てんちゃんのビックリ箱

~ 想いを沈め、それを掘り起こし、それを磨き、あらためて気づき驚く ブログってビックリ箱です ~ 

近くの小さな池の浚渫

2023-04-17 23:54:46 | 日記
 最近 近所の大きな池と小さな池で浚渫が行われた。
 小さな池はごく近くで、1月から始められ3月に終了した。大きな池は少し離れていて、12月から始まり、6月まで通づくようである。どちらも自然、特に鳥たちに大きな影響をあたえた。
 今回は小さな池の方の、浚渫の状況を示す。

1.浚渫対象の池について
 池のサイズは、約40m×80mの長方形のため池でコンクリート、そして道路で囲まれている。多分かつては丘の斜面で、少しへこんだ所を掘りこんだものと思う。
 池のほぼ半分は葦で覆われ、池の周りは樹々がならび、高い柵が道路と隔てていた。
 池にはカモ、サギ、時には鵜などが飛来し、周辺の樹々は鳥たちが大きな森の間を移動する中継地点となっていた。そして特に春から秋にかけてはウシガエルが大きな声で鳴き、去年カルガモが営巣したとき、コガモが数匹から減っていったのは、それが食べたためではとの噂が近所にたった。



 「葦の生えている所から小魚を狙うシラサギ」」



 「小魚を咥えて泳ぐ鵜」


 そこに、11月末に浚渫工事実施の案内看板がたった。
 浚渫開始3日前、工事を知ってその前にと思ったのか カルガモが来訪した。

<せめて今日だけはのんびりと>



せっかくの
隠家だけど
さようなら
悪代官が
浚渫始める

 

2.浚渫工事の進行
 まず池の水抜きが、ポンプを使って1週間ほど行われた。
 40mの一辺の道路が通行止めとなり、1台は重機が常駐するようになった。そしてダンプカーが土を運んで来て、スロープを作り始めた。



「池面までおろされたスロープ」


 それと同時に、池の葦が数人の作業者によって除去された。



「葦を刈る作業者」


 また、周辺の樹々がどんどん伐採された。サクラも3本ほどあったが蕾が開かない状況で、赤い実を付けた樹々も小鳥が集まっていたのに、総て切り倒された。

 

「樹々が切り倒される前後の池岸の状況」


 スロープが完成すると静々と重機が2台降りていき、池の底をさらいつつ白い粉が撒かれた。粉は泥の安定化剤だと思う。



「スロープを降りる重機」



「葦を刈る作業者」


<ドロンコ遊びは楽しいかい>



ショベルカーさん
どろんこ遊びは
楽しいかい
大きな団子
期待してるよ


 掘り返した土砂は、袋に詰められ、非常に高いクレーンで持ち上げられ、ダンプカーに詰め込まれ、そして運び去られた。重機3台の土砂のリレーは、見事なくらい効率がよかった。



「3台の重機の活動状況」
(1台がスロープ遠くを駆け回って土砂を集め、2台めがスロープ下近辺で土砂を上へ挙げやすくする。3台めはクレーンで、土砂を持ち上げダンプに積む)


 最後には、10m角程度の領域を除き、完全に底面は浚渫された。その底面の色からしっかりした粘土だと思った。


3.浚渫工事中の鳥たち
 なかなかにうるさい工事中も、最初の頃は鳥たちはどんどん飛来した。ヒヨドリはやや遠くから眺めていた。百舌鳥はかつてよく集まっていた木の切り株で、じっと周りを見ていた。ムクドリは伐採中に落ちた実を拾いに、群れが集まっていた。しかし工事が進むにつれていなくなった。

<身勝手な奴は嫌いだ>



昨春に
デートをしたのは
この木だった
身勝手過ぎるよ
人間てやつ


 昨春は百舌鳥のつがいがここで、ずっといちゃついて鳴き続けていた。

 泳げる水の深さが必要なカモたちは水抜き後は近寄らなかった。しかしサギたちは、重機が動いている間も飛来した。重機から少し離れたところで泥水の水溜りに近付き、いつものように水中の様子を伺った。

 <近寄るな>



暴君が
荒れ狂う場に
近寄るな
理不尽だけど
この世の習い


<泥水の中で>



泥水に
写った姿は
ごまかせぬ
生きる場失くした
いきどおりだけ


 この写真は、泥水に写ったアオサギの姿を上下逆転して見せています。

 そしてかなり浚渫が終わった状況を、確認するかのようにゆっくりと歩むアオサギ。





4.浚渫工事の終わり
 池底面をかなり平坦にした後、スロープを削りとり、予定通り3月半ばに工事は完了した。下の写真はスロープを削り取る重機。





その後ちょうど雨模様になったので、短日数で水は貯えられた。そして池の周辺では新しい日常が始まった。



 それは、下記のような状況である。
 ①例年なら今頃から鳴きだしていたウシガエルの声がしない。
 ②樹々が総てなくなったので、緑がなく風が強く吹き抜けるようになった。
 ⓷鳥がほとんど来ない。来ても直ぐ去っていく。小鳥の鳴き声がしなくなった。
 ④以前は、人が池を見ながらゆっくりと歩いていったが、最近は急ぎ足で通り過ぎていく。

 全体的に味気なくなった。またじっくりと過去のような野鳥の集まる池になるには、どれくらいかかるのだろうか。
 それとも、これまでとは全然違う状況に変化するのだろうか?
 さしあたっては、水中の植生だけでなく、カエルや小魚、ヤゴ等の昆虫が総ていなくなったので、ボウフラがわかないことを祈っている。(蚊は1年間に数世代繰り返す。)
コメント (8)
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