1.気付き
義父と私の家を結ぶ道の法面は、春になって暫くするとチガヤに覆われます。
でも、存在はそこにあるのに5月12日まで、写真を撮っていません。その日は、風で揺れて輝きが変わったのが面白かったのでしょうか。
<ずっとそこにあったのに>
その日まで
なかったかのよう
存在が
風の流れを
教えてくれた
その日まで
なかったかのよう
存在が
風の流れを
教えてくれた
2.受粉
数日後、穂の色が少し変わりました。見ると蕊が飛び出しています。風媒花なので花粉伝達は風待ちです。
<蕊は風を待つ>
きらきらと
蕊を持ち上げ
どこまでも
夢は広がり
ただ風を待つ
きらきらと
蕊を持ち上げ
どこまでも
夢は広がり
ただ風を待つ
3.旅立ちへの準備
受粉後、穂が一気に白くなっていきます。
旅立ちという運命に気づくまでの間、人間のように戸惑うこともあるのかも?
<何かが変わった>
春風に
艶光して
揺れ動く
私の中で
何かが変わった
<檻から抜け出せ>
こみ上げる
凶暴な思い
何処から
湧き上がるのか
檻を抜け出せ
<センチにもなる>
何故かしら
センチにもなる
夕焼けは
何処にもあるか
誰に聞けばいい?
春風に
艶光して
揺れ動く
私の中で
何かが変わった
<檻から抜け出せ>
こみ上げる
凶暴な思い
何処から
湧き上がるのか
檻を抜け出せ
<センチにもなる>
何故かしら
センチにもなる
夕焼けは
何処にもあるか
誰に聞けばいい?
4.旅立ち
種も成熟し、風に乗る綿毛も完成。ようやく落ち着きました。
さあ旅立ちの時です。でも思いっきり飛びたい種と、近くにくっついていたい種があります。
さあ、飛び立つ次世代のチガヤ君を応援しましょう。
<気がついた>
ふんわりと
なんか自由だ
気が付いた
ここを離れる
私がいる
<もっと強く風を>
風よ もっと
強く吹いてくれ
しがみつく
腕解き放ち
星へ飛ぶんだ
<優しい雨とともに>
お母さん
優しい雨と
地に落ちて
貴方の想い
引き継いでゆく
<これがボク>
飛び出した
慌てん坊が
背伸びする
輝く産毛が
風と友達
ふんわりと
なんか自由だ
気が付いた
ここを離れる
私がいる
<もっと強く風を>
風よ もっと
強く吹いてくれ
しがみつく
腕解き放ち
星へ飛ぶんだ
<優しい雨とともに>
お母さん
優しい雨と
地に落ちて
貴方の想い
引き継いでゆく
<これがボク>
飛び出した
慌てん坊が
背伸びする
輝く産毛が
風と友達