『ベルリンは晴れているか』で知られる深緑野分の『戦場のコックたち』を読了。各ページ二段構成の大変文章の多い小説でしたが、第二次世界大戦のノルマンディー上陸作戦~終戦までのヨーロッパを舞台に、アメリカ軍のコックたちを描いた小説です。時々起こる事件をコックが解決するなど、ミステリーの要素もあり、単なる歴史小説ではないところが面白いところで、深緑野分のファンになりました!
夕木春央の『方舟』を読了。2023年の本屋大賞にノミネートされている本作は、山奥の地下に閉じ込められた男女が脱出を図ろうとするんだけど、地下水の水位が上がってきて1週間以内に脱出しなければならないなかで、殺人が起こるというサバイバルミステリー。有栖川有栖も述べているように真相の衝撃といったらすごすぎて唖然としました。ちなみに今回購入した本は、サイン本だったりします。名駅の三省堂ではたまにサイン本が平積みされていて、以前も貴志祐介のサイン本を買った記憶があります。
山崎豊子の『約束の海』を読了。途中で山崎豊子が亡くなったため、遺作にして未完の絶筆となった本作は、潜水艦乗りの主人公と戦争捕虜の経歴を持つ父親という、親子を軸に反戦を謳った本で、本当にこれからというところで終わっています。昔、手塚治虫の未完の絶筆『グリンゴ』を読んだときも同じことを思いましたね。山崎豊子の作品は読みやすいんだけど読み応えもあって、もう本を読めないことが残念です。
今日も出勤でした…。この時期に出張込みの2週連続の6連勤は堪えます…。
梓崎優のミステリー『叫びと祈り』を読了。帯が示す通り、結構話題になったミステリー小説です。海外を舞台にした意表を突く新感覚ミステリーで、あっという間に読み終えました。梓崎優は慶応経済出身とのことで、僕の一学年下に当たるので、ひょっとすると同じ講義を受けていたかもしれませんね。
吉田篤弘の『流星シネマ』を読了。優しい文体でどこかノスタルジックな雰囲気が魅力的な素敵な小説でした。吉田篤弘はクラフト・エヴィング商會としても活動していて、昨年ぐらいに読んだ小川洋子との共著『注文の多い注文書』も印象に残っています。
葉室麟の『天翔ける』を読了。幕末から明治維新にかけて活躍した、福井藩主の松平春嶽の半生を描いた時代小説で、やはり激動の幕末に松平春嶽の存在は大きかったんだなぁと改めて思います。
百田尚樹の『夏の騎士』を読了。主人公が小学生ということで、初めは読むのに抵抗があったのだけど、読み進んでいくうちに話に引き込まれました。子供ならではの冒険心や変なプライドなど、懐かしさが心地良い小説でした。子供の時、友達の家によく遊びに行ってたけど、大人になって考えると、友達の家それぞれに色々な家庭環境があったんだなぁと感じます。
荻原浩の『楽園の真下』を読了。南国の島で発生する相次ぐ自殺者。その謎を解き明かすために島を訪れたフリーライターが目にしたものは想像を絶する理由だった!という話です。表紙をよく見たら、物語のキーとなる生物が載っているわけで、終盤のサバイバル活劇さながらのハラハラ展開はさすが荻原浩の一言。楽しく読みました!
伊坂幸太郎の『AX』を読了。伊坂幸太郎の作品を読むのは久しぶり。昔は結構読んでいたんだけど。それは良いとして、相変わらずの伊坂節炸裂で、そのテンポの良い展開がとても面白かったです。凄腕の殺し屋が恐妻家という設定がいいですね!