T.N.T.-SHOW

メカデザイナー山本薫のBlogです~2006・11・30 お仕事募集中 sp2q6z79@polka.ocn.ne.jp

2007年01月29日 パワードスーツ

2007-11-30 01:43:02 | 設定画

 HALと言う介護用パワードスーツが実用段階になっていますが、私の世代の
メカデザイナーにとってパワードスーツといえば「宇宙の戦士」のそれです。
 宮武一貴氏によって描かれた小説用挿絵は、小説本編をはるかに越えて、私達
に影響を及ぼしました。その後、多くのクリエイターがそのデザインに挑みます。
 機械のパワーによってアシストされた鎧は、一種の憧れと羨望を持って男の心
をひきつけたのです。しかし、時代が下って萌え全盛となると、なぜかその魅力
は薄らいで行きました。半ばあたりまえのファッションのように軽々と画面の中
を飛び回るパワードスーツには、以前のような威容も重厚さもなくなったのです。

 ●パワードスーツ (前)
 このパワードスーツはヒロインが乗り回す車等の中の一つとして、脇役程度に
描かれました。普通なら箱に手足をつけた位でよかったのかも知れませんが、
それではアピールしないと考え、凝った形を考えてみました。
当時から日本のアニメが海外から注目されており、外国向けも視野に入れた
ゲームでは、デザインにアニメ的要素が必要ではないかと考えたのです。
 それでも時間の制約があったので、かなり妥協したギミックとなっています。

Photo_22

●パワードスーツ (後)
 装着者の両腕は胸部の内部におさまってマニュピレーターを操作します。
足はパワードスーツの膝のあたりまでしか入らず、太ももの部分に足を曲げるだけ
の空間があります。脚を支えるメカニズムが背中まで被っており、その上の上半身
との結合部は、スリップする1/4のターンテーブルになっています。
 明らかに、必要な間接数が不足しているのですが、モーションの方に任せるしか
ありませんでした。これは私の研究不足です。

Photo_23

  •  

これがいったいどんな評価を受けたのか、結局は判らずじまいでした。
これに限らず、私のデザインは沈黙を持って迎えられる事が多く、いつも
苦慮しているのです。

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2007年01月27日 対戦車自走砲ホルニッセ(ナースホルン)について。

2007-11-30 01:42:37 | スケッチ

 架空戦車、Ⅲ/Ⅳ号駆逐戦車の項で引き合いに出されているホルニッセについて
紹介します。
 ホルニッセ(すずめばち)は1942年に製造が開始され、最終的に493輌が完成
しています。1944年、ヒトラーの命令でナースホルン(さい)と名称変更されて
いますが、全く同じ物です。
 主砲の88mmPak43/1は、後にキングタイガー戦車やヤクトパンターの主砲にも
使われた強力な砲です。

  • Photo_28

 1942年2月に開発命令が出た後、11月には部隊配備と非常に急造であるにもかかわらず、実戦では相当な成果を上げました。
 しかし、図でご覧の通り薄い装甲板(10mm)で囲っただけの戦闘室は天井もなく、最低限の防御力しかありません。この辺が急造たる所で、非常に大柄なシルエットは遠くからも良く目立ったことでしょう。

 このような兵器ですから、敵の戦車と同じ条件で戦うわけにはゆきません。
あらかじめ決めておいた地点に陣取って、やってくる敵を遠くから狙い撃つのです。
 最初のうちはそれでも通用したのですが、敵がより装甲の厚い戦車を大量に
投入して押し寄せるようになると、撃破しきれずに押し切られる様になりました。
これに対する対策は、こちらも対戦車砲の数を増やすか、装甲を強化して近く
に敵が迫っても撃破されないようにすることです。
 しかし、ドイツでは常に兵器の数が不足していました。対戦車砲の数を増やす
にしても中々数がそろわないのが現実で、新兵器を作るのも、出来るだけ早急
に有効な兵器を開発製造する事が求められていたのです。

 Ⅲ/Ⅳ号駆逐戦車はこうしたニーズに応えたプランです。戦車の事をあまり
知らない方には、ピンと来ないような精妙な条件で成り立つ架空兵器なのです。

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2007年01月25日 僕の考えた戦車(笑)

2007-11-30 01:42:08 | スケッチ

 第二次大戦中のドイツ対戦車自走砲に魅せられた方々も多いことだろう。
機能と造形の美しさから独特の雰囲気を作り出すAFV群には、誰しもが
惹きつけられるものだ。
 去年、デザインの仕事がなかった間、感性がさび付くのを防ぐために自然
と手を出したのがドイツ駆逐戦車のデザインでした。既に、15年ほど前
にも架空戦車のデザインはしていましたが、今回はより詳細な下調べをして
より説得力のあるものを考えました。Pak43_3

  •  

●Ⅳ号車台Pak43駆逐戦車
 最初はⅣ号戦車の車台を使うことを考えました。Ⅳ号戦車を使った自走砲
は、数多く製作されています。備砲は有名な88mm砲を使い、入手性と威力
の両面で現実味があるものを選択しました。Pak43と呼ばれる長砲身の88mm砲
は、連合軍の大多数の戦車をアウトレンジで撃破できる性能を有していました。
 Ⅳ号車台にPak43を搭載した自走砲は、すでに存在しています。ナースホルン
あるいはホルニッセと呼ばれるもので、早期に登場した対戦車自走砲の中でも
強力な部類で、多くの戦果をあげています。しかし、それは薄い装甲板で戦闘室
を作ったもので、生存性を主砲の長大な射程に依存するものでした。
 この後、対戦車自走砲は厚い装甲板をまとい充分な被弾経始を考慮した設計
となります。
 私は、この点を考えてみました。しかし、単純に考えてもホルニッセに分厚い
装甲板を張るには工夫と妥協が必要です。それを探るために、Ⅳ号戦車について
研究をしました。

Pak43_4

  •  

●側面
 主砲・エンジンルーム・戦闘室のレイアウトはホルニッセを踏襲しました。
ただし、砲架にカルダン枠と呼ばれるものを使用することにより、大幅に戦闘室
の小型化を計っており、同時に前面装甲板の被弾経始も確保しています。
 このカルダン枠というシステムは、大戦後期の対戦車自走砲に見られるもので
砲を支える砲架を小型化できる他、旋回軸が主装甲板の外に位置することから、
その両サイドの無駄なスペースの削減に効力があります。
 カルダン枠を収容するケース部分は半球形で、期せずして有効な被弾経始を
形成しています。

●カルダン枠とは。
 カルダン枠は、左図のように四角いワクに旋回・俯仰の二軸をセットした砲架です。
砲塔のない自走砲は二軸を砲塔に頼らず設定しなくてはならず、カルダン枠は一つ
の回答と言えます。備砲はカルダン枠を経て専用の半球型ケースに固定されており、
砲の取り外しをそれごと行うことで生産と整備の簡易化を図っています。
 ケースは主砲の位置の関係上、主装甲板に固定されています。主砲の重量と
発射の反動は厚く重い主装甲板にかかっているために、強度上の心配もない
わけです。

Photo_31

  • Photo_34

●一般的な砲架
 見過ごされがちな事ですが、多くの自走砲の砲架は車台の床に固定してあります。
有名なフェルディナント駆逐戦車(エレファント)やⅢ号系列の自走砲もそうです。
(A図)
例外的にヤクトパンツァーやホルニッセは、車内にブリッジを作りその上部に
砲架を設置しています。
(B図)
 これらは相当な重量と車内スペースを占領し、カルダン枠を使用する事で省略
できれば、かなりの軽量化になると思われるのです。

Photo_39 Photo_40

●Ⅲ/Ⅳ号駆逐戦車
 Ⅳ号戦車を調べて行くうちに、Ⅲ号戦車の部品とⅣ号戦車の部品を組み合わせた
Ⅲ号Ⅳ号共通車台と言う物があることが判りました。ホルニッセはそれを使って
いるそうで、これを使うことにしました。ただし、三号戦車のギアと起動輪を
Ⅵ号車台に組み込んだだけの物ですので、見かけ上はほとんど変化はなく、名称
の上での変更となります。
 他、軽量化の為に前方機銃手を廃して戦闘室上にリモコン機銃を設置してみました。
しかし、実際には人員を減らしてまで軽量化するメリットがあるのかは資料がなく
未知数な部分です。

Photo_41

 戦闘室の小型化と装甲板を傾斜させる事で、装甲板の面積を減らし、カルダン枠
の使用で砲架の重量を削減。その分の重量を装甲の厚さへ転化するのがこのプラン
の骨子です。余分なパワーアップや荒唐無稽な設定の導入は避けたつもりですが、
詳細な計算をしたわけではないので、装甲の厚さについては可能な数値が不明です。
 おそらくは、前面以外での装甲(特に側面)は妥協を計らなくてはならないでしょう。
走行特性も、かなり悪くなり大戦後期に対戦車自走砲のそれを踏襲すると思います。

 頭の体操としてのこのプランの創作は面白い物でした。現在モデルを製作中です。
架空兵器は実際の兵器研究にも役に立つので、これからも続けて行くと思います。

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2007年01月15日 このブログの閲覧状況

2007-11-30 01:41:32 | 日記・エッセイ・コラム

 先週一週間のページビューが1154回を記録しました。一ヶ月そこそこのブログ
にしいては異常に多いと思いましたが、訪問者数は145人とごく普通な数でした。
どうやら通常の閲覧以外の動きがあったようですが、どう言う意図があっての
ことなのか計りかねております。それは、ブログに対する具体的な反応がないこと
もありますが。
 そこで、とりあえず、サイドバーに閲覧者のあしあとを追加しました。
元々は仕事のための営業ツールとしてのブログですが、閲覧していただくのは
ありがたいことです。これによって、なんらかのプラス効果がある事を祈るのみです。

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2007年01月12日 「苦肉の策」 あるTV時代劇のあらすじ。

2007-11-30 01:41:07 | 日記・エッセイ・コラム

 以前は漫画家を目指していた時期もあり、プロットの研究もしていました。
 印象に残った漫画やドラマのあらすじの覚え書きをする事もありましたが、それら
はあくまで日記の域を出ない物で誰にも見せない物でした。
 今回、その一つを紹介しましょう。記憶をたよりに書いたので、実際とは違う部分も
あると思いますが、ご容赦を。日付は平成12年12月8日とあります。

Photo_42

12.12.8、 あるTV時代劇
─────────────────────────────
 7~8年前だったか、千葉真一主演の忍者時代劇をTVで見た。
千葉演じる忍者の頭領は、ある城の城主暗殺の命を受けた。
だが、一族は10数名であり、暗殺の命は城主側の知る所であった。
さらに千葉は城に捕らわれの身となり、一族は絶望的な攻撃をしかける
に至る。 一人一人、うちとられる一族の報に、城主はあざ笑うが、かた
わらに縛られている千葉は、平然と「これぞ忍法 苦肉の策」と言い切る。
城主は慢心する事しきり、「とくと見せてもらうぞ。」と、又、笑う。
 だが、この時、千葉だけが知る最後の刺客が城内に潜んでいたのだ。
ついに一族は皆殺しとなり、城主は千葉に屈辱をあたえるべく迫った。
その時、刺客が城主に襲いかかり、千葉もスキを見て縄をぬけ、城主
を殺害。脱出にも成功したのである。
 生き延びたものの、一人生き残った千葉は、死んだ仲間の事を想い
去ってゆくのだった。
 この時代劇は再放送であったから、製作は、さらに前のことであろう。

 私の関わったゲーム会社がいくつか潰れていますが、私が苦肉の策を
使ったわけではありませんので、関係各位の方々はご注意下さい。(笑)

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2007年01月10日 ☆近未来の自動車 2

2007-11-30 01:40:32 | 設定画

 スーパーカーブームで自動車の魅力に目覚めた方も多いと思いますが、私は
そうしたムーブメントとはほとんど無縁でした。ブームがあったことなどほとんど
忘れ去られてから、必要に迫られて学習を始めました。そのせいか、一般の方と
比べると自動車に対する見方が少し違うようです。
 どのクルマのどこがカッコイイとか、感情的な部分を共有していなかった事が、
仕事として自動車を描く段階になって重荷となったのです。

 ●スポーツカー 2
 前作の教訓を取り入れて、ローアングルで描いてあります。しかし、心配した
ように立体的に把握しづらくなってしまい、部分的な書き足しを行っています。
 このスポーツカーは未来的というよりも、70年代的な感じがします。 Photo_43

●乗用車 1
 某SF映画に登場するコンセプトカーのような未来的な乗用車を描いて欲しい
という要求を受け、描かれたのがこのクルマです。描く前段階に概念モデルを
考えて、かくし味程度に入れてみました。
 概念は、卵のような丸いキャビンを四角いフレームで被ったものです。今回の
自動車には少しずつこの概念を入れて、デザインの統一を図る予定でした。Photo_44

  • Photo_49

●乗用車 2
 某有名車を意識して描かれました。どこかで見たようなデザインを、少し変えて
描くと言うのは非常に微妙な仕事であります。 Photo_46

 ●スーパーカー
 デラックスな感じをかもし出すスーパーカーは、私には苦手分野で、ほぼ
お手上げといった状態でした。オリジナリティー云々以前に、スーパーカー的
かっこよさとはどういった物なのか把握するので精一杯で、細部まで手が
回りませんでした。最低線はクリヤーしていると思いますが、おそらく通の
目で見ると突込み所満載だと思います。Photo_47

  • Photo_48
  •  

苦しかった仕事が終わって、普通ならほっとするものですが、自動車に限っては
もう一度万全の準備を整えてから挑みたいと思いました。
かように心残りの多い仕事でした。

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2007年01月09日 ☆近未来の自動車

2007-11-30 01:40:00 | 設定画

 アメリカ・デトロイトでモーターショーが開かれているそうなので、自動車の
設定画を紹介します。これを描いていた頃もちょうどモーターショーがあって、
参考にしながら描きました。
 このゲームは、ヒロインが都市の中を自由に行動して問題をクリヤーして行くと
いうもので、街を走る様々な車を十数台デザインしました。近未来の米国で、
どことなく現在の自動車の面影を残しつつ、未来的なフォルムを要求されたの
を憶えています。
 私は自動車やバイク等の生活圏に実在するメカニックが苦手で、しかも車には
非常にこだわりのある方々が上司にいましたので、大変な苦労をしました。
結局は、いわゆるアメ車の雰囲気を再現できず、ご迷惑をかける残念な結果
となったのです。

 ●スポーツカー
 最初の頃に好きなようにデザインした車です。アメ車の凄みが出なくて悩んだ
あげく、モデリングの方に縦横の比率をいじってもらうことになってしまいました。
 単体ではそこそこ見れる未来的なデザインだと思うのですが、今見ると玩具っぽい
感じがします。Photo_50

●高級車
 高級な黒塗りの乗用車は、時代に左右されない重厚なデザインをしています。
それでも未来的な部分を加味しなくてはならず、ここでも悩むことになりました。 Photo_51

  •  

●ワゴン2種
 業務用やファミリーカーに使われるワゴンは、比較的保守的なデザインになります。
機能的な部分と未来的な感じを出す部分を上手く融合させて、その上で自分の個性や
現代車の既視感も出すという至難の業に挑みました。
これは、まずまず上手くいったと思っています。Photo_52

  • Photo_53

 設定画はその性格上、形が分かりやすいアングルを描く必要がありますが、
スポーツカーなどをかっこよく描くには人の目線がちょうど良い高さになります。
 上のスポーツカーなども、視点を下げて描いたら良くなったかもしれません。

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2007年01月06日 銃器類の設定

2007-11-30 01:39:00 | 設定画

 銃器類は私の好きな分野の一つです。子供の頃から百科事典の挿絵を見て、いったい
どういう仕組みになっているのか何時までも思案していました。高校になっていくらか
の自由を得ると、銃の専門誌を読みあさって基本的な構造を理解しました。
 オートマチックの仕組みは、最も胸踊らされたメカニズムで、火薬式のモデルガン
をたくさん購入して研究したものです。
 しかし、メカデザインの分野での銃器は、一部を除いて道具にすぎませんでした。
作品内で中心となるのは、あくまで使う側の人間なのです。

 アサルトライフルは、兵隊が出てくるアニメにはつき物のように登場します。
しばしば、兵隊自身の設定の一部として描かれ、単体として描かれることすら
省略される物です。この銃は、主人公が銃器を選べるゲームの設定でしたので
単体で描かれています。全体を無難に仕上げ、少し未来風になっています。
 グリップの部分に小さなジョイスティックがあり、スコープ内に投影される
情報のモード選択などを行いますが、これは私のオリジナル設定で、ゲームでは
使用されません。おそらく、未来型のスコープを備えたライフルには必須の部位
になると考えています。Photo_66

 小型のピストルは、ほとんどかえりみられる事のないアイテムです。
ドラマの上で重要な位置付けであっても、それほど自己主張はできません。
携帯に便利なように余分なパーツや出っ張りがなく、なめらかな外観が特徴です。Photo_67 

 自分の考えた主人公の愛銃に、無二の特徴を持った銃を持たせてやりたい
と思うのは、男性作家の夢なのかもしれません。有名なキャラクターには、
彼と並び立つくらいのキャラクター性を持った名銃が握られているのです。
 私もそのためにこの銃を考えました。平成9年1月とありますが、原型は
もっと昔に考え、主人公の二挺目の銃として左脇のホルスターに挿されました。
 当時ケースレスガンとして有名なH&K社のG11を元に、アレンジを加え
内部機構まで考えましたが、ケースレスの作動には不明な部分も多く、その点は
保留されています。デザイン上は、当時の漫画の流行か機関部に丸い部分があり
ます。私としては、その丸い部分をメカとして必然的なパーツにしたいと言う
考えがありました。 Photo_68

 マシンピストルには付属の折りたたみ式ストックが付いているものですので、
それを考えました。物自体は当時エアーガン化されていたベレッタM93Rの物
とほぼ同じですね。
 他、アクセサリーとして、ハンドガードの一部を取り替えてマグライトが付い
たり、レシーバー上部に低倍率スコープがマウントする構造になっています。Photo_69

銃器の設定は公私共に力を入れていますが、今まで日の目を見た物がほとんど
ありません。これは全く残念な事です。今回紹介したゲームもお蔵入りとなり、
10数挺の銃が巻き添えを食っています。

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2007年01月04日 理想の水上機 続き

2007-11-30 01:38:12 | スケッチ

昨日の水上機の思考実験の後、翌日には応用によってアイディアが発展しました。
 一つは推進をプロペラからジェットにすることによって、理想の水上機に近い
ものができるのではないかという推測です。
(図が見づらかったので着色しました。)Photo_70

  •  

上の水上機からフロートを取ると、初期のジェット機によく似ています。
そこから最初の実用ジェット戦闘機Me-262を水上機化することを思いつきました。
ジェットエンジンに水しぶきを吸引することを考えて、フロートの位置を修正
したりしていますが、あくまでもアイディア上の飛行機ですね。Me262

プロペラ推進を牽引式から推進式に出来ないかと考え、主翼から二本のブーム
を伸ばした型を乗せてみました。この機体の形式は、各国でよく見られます。Photo_71

 上の続き。
ブームを省略して、フロートを使うことを考えました。
フロートの後部に尾翼がついて、半分飛行艇のようになっています。
ブームを省略することで重量を軽減できましたが、尾翼が水しぶきの影響
を受ける位置にあります。これは良くありません。Photo_72 

 昨日の水上機のフロートを引き込み式に出来ないかと考えた図です。
このような引き込みフロートのアイディアは実際にあり、実験的には成功
しているそうです。
 前後のフロート支柱の長さが異なっており、引き込むと機体の斜めの角度と
合致するようになっています。Photo_73

 思考実験によって得られたノウハウは応用が利くという例です。
ただし、これが実際に飛ぶかというと未知数と考えるべきですね。

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2007年01月03日 思考実験・理想の水上機

2007-11-30 01:37:38 | スケッチ

 メカのアイディアを考える時、思考実験という方法があります。
思考実験とは、量子物理学等で分かりにくい抽象的な理論を、日常的な事象に
当てはめて考える方法で、有名なシュレディンガーの猫などもこれに入ります。
 今回は水上機についての考察を紹介します。日付は2000・7・5とあります。 Photo_74

  •  Photo_75

順番に解説してゆきましょう。
最初の図は理想の飛行体です。プロペラの推力によって引っ張られる飛行機は、
前方からの空気抵抗も受けます。上下が対称になってるとバランスがとれて
理論的には理想的な飛行ができるはずです。Photo_76

 フロートは、水に浮かんでいる時は必要ですが、飛行中は多大な空気抵抗を生みます。
胴体部分と空気抵抗のバランスが取れる形状は、このようになります。
理論上はこのような形なら飛行中の姿勢は安定するはずです。
 実際の飛行機では、このような形状はありえません。飛行機は、必ず着地(着水)
するときの形状も考えて設計されているのです。

Photo_77

 現実での手直しでは、フロートはありふれた形状と位置に、プロペラは胴体の
先端にあります。プロペラと胴体は水面に接触しないようになっています。Photo_78

 上の図ではプロペラの推力軸と機体の空気抵抗の中心の間にズレがあり、飛行中
の姿勢が安定しません。このままでは、フロートの抵抗で常に下を向いて飛行
するようになるでしょう。
 そこで主翼と尾翼の位置に修正を加えてバランスを取ります。
 このような水上機は、T字尾翼であることを除けば、現実に良く見られます。
思考実験によって実際の設計技師の思考をなぞった訳です。Photo_79

  •  

次は3番目の図からの別の回答です。
主翼の位置を修正せず、胴体をフロートと対称位置にしてみるという解決案です。
プロペラの後ろにはエンジンを格納する部分と主翼があり、この形状でも
飛行中の姿勢は安定し、着水も出来るはずです。
 実際には、胴体部分の空気抵抗が二倍になってしまう上に、機体の強度の
問題もあります。Photo_80

 そこで、現実的な手直しを施します。
プロペラ軸を中心にフロートと空気抵抗のバランスが取れるように胴体をやや
上乗せ気味に結合します。水平尾翼はT字か十字にして、主翼はエンジンの真中の位置にします。
この位置に主翼を置けば、主桁を中心にエンジンを取り付けたりコクピットから
の視界を確保できます。Photo_81

 こうして、多少変わった形ですが、自分なりのデザインを導く事が出来ました。
おそらくは、過去にこれと同じ事を考えた人が居る事でしょう。
しかし、自分なりの考え方をまとめると言うことは、非常に重要な事だと思います。
 思考実験は一つの有効な方法です。しかし、こうした思考のパズルをする前に
一通りの知識を得ておく事も重要です。深く知識を知っておけば、また違った結論
が導き出されるかも知れないのです。

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