関があると考えられている。
お酒が健康に好ましくないことは、WHOでアルコールの害が認定されて以来、社会的に共通の認識に成っている。最早お酒は、「百薬の長」などとは言えない存在になったようだ。上戸の方々には、ご同情申し上げる。

酒の害をとり挙げるならもうひとつ、健康への害が懸念される液体を看過するのは片手落ちに過ぎる。
植物油というものは、製油された段階では何ら有害性をもつ食品ではない。むしろ健康に有用な考えられて来た。
だがこの植物油、保存の状態または調理の際の加熱によって変性し、健康に有害な物質に変わるらしい。

私ごとで恐縮だが、老生は天麩羅やトンカツ・フライドポテト・から揚げなど揚げ物が大好物なので、この問題は甚だ気に懸かる。
お酒のように簡単に断絶することはできない。心ゆくまで食べたいのだが、美味しさと有害性が背中合わせになっていると聞くとたじろぐ。

食品を油で揚げることで、その油が変質することは今日誰もが知っている。酸化・重合・加水分解という化学作用により、油は健康に有害な物質に変化するらしい。加熱調理や殺菌の最も簡便で確実な方法が、有害物質を生むのは困りものだ。なんとか害を防ぐ方法はないのだろうか?あの揚げ物の香りと引き換えに健康を損なうのはなるべく避けたいが、どうすれば良いのかわからない。

私たちは、劣化した植物油がいったい健康の何を損なうのか、どの器官を障害するのか、どうすれば害を減らせるのか、詳しい情報はほとんど知らされていない。
安全を考えるなら、揚げ油は新鮮な油を使い、その都度使い切って、使った油の再利用は一切しないということになるだろう。
そうなると、廉価性の高い揚げ物が高価な食品になってしまう。外食産業も消費者も困るに違いない。廃棄油が増えると、環境への負荷が大きくなるのも問題である。私たちが知らない、行政の手に負えない事情があるのだろうか?

ハム・ソーセージ・ベーコンなど加工肉に対する健康上の注意点などはWHOで警告されてから、製品に添加物の表示が義務付けられている。
だが油の加熱によって2次的に生じる有害物質が何かは、油の容器に表示されることはない。調理の油の更新頻度なども、法令で規定されていないようだ。
油種ごとに、加熱温度と加熱時間による劣化の目安を、製油メーカーに表示してもらえないだろうか?これは消費者庁と厚労省で指導するのが適切かと思う。

トランス脂肪酸の害が欧米であれだけ喧伝されているのに、日本での規制は進んでいない。老生はクッキーも好きなのだが、日本のものは未だにショートニング・マーガリンを使っているものが多い。今日のような知識がなかった若い頃は、某社のビスケットが大好きで、パチンコの景品は専らそれに換え、毎日沢山食べでいた。




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