前回は 名古屋港の写生だったのですが、今度は教室での人形の描写を2回(2週)。今度は2科展の会員さんでかなり抽象に近い具象画を描く人。
最初にその人流の描き方を教えてくれたが、特にパステルを使った描き方を楽しそうに教えてくれたので、ほとんどの人がそれを使って描きだした。私も当然パステル。
先生の例で示したやり方は、スケッチもせずに(してもいいが)対象の色の配置を全体に軽く塗り、そこで重要部の線を決め、その後順次仕上げていくというものだった。簡単な説明過ぎて、最初の塗り加減が濃すぎたら後が大変と思っていたら、周辺でその失敗が続出していた。
私は、授業時間内(1回目後の追加作業も含めて)に2枚、その後に1枚を製作した。
1.1枚目 正面像
私たちのグループの対象となったのは、こんな赤い服の人形。
<対象の人形>
先生が正面からが描きやすいとおっしゃったので、正面像とした。そして周辺は誰も人形の全体像を描き出したが、顔とそれ以外の縮尺の違いの調整に自信がなかったので、人間に近いバストアップを描くこととした。
家で描いたのは下図。この時は色鉛筆で眼を描いたので、変に反射している。上の写真がなかったら、それなりの人形の絵になっていると思った。ともかく胸のレースの部分が難しい。この状態で次の時間に持っていき先生の指導を仰ぐこととして、その後は2枚目の作品の色配置等を行った。
<正面像(先生の手入れ前)>
2回目の授業の開始時に、気になっていた眼を尖らせた黒のクレパスで塗り、口元の角度を変えて笑顔にした。そして空気に色を付けるということで、顔の後ろに斜めに深緑の領域を作った。そこで先生に持って行った。
先生はまず「なかなかいいじゃない。」と言ってくれた。そして完成へむけて一回りしようといって、帽子、服、背景に幅広のパステルで、ぐいぐいと色を塗っていった。これが一周目といって、返してくれたのが下記の図。全体の色のバランスをみながら、後2周ぐらい色を付けていくそうだ。
服がもう現実から離れて、いろんな色になっているが収まっている。帽子は動感がある。そして背景は右が青に化け、左の深緑は霧に見え隠れしているのが面白い。
<正面像 (先生の手入れ後)>
多分対象にたいして、まずは写生をしながら自分の面白いと思っていることを見出し、それが見えたら、写生対象の現実の姿に拘らず、描いたものの面白さを純化させようということなのだろう。
2.2枚目 斜視図
2枚目は多くの人が描いていた斜視図で、ほぼ全身像を狙った。
2回目の講義の前に基礎の色は塗っていたので、1の先生の指導を除いた時間内で書き進めた。
この項の最後に完成結果を掲載しているが、全体像に全体像にするとやはり顔近辺の縮尺と全体の縮尺のバランスが取れず、顔が小さめとなり普通の子供の体形になった。
また正面でないから、右と左の肩や腕、足とかの位置や大きさが難しいことがよくわかった。絵の中での違和感がないように工夫した。これらの行為が上記の子供の体形になったことと関連しているかもしれない。
色彩は、全体をブロックに分けてそれぞれを性格づけて塗っていけという指導があり、この絵は割と区分しやすく、ブロックのサイズが小さいのでピッチが小さくてもよく、配色はかなり早く進み、終了7分前に背景を残すのみとなった。
顔が遠くを仰ぎ見るように仕上がったので、夜に月を見る雰囲気をと、青及び紫の色の中に、丸い黄色を浮かせてみた。
完成したのが 次の図である。元の人形のイメージとは全然違うが、なかなかロマンチックな感じになっている。
<斜視図>
3.3枚目 側面図(少し振れている)
正面、斜視と書いてみたので、側面図も家で描いてみようとおもった。
確かに難しい。これは正面の人はずっと見続けるけれども、側面の人は見続けないからイメージを構築しにくいからではないか。ともかく厚みをうまく設定しづらい。
それと、2枚目が子供っぽくなってしまったので今度は大人っぽくしようと思った。
全体の姿勢以外は、これまでの色付けの方法でかなり順調に進んだ。今回は横からの姿勢だったこともあり、深緑を少し使ったことも含めて、ややそれらしく表現できたとおもう。
描いた結果が下図である。顔も身体つきも大人っぽくなったとおもう。服の色は第2回を踏襲したが、ディズニーアニメのお姫様の服装のようにも見える。
背景だが、これまでの様にブルー系や緑系が多分在っていたと思う。でも黄色系をためしてみたいと塗っているうちに、ファイアーという囁きが聞こえて、こんな感じとなった。でも実験として面白い。
<側面像>
今回は、周りの女性たちが非常に少女漫画の主人公の顔にとらわれていることがわかり、面白かった。私としては描いた対象にはあまり似ていないけれども、インスパイアされたそれなりの人形の絵を描くことが出来てよかったとおもっている、
そしてプロの画家が、どの様に絵を完成していくかがすこしわかり、非常に参考にになった。