道々の枝折

好奇心の趣くままに、見たこと・聞いたこと・思ったこと・為たこと、そして考えたこと・・・

咄嗟の判断

2021年07月27日 | 随想
我が家から直線距離にして約300メートルほど南の台地上に、中部電力の高圧線鉄塔が立っている。台地とその下の平地との高低差は約30mぐらいだろう。

その辺りは台地の縁に当たり、地役権が設定されている鉄塔の周囲は、緑濃い天然の森になっていて、野鳥が多く集まる。そ周りには住宅地が拡がっている。鳥やセミの声は、もっぱらその鉄塔敷の森あたりから聞こえて来る。

日本列島は地震の巣で、当地も100年に1回ぐらいの頻度で地震災害に見舞われて来た。堅い地盤の台地面での地震被害は比較的軽微だが、軟弱な平野部では甚大な被害があったと記録されている。

私の家も台地下の小川に近い場所にあり、造成前は水田だったから地盤は軟弱である。居室の6人がけテーブルは、地震の際に老人2人分のシェルターになるよう、3寸角の脚を具えているものにした。

居間にソファが無いのは、50歳前に腰痛を繰り返し、硬い椅子の生活に切り替えたからである。以来腰痛とはほぼ縁が切れた。

東海地震が叫ばれて半世紀、途中で南海トラフも危険と分かり、今では東南海地震が最も発生確率が高いと言われている。日本の人口稠密地帯に沿う巨大地震源、喉元に匕首を突きつけられているようなものである。

災害はいつ来るかわからない。備えていても、危難を免れるかどうかは運次第。予見をすることは大事だが、実際に地震が起きてみなければ、各戸でどのような事態が発生するか分からない。当然ながら、予測し得ないことの方が多い。

となると、被災の瞬間の極めて短い時間の中で、救かる方策を考えなければならない。果たしてそれができるかどうか?咄嗟の判断の正誤が明暗を分ける。咄嗟の判断が正常に働かないことを予想すべきだろう。

地震や土砂崩れ、洪水などの瞬発的な災害に対する避難訓練は、行政の総合訓練に委ねるばかりでなく、各戸それぞれができるだけ試行の回を累ね、思考停止状態に陥っても非難行動ができるまでに練度を高めておくことが大切だと思う。熟れておくに越したことはない。

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