追悼 9月1日に逝去した経済評論家“内橋克人”のテレビを見た。彼は、「FEC自給圏」を提唱していた。その基本となるのが、「FEC自給圏」を目指す地域づくりである。
FEC自給圏とは、食糧(Foods)とエネルギー(Energy)、そしてケア(Care=医療・介護・福祉)をできるだけ地域内で自給することが、雇用や地域が自立することにつながるというものである。地産地消の地域循環型経済を創出していくことが、21世紀の日本の再興につながるというのである。
利益と効率を優先する資本主義と、それを作り出す投機的なマネー資本主義は、もう限界に来ている。コロナ禍に伴う失業や格差拡大を是正するには、自分たちの住む地域の豊かな資源を見直し持続可能な社会を作り、次世代につないでいくような社会改革が必要である。
経済評論家 内橋克人氏は、弱肉強食の市場メカニズムが地域社会の衰退や社会の分断をもたらしているとして、人と人とが共生する社会、人と自然が共生する社会への転換を訴えてきた。その基本となるものが、「FEC自給圏」を目指す地域づくりであった。
日本の食料自給率が40%を割っている中で、十勝は日本の食料基地といわれ1,200%超もある。日本の基幹産業と見られていた自動車や半導体などの基幹産業が、新型コロナ禍で大打撃を受けているので、今が農業を見直すチャンスだと思っている。
また私は、機能回復型デイサービスを利用している。デイサービスのスタッフは、介護・福祉のための重要な役割を担っているので、地位向上のためにもっと高い賃金を出すべきである。そして、希望者が殺到するようにすることが、ある意味で福祉国家としての日本を再興させると思っている。
ただ、介護施設のスタッフの給料は、民間施設が多いために非正規の社員が多く、年間収入は250万円ぐらいと低いのである。二交代制や高賃金にすれば、良い人材によるサービス向上につながると思われる。日本の人口構成は高齢化を迎えているので、高齢者の雇用拡大と高齢者医療費の削減のふたつを、如何に実現していくかが重要と思っている。だから高齢者は、健康でなければならないのである。
「十勝の活性化を考える会」会員