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愛犬テリーちゃん物語(12)~脳梗塞を患った愛犬~

2013年02月26日 | 愛犬との暮らし
≪愛犬テリーちゃん物語(12)~脳梗塞を患った愛犬~

平成22年6月、13歳を過ぎたある日のことでした。
庭を散歩しているテリーが後足を少し引きずって歩いています。
外見上、足の裏や爪には異常が見当たりません。
ミニチュアダックスフンドに多いと言われている椎間板ヘルニアの発症が頭をかすめました。
傍にいた夫がやって来て足をのぞきこむと、テリーは足をぴくぴくと硬直させはじめたのです。
これは、ただごとではない”と口にしているその時、テリーはその場に崩れるように倒れてしまいました。
“これはただごとではない”と慌てて動物病院に駆けつけ診察していただきました。
先生は診察室の隣の部屋で手当をしています。
待合室で待っている間、心の中で “頑張るのよ。テリー、助かって。先生どうか助けてください” と神に祈るような思いで叫び続けておりました。
処置を終えた先生は “脳梗塞ですね。高脂血症状態が続き、血管が詰まってしまったのですね。”
”血栓を溶かすお薬と血栓をつくる作用を減少させるお薬を与えました。”
“危険な状態は4~5日続くでしょう。右半身に障害は残ると思いますよ。今日はどうなさいますか。”と。

“目を覚ました時に、私たちがいないと不安がるので、今日は家に連れて帰ります。”

“それでは、明日、また連れてきてください。”

テリーちゃんを抱きかかえ、家にもどる車の中でも、このまま目をさますこともなく、死んでしまうのではないかと、重い気持ちで自宅にたどりつきました。

テリーは治療のおかげで、どうにか命のほうは心配がなくなりましたが、立ち上がろうとしても立ち上がることができません。
あんなに食べ物に貪欲であったのに、何も口にしません。
体重は2Kg以上も落ち、5Kgそこそこの体重になっていました。
やはり、先生がおしゃったように、このまま寝たきりになってしまうのかと半ばあきらめかけた頃、正に奇蹟がおきたのです。
よろよろと、よろけながらも立ち上がったのです。
すぐに倒れてしまうものの、何度も立ち上がろうとするのです。
その時の喜びは、これまで経験したことのない喜びでした。
歓喜ってこういう状態の喜びをいうのかなと、少し理解できた瞬間でもありました。
私たちは“テリー頑張れ、頑張れ”と、喜びと嬉しさがいっぱい詰まった声援をおくり続けたのでした。 
こうして、テリーは10日めでようやく立って、体を支えることが出来たのです。
テリーの生命力には本当に驚かせられました。
これまで自力では食べることが出来ず、水と栄養剤、ヨーグルトで命をつないでいたテリーに食欲が芽生え始めてきたのです。
東京でお勤めしていた娘も、体によいという酵素剤を買い求めて帰ってきました。
このまま、寝たきりになるのかと思ったテリーは、少しずつ口にする食べ物の量が増え、日ごと元気になっていくのがわかりました。
脳梗塞発症後1か月もたつと、右足をひきずりながらも歩けるようになり、2か月後には脳梗塞を患った犬とは思えないほど、元気になりました。
表紙の写真はその時のテリーちゃんの姿です。
ダイエットに励んでもちっともやせなかったのに、どうでしょう。
すっかりスマートになっているでしょう。                               つづく

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