道々の枝折

好奇心の趣くままに、見たこと・聞いたこと・思ったこと・為たこと、そして考えたこと・・・

イチジク

2019年08月25日 | 食物・料理
果物の好みも、年齢と共に変化するようだ。若い頃はジューシーな果物が好きだった。ミカン・ナシ・モモ・ブドウ・リンゴ・スイカなど。
新陳代謝の盛んな年ごろは、水分の多い果実を体が欲しがるのだろう。
今はカキ・イチジク・バナナ・イチゴなど、あまり水気のない、それでいて柔らかい果物に変わった。歯が弱ったからかも知れない。水分を嗜好飲料で摂る生活習慣の、好ましくない影響もあるかもしれない。

この時季最も好みの果物は、ブドウよりもイチジクである。あの芳醇な香りとネットリした食感が堪らない。ブドウ狩りに行った家人の土産のブドウよりも、ついでに道の駅で買ったイチジクの方を有難がっている。好きなのだから仕方がない。

この嗜好には理由がある。育った家にイチジクの木が一本あって、幼児の頃から13・4歳になるまで、毎年この果実を食べていた。幼少期にある種の食べ物の味覚が脳に刻印されながら、青壮年期では他の様々な食品との接触の中で閑却されていた場合、老いて俄かにその味覚が蘇ることはよくあるようだ。それを口にして来し方を想うのも、ささやかな幸福といえるだろう。




コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 今も酸性雨 | トップ | 骨盤後傾を防ぐ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿