趣味のひとつにエレキギターがある。
若年の頃にアコースティックギターを初めて手にし、基本どおりクラッシックの教則本を忠実に辿ったがすぐこれに飽き、情熱的なフラメンコギターの響きに魅せられたちまち転向した。続いてアメリカやヨーロッパから入ったギター・インストゥルメンタル曲を耳にすると、ご多分に漏れずエレキギターに奔った。以来、いっこうに上達しないものの、弦に触れない週はなかった。
それにしても、これだけ長い時を費やしながら、演奏の技能がまったく進歩しないということは、いかにこの方面の才能が無いかを如実に物語っている。それでも続けているのは、ギターの音色、コードの響きが好きだからだろう。その音を聴くこと自体が楽しかったといえる。
プロのギタリストの略歴を見ると、ギターを始めて僅か数年でプロになる例が多い。何事も、技能的なことには天賦の才が必要だ。才能の花というものは、結実(世評)はともかく、必ず開くもののように思う。才能が無ければ、いくら水を撒き肥料をやっても開花しない。
それでも、長くギターに親しんでいると、演奏は全然巧くならないにしても、和声の仕組みなど多少は理解するようになり、コード進行も直感できるようになった。音楽の3要素のうち、ハーモニーは他の2要素よりも理論の比重が大きいから、知る楽しさもある。最近は専らテンションコードに関心が深まっている。
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