てんちゃんのビックリ箱

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映画「ミステリという勿れ」感想

2023-10-09 09:41:05 | 映画


映画名:ミステリーと言う勿れ
上映場所:イオンシネマ大高
鑑賞日:2023年10月5日


1.背景
 膝を痛めて以来、配偶者の趣味に引っ張られています。それとともにできるだけ軽くということで、最近カメラを外で持ち歩くことが少なくなりました。
 今回も配偶者の希望で、この映画を見に行きました。最近の動員一位ということから、私も興味は在りました。
 ウィークデイの昼過ぎ、私たちが入った時は30名弱で、それもわりと高齢層が多く特異な存在では在りませんでした。

 映画の原作は、田村由美の人気漫画でかつテレビドラマで好評だったものの映画版。テレビでは1時間番組で1回もしくは2回で、1テーマを扱っていた。主役の天然パーマの大学生を人気の菅田将暉が演じていて評判だったが、私はもっと内気でもう少し背が高くてもと思っていた。ともかくは、テレビのブツ切で画面の小さな世界ではなく、2時間以上連続でかつ大画面の映画の世界でどう物語が動いていくか興味があった。

2.内容
 テレビドラマがほぼ東京近郊に対して、この物語は場所が広島、風景も違うし、周りを囲む人が常連でないのが新鮮。
 広島近くの旧家の相続に関する話で、一番若い相続候補によって強引に巻き込まれた主役曰く「犬神家の一族」のような雰囲気ではじまる。そして現在の相続人に次々と危険な状況が降ってくる中で、主役によって昔の殺人事件等が掘り起こされて行く。それと同時に人々の旧来からの常識に捕らわれた心の制約が取り払われていく。

3.感想
(1)全般について
 映画という表現環境(時間、大画面等)を活用し、また場所の違いを利用して、テレビドラマより密度の濃い物語を作ってきた。
(2)主役について
 テレビでの主役の菅田将暉は顔が丸くまた言葉総てがドスが効きすぎて鉈でガシッと断つようで、私のイメージ(やや細面で一見気が弱そう、ムキになってでも柔らかい言葉で話す中でキーワードだけが浮かび上がるように鋭く突き刺さる)とは違うとおもった。でも映画ではそれなりに気の弱さを感じさせ、私のイメージに近付いた。
(3)その他の配役等
 主役を引き込む若い相続候補の少女が大熱演だった。その他の相続人および少女の初恋の人もバランスが良かった。
 主要な女優として、柴咲こう、鈴木保奈美、松嶋菜々子という大物が、それぞれの束縛を持つ女性の生き方を演じている。若い少女と合わせて、これらの女性の束縛の解放を隠されたテーマにしている。もう一人松坂慶子という大物がキャスティングされているが無駄使い?

(4)ストーリー等
 原作にほぼ忠実。ただし若い少女を心理的に虐めすぎ。最後にコンサルタントに行くような流れになったが、やっぱりトラウマが残りそうな可能性があるのは可哀そう。
 主役のボソボソとした言葉を周りが聴くことで話が進んでいくが、私のイメージしていた刺すような言葉より、この主役のガシッと断つような言葉のほうが、確かに真剣に効く対象になるとおもった。
 途中の過去の事件を暗示するビデオの画像と語りがとても気に入った。

4.おわりに
 原作の良さを生かし、女性の生き方について考えさせるテーマの意図を引き出した密度の高いいい映画だと思った。
 そしてこういった映画を作る場合の最善のキャストを並べていて、その顔ぶれを見るだけでも価値のある作品とおもう。

コメント (1)
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