道々の枝折

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骨盤後傾を防ぐ

2019年08月26日 | 健康管理

YouTubeには、接骨師さんや整体師さんのサイトが数多くあって、有難いことに腰痛に対する効果的な対処法がいくつかアップされている。

ある整体師さんの指導を実践しているうちに、腰のトラブルと無縁になった。6年前にギックリ腰で酷い目に遭い、松葉杖のお世話になったことが嘘のような日常だ。

60歳を超えた人は、筋トレとストレッチが欠かせない。昨年〈加齢性サルコペニア〉というものについて記事を書いた。これは筋肉の量の問題への注意を喚起するものだった。
今回は〈骨盤後傾〉を防ぐ簡便なエクササイズを紹介させていただく。何の故障であれ、予防に勝るものはない。

加齢で筋肉が柔軟性を欠いたり弱ってくると〈骨盤後傾〉が始まるようだ。
本来骨盤はやや前傾し、仙骨の上に乗る腰椎から胸椎・頚椎にかけては緩くS字状にカーブしているのが正常らしい。〈生理的曲線〉と呼ばれている。逆に過度に前傾しても〈反り腰〉になり、腰痛の要因になる。

腿の後の筋肉〈ハムストリングス〉が硬くなったり、〈大腰筋〉が弱くなると、骨盤が後ろに寝て腰椎は横から見て直線状になり、胸椎が後弯して猫背になる。首が前傾し顎は前に出る。これはまさに真横から見た老人の典型的な立ち姿である。つまり老人にとっての大敵は、下半身の筋肉の衰えである。
特に〈ハムストリングス〉が硬くなるのがいけない。サプリメントや薬での強化はありえないし、散歩だけで防げるものでもない。骨盤周りの筋トレストレッチを欠かさないことが大切だ。

骨盤は横から見たときに、やや前傾するように保つのが理想らしい。
生理的曲線には人種により大きな差異があり、黒人・白人・東南アジア人(旧モンゴロイド)・東北アジア人(新モンゴロイド)の順に前傾の度合いが弱くなるようだ。遺伝による〈大腰筋〉の太さ強さの違いが関係しているという。

日本人の〈胡座座り〉は、骨盤後傾を促進する最悪の生活習慣である。ただちに廃めるべきである。椅子に腰かける生活とは著しい差異を生ずる。高齢者が和室で胡座をかく生活習慣は断つべきである。

私は横着者なので、真面目に多数のエクササイズをこなすトレーニングなどは継続できない。ところが、私にも楽にできる極めて合理的で簡便な骨盤調整体操をアップしてくれていた親切な整体師さんがいた。

床にマットを敷き赤ちゃんがハイハイする四つん這いのポーズをとる。両手は肩関節の真下、両膝は股関節の真下に置く。背中の力を抜き、背中を床に垂らす感じ。

②身体を前後にゆっくり限界まで(前に4秒後ろに4秒、往復8秒)揺らす。お臍で床を拭くイメージでこれを10往復ほど。お臍をポインタとして、前と後ろへ。

これを20回やって1セット。理想は朝昼晩の各食事前にやって1日3セットだが、I日1回だけでも骨盤の後傾を修正できる。

痛みや無理のない、好みの振幅で前後に揺動するだけの簡単な動きだから、誰でもできる。
一週間もすれば、骨盤の後傾が改善されているのを実感する。

産まれて月日を経ていない乳児の背骨は直線状をしているものだが、ハイハイをし始めると、大腰筋・腸骨筋など腰回りの筋肉が鍛えられ、背骨がS字状に変化するという。背骨を歩行に適した〈生理的湾曲〉に導くハイハイ歩行に着目し、これをエクササイズに採り入れ公開してくれた整体師さんには、深甚なる謝意を捧げたい。





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