この記事は、記者が最も、信頼を寄せる西鋭夫スタンフォード大学教授の真実の絶筆である。
西教授ほど、真実を解明する学者は、今、彼を除いて、日本には存在しない。どうか、西教授の言論と教示をしっかり、頭に入れる時である。
我々、日本人が知らなければならない過去の出来事を赤裸々に教示しているのは、共感を抱くものとして、若い人たちが学んでほしい。知性の2018年に向かいて (セントジョセフ国際大学 国際社会工学部 主任教授 古賀剛大)
天国と地獄
救出作戦
ヘリコプターが「天国」で、攻め寄ってくる北の戦車は「地獄」。
米大使が無能なため、ついに最後のヘリコプターになってしまった。乗り損ねれば、敵軍に協力した売国奴として死刑であろう。
生と死を分けた最終便のヘリコプターがパタパタと頭上に近寄ってくる。これが最終便とは知らない数1000人のベトナム人たちは次は自分の番かと、生き延びられる期待と死の恐怖で息をひそめている。
米軍ヘリに殺到するサイゴン市民
北の戦車の轟音が大使館で順番を待っているベトナム人たちの耳に入ってきた。全員、黒い波のように細いハシゴへ殺到する。ヘリコプターは、すぐ飛び立てるようにエンジン全開である。
すぐにカンヅメ状態の満員になり、数千人を残したまま飛び立とうとするが、ヘリコプターが動かない。乗れなかった男や女たちがヘリコプターにしがみついているため、飛び立てない。
死の枷
大使館の武官である2、3人の男が拳銃を抜き、ベトナム人たちの手や顔を足蹴りにして、ヘリコプターを「死の枷」から自由にしようとする。
米軍に協力したベトナム人たちは必死の形相で泣きわめいているが、足蹴りはさらに激しくなり、ベトナム人たちは遂に手を離した。手を離さなかったら撃ち殺されていただろう。
重いヘリコプターは飛び立っていった。天からのクモの糸が切れたようにアメリカ城が落ちた。土壇場でアメリカに裏切られたベトナム人の心情は私たちに想像もできない。
続く惨劇
アメリカの屈辱的な悲劇は、まだ終わらない。サイゴン沖に待機していた航空母艦の甲板にトンボがー匹ずつ止まるかのようにヘリコプターが着陸しはじめた。
瞬く間に甲板はヘリコプターで埋め尽くされ、着陸できる空間がなくなった。水兵たちがヘリコプターを甲板の縁から海へ落とし始めた。次から次へと溺れるかのごとく沈んでゆく。
それでもまだ甲板に十分な空間ができない。空中吊りのように待たされていたヘリコプターもついに燃料切れになり、米市民とベトナム人を乗せたまま海に不時着を強いられる。命からがらサイゴン陥落から逃げ出してきて、命船を目前にして自殺行為を強制されているような息の止まる惨劇であった。
死者•行方不明の数は報道されていない。
西鋭夫著『日米魂力戦』
第2章「アメリカの怨霊・ベトナム」−28は、自由にアクセス閲覧学習されよ。
なぜ、記者が今、西教授の推敲を大事にしているか、を読者は、知ってほしい。
現在、半島有事になれば、南にいる日本人をどのようにして、日本に運ぶか、である。人質になる前に、脱出させるのが賢明であるからだ。韓国、南を当てにしていては、作業が進まないのは必定、オーストラリアを含めた有志連合が頼りに。なるだけだ。いざ、有事なると、他国をしてはあまり期待しては、結果として狂いが命取りになる。
北の拉致の人間すら、救えない日本が、果たして、有事の際に、全力が発揮できるかどうか、かなり疑問である。
有事がおきない事に、こしたことはない。しかし、あらゆる角度から、シュミレーションを構築してこそ、国家のあるべき道と考えるからである。つまり、何が起きようと、毅然として右往左往しない日本人でありたい。
読者諸氏の弥栄といい年を迎えられんことを祈るばかりだ.来年、また、一緒に学び、社会貢献について、口角泡を飛ばして激論しよう。古賀剛大