十勝の活性化を考える会

     
 勉強会や講演会を開催し十勝の歴史及び現状などを学ぶことを通じて十勝の課題とその解決策を議論しましょう

翼をください

2021-02-09 05:00:00 | 投稿

日本では、200万円以下の年収で生活する人が1000万人を超え、6人に1人は「相対的貧困」に該当する。
これは、所得が国内の等価可処分所得(手取り収入などを世帯人数で割って調整したもの)の中央値の半分(貧困線)に満たない状態のことで、国の一般的な生活水準と比較したときの困窮者人口の割合を示す指標だ。経済学者によると、過去6か月で50万人が失業している。
AFPBB News

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戦後世界に於いて20年以上もデフレ状態が続いている国は日本しか存在しない。そしてそのデフレスパイラルのもと、格差社会と貧困が人口減少(少子化社会)に拍車をかけている。いまの若者を取り巻く環境で安心して子育てをしてほしいなどと言えるはずもない。
しかし大企業は空前の利益を上げ、過去最高の内部留保を獲得している。このコロナ大災害でも損害が軽微な大企業のみ、特にGAFAを筆頭に焼け太りを続けている。
このいびつな状態すなわちデフレスパイラルから脱出する方法はあるのか考えてみたい。

■BS(バランスシート)会計とキャッシュフロー会計
長年BS会計に慣れていたころは、自己資本比率が重要な経営指標だった。ところがある時からキャッシュフロー会計が要求されるようになった。
「銀行からの借り入れ」=自己資本比率の低下=悪い評価
「銀行からの借り入れ」=手元資金の増加=良い評価
同じ事が正反対の評価を受けることとなり、それ以降BSとキャッシュフロー計算書の両方作成しなければならなくなった。
このことは、ある事象を捕えるとき、一面的ではなく表裏・上下左右あらゆる方向から評価しなければ真実は見えてこないという事である。特にマネーというものは、実態がほとんどなく通帳に印字されているだけ(ペンマネー)であり、いまはそれすら電子化されあるいは仮想通貨として電波に乗り、我々の周りを飛び交っているのである。その実態を捕えるには強力な暗号解析技術をもってしても不可能であり、周辺の間接的情報から推測することしかできない。
その情報が本物と判断できるのは「信用」が担保されているときだけである。

■MMT理論
日本国内の政財官界や学術界、大手マスコミなどは、MMTの認知が日本で広がりを見せた現在でも、概ねプライマリーバランスを均衡させるという意味での財政再建・財政健全化の必要性を主張している。また、MMTを紹介・批評する場合でもMMTに対して否定的な見解を示している。
MMTは中長期的な財政赤字の拡大を容認し、政府の円建て債務がどれだけ増大しても信用不安による経済財政の悪化はありえず、財政赤字(通貨発行)の調整による総需要管理を行えば問題がないとするものである。これは、財政赤字や政府債務残高の拡大を不健全と見なし、歳出抑制や増税等の緊縮財政を通じて、いわゆる「国の借金」を削減したり財政収支を均衡化あるいは黒字化することが必要であるとする、国内の通俗的な一般常識や政府方針と決定的に対立する。また支出の拡大を伴う政府の政策について、政府支出が税収に制約されるといった前提の下で、増税や予算の付け替えなど財源確保をどうすべきかといった議論や指摘が無意味である事を示すものである。
このように、MMTはこれまでの経済財政運営の考え方の軸である前提を根本的に覆すゲームチェンジャー的な内容である。そのため、MMTが急速に経済論壇で広がり、メディアや国会等で頻繁に取り上げられることで、MMT支持派と不支持派による批判合戦のような状況が展開されている。
(Wikipedia)
■ケネディ大統領
MMT論者が主張する政府債務とインフレ率の関係については、MMTが登場する以前にも類似する主張は見られた。ジョン・F・ケネディ大統領の下で大統領経済諮問委員会委員を務めたノーベル経済学賞受賞者でもあるジェームズ・トービンは回顧録の中で、ケネディに政府債務の大きさについて経済的な上限を問われた際、「唯一の制約はインフレである」と返答したと記している。(Wikipedia)


■トービン回顧録
ケネディは質問した
「予算上の赤字について経済理論上の限界はあるのか?もちろん私は政治的な限界は知っている」
「人々は国家の債務はそんなに早く増やすことはできないと言うし、我々はいつも国家の債務は国家の収入の増加と無関連には増えない、と答えている。しかし、国家の収入は果たして国家の債務規模の経済的な条件と比例しているのか?そんなことないんじゃないか?それはただの政治上の回答に過ぎないのでは?本当の制約は何だろうか。」
私は「本当はその唯一の制約はインフレーションだ」と答えた。
彼は食いついた。「やっぱりそうだ、そうだろう?赤字の大きさはどんな規模でもいいんだ、負債の規模はどんなものでもいいんだ、それらがインフレーションを起こさない限り!」


ジョンF.ケネディ大統領図書館 アーカイブコレクション 
Council of Economic Advisers Oral History Interview –JFK#1, 08/1/1964 APPENDIX A  より
■デフレ脱却 アベノミクス「3本の矢」の失敗


すでに第1の矢と第2の矢は放たれ、アベノミクス効果もあって、株価、経済成長率、企業業績、雇用等、多くの経済指標は、著しい改善を見せています。
また、アベノミクスの本丸となる「成長戦略」の施策が順次実行され、その効果も表れつつあります。

企業の業績改善は、雇用の拡大や所得の上昇につながり、さらなる消費の増加をもたらすことが期待されます。こうした「経済の好循環」を実現し、景気回復の実感を全国津々浦々に届けます。
<首相官邸 HP>


財政出動をしてみたが、目的が大企業への利益誘導だったため、「デフレ脱却」という目標は完全に失敗した。それは需要を喚起しないで供給側にマネーを蓄積させたため、インフレ化は呼び起こせなかった事である。

■デフレ脱却 一番大きなエンジンは個人消費
日本の景気はなぜ良くならないのか?
日本の景気が良くなった方がいいと思う人、圧倒的だと思います。じゃ、景気を良くするためにはどうしたらいいんですか? って事なんですけれども、経済規模が大きくならないことには、これ成長していかないわけですよね。成長していく毎に経済規模は大きくなっていく。
じゃあ、その経済規模を見る時にどういったものがあるかって言うと、例えばGDP、国内総生産というものでも見れると思います。国内総生産て何なんだ? っていう話なんですけども、大きく分けてこの4つで構成されている。


例えば個人消費。皆さんがお買い物されるって事ですよね。お金を出して何かを買う。で、続いて企業がお金を出す、民間の投資。工場作ったりとか、そういう話ですね。で、政府支出。国が出すお金。そして輸出から輸入を引いた純輸出。この4つで構成されているGDP。この中で一番、景気を良くするために大きなエンジンはどれでしょうか? っていうご質問を皆さんにしたいんですけれど、どれか解りますか? この4つの中で景気を良くするために。はい、どうぞ。
(聴衆:個人消費。)
個人消費。おっしゃる通りです、はい。この個人消費というのが、このGDPの中の約6割を占めるってことですね。てことは、景気を良くするための一番大きなエンジンは個人消費である。つまりは何か? 景気を良くするためには、皆さんが去年よりも今年、先週よりも今週、昨日よりも今日お金がより使えるような状態にならなきゃいけないっていう話なんです。一方で皆さん、景気が良いですか? ってお話に対して、景気が悪い、そういう様なお答えになった。
どちらかというと賃金としては実質で見ていけば、どんどん下がっていってしまってるっていうのが現状。これおかしいですね。景気が良いって政府は散々言ってるけれども、景気が良くなってんだったら実質賃金も上がってかなきゃなんない。けども下がりっぱなしなんですよ。

こちら厚生労働省の資料を元に作りました。実質賃金の指数の推移ですね。これは基準年は、2015年を100として見てみるとどうなるかっていうと、1995年からスタートして2017年までの間の実質賃金の推移です。どうですか? 下がりっぱなしなんですよ。で、下がる大きなきっかけを作ってるものが2箇所ありますってことなんです。何でしょうか? 
消費税なんですよ。消費税が上がるたびに、実質賃金下がっていくっていうきっかけを作っている。どうしてか? 消費税っていうのは強制的な物価の引き上げなんですよね。普通物価が上がる時っていうのは、賃金も一緒に伴って上がっていくっていうのが健全な成長具合なんですけれども、この国ではそういう状況にないってことですね。
賃金も上がりづらい状況があるのに、物価だけ強制的に消費税で上げてしまっている。消費税は上がる、物価は強制的に上げられるけれども、皆さんは実質としてはどんどん下がっていくってことが確認される。
生活苦しくなるの当たり前ですよ。当然のことなんです。あなたの生活が苦しいことを、あなたのせいにされていませんか? ってことなんですね。国の経済政策が誤って行けば、当然、皆さんの首が締まるようなことになっていく。ここで消費税というようなものを上げて行くってことをやっていけば、当然、皆さんの首は締まって行くしかないってことですよ。
じゃ、消費税、これ一体何のために必要ですか?社会保障の財源と言われてきたけれど一部しか使われていない、実は法人税減税の穴埋めのためだったんですよ。

 

借金イコール悪っていうのは、それは個人の世界に置き換えた話になってませんかってことなんです。あなたが抱えてる借金は、あなたの命が尽きる前までに返す方がいいだろうと、それは当然かもしれない。けれども、国家は寿命があるんですか? って話です。100年ですか? 基本的には永久に続くっていうような状況のもとに運営されてってんですよね。

そう考えた時に、その借金という概念さえも、個人と置き換えちゃだめだってことなんです。どちらかというと企業側の考えに近いかもしれない。手持ち資金、以上の融資を受けて、いろんな事業に投資をしていきながら事業を拡大していく。どちらかというとその運営の仕方はそちらの方向に近いかもしれない。
けれども、個人も企業も破綻する時は最終的な貸し手がいなくなれば、当然返済ができなくなりますから、これは破綻する時がくる。けれども国家は違う。日本円で借金をしていれば、日本円を発行する能力があるんだから、これは債務不履行。お金が支払いできませんという状況にならない。デフォルトなんてありえないだろってことを、過去に財務省が堂々といってたっていう事実です。

で、もうひとつ、じゃいくらでもやっていいのかっていう話になってきます。じゃあ、自分たちで借金をして自分たちでお金刷りまくれるんだったらいくらでも皆んなにお金を配ればいいじゃないかって話になるかもしれない、でもそれは間違ってます。上限があるんです。上限。

上限って何ですか? この日本の国内の供給能力、例えば人材であったり資材であったり、供給能力を超えてもまだお金を投入し続けるようなことをしてしまえば、当然インフレになります。インフレが悪化するほどにはやっちゃいけないねっていうことなんです。
自国通貨で借金をし、そして通貨発行権を国が持っている。このような状況で、お金が返せなくなるという状況、訪れない。しかも、ハイパーインフレになったらっていうことに対しては、その要件は一切日本を満たす状態にないっていうことですね。
じゃあ、その、国が借金をして、必要な部分に投資をしていくってことに関しては、上限は一体何なのかっていうと、日本銀行や政府ははっきり言ってます。インフレ目標2%。インフレ目標2%ということを言っている。
つまりは何か? インフレが2%に達するまでは、国がお金を増やし、そしてそのお金を、実体経済に回るような、皆さんの生活が底上げされるようなことに投資をしても本当はいいはずなんです。ほんとはそれをやるはずだった。けれどもそれはされなかった。されたのは何か? アベノミクス第1の矢。異次元の金融緩和。
要はお金の量は増やした。けれども、このお金の量を増やしたとしても、日本銀行の中にある各銀行の口座の中の数字が増えてるだけ。これじゃあ、世の中にお金回りませんよね。少なくとも世の中にお金を回そうと思ったら、お金を借りたいですっていう資金需要があって初めて、世の中にお金が回るっていう状態が生まれます。
でもデフレが20年以上続いてて、皆んな物買わないっていう状況の中、わざわざ銀行からお金を大きく借りて投資に回しますっていう人たち、なかなかいないってことです。だから、お金の量を増やす異次元の金融緩和だけでは、当然デフレからインフレなんかなりようがないってこと。
本当はやらなきゃいけなかったっていうのは何かっつったら、安倍さんのいうところの第2の矢ってことですね。機動的な財政出動。要は必要なところに投資をがんがん行っていきますってことを、インフレの2%になるまでやるって事をやらなきゃなんなかった。そういう話なんです。
山本太郎 香川・高松市生涯学習センター おしゃべり会より

■ビルト・イン・スタビライザー
ビルト・イン・スタビライザーとは、財政自体に備わっている、景気を自動的に安定させるプロセス(装置)のこと。 補整的公共投資政策などの投資的財政政策に比べ、タイム・ラグがない。税制における累進率が高いほどその効果は大きい。 また、歳出を一定額に固定する、あるいは増加率を固定するなどによっても安定化機能は果たせる。
・ビルト・イン・スタビライザーとインフレ
インフレーションが進行する中では、歳出を固定したり増加額を一定率にしたりすることでインフレーションを押さえ込むというスタビライザー効果が期待される。 これは、不景気時の逆で、インフレーションが財政収支改善をもたらし自動的に緊縮財政効果をもたらすからである。 
・累進課税制度
個人の所得に課税される所得税は、所得金額が増加すると税率が高くなる。このため、景気拡大によって賃金が上昇すると所得税額が大きく増加し、可処分所得の増加を抑制して消費の拡大(=さらなる景気の過熱)を抑える効果がある。政府の税収は景気拡大に伴って大きく増加するが、歳出を一定にしていれば財政収支の黒字幅拡大(赤字の縮小)が起こり、総需要を抑制するように働く。
・失業に対する救済制度
雇用保険によって失業者には一定期間、給付金が支給される。失業者は所得がなくなれば消費水準を大きく低下させるしかなく、経済全体にとってはこれが消費の減少となってさらに景気悪化を招く効果がある。雇用保険によって失業者にある程度の収入を提供することで、消費水準の低下は小幅なものとなり、景気変動を小さくすることができる。雇用保険は政府が実施しているが、好況期など失業者が少ない時期には、雇用保険による失業等給付が少なく保険料収入は多いので雇用保険の黒字が拡大(赤字は縮小)する。一方、不況期などに失業者が増加すれば、失業等給付が増加し、保険料収入が減少するので、黒字が縮小(赤字拡大)する。この場合においては、失業等給付のための基金が緩衝材の役割を果たしている。
(Wikipedia)

■翼をください
税金は財源ではなく、貨幣の価値を保証するもの。国が最初に支出をして、その後に徴税する形で貨幣を回収している。
既に日本では日本円という貨幣が流通しており、徴税も長きにわたって行われているため、いまいちこの考え方を理解しづらいが、できたばかりの国家を考えれば、この考え方が当たり前のことを言っていることに気づくだろう。
国民が国に税金を納めるにしても、納める貨幣がなければ納税はできない。つまり、まず国が支出をして貨幣を供給しなければ、その後に税金として回収する貨幣を国民は持たないのである。したがって徴税によって「政府の借金」を返してしまうと、国内からマネーが消え去ることになる。
本当に必要なことは、大規模な財政出動により国民にマネーが供給され、いままで我慢してきた潜在的な需要の喚起を行う事である。需要が増大すれば、商品・サービスを供給するために生産企業は設備投資にこれまでの内部留保を振り向ける。これが景気の好循環であり「富裕者税」などは意味の無いことがわかる。そうして利益を出した企業は、「利益に応じた税=累進課税」を納税することにより市中からマネーを回収することでハイパーインフレを抑制することができる。
その仕組みが「ビルト・イン・スタビライザー」である。
政府や財務省がそのことを百も承知で踏み出せないのは、大企業・財界や富裕層が累進課税に絶対反対しているからである。いまの制度のままで大企業や富裕層は充分富の蓄積ができるし、中小零細企業が淘汰されれば買いたたいて吸収できる。「クビにできない社員は必要ない」と竹中某がのたまうように、労働者は益々非正規化が進められ分断され、低賃金労働の奪い合いになっている。
いま必要なのは、この世の地獄から飛び立つ翼でありそれは「ビルト・イン・スタビライザー」である。

「十勝の活性化を考える会」会員K

 

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5 コメント

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Wings to Fly (デ某)
2021-02-09 20:31:34
「... って話なんですね」。
本来の左派?=反緊縮! の経済政策について
山本太郎氏を真似て論を展開されている... と思いつつ読むと
なんと ズバリ! 山本太郎氏の講演の紹介でした(笑)

それにしても十勝の活性化を考える会は
いつから経済研究会に衣替えされたのでしょうか?

Susan Boyle "Wings to Fly"
https://www.youtube.com/watch?v=LYdmOT4p0LY
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コメントありがとうございました (会員K)
2021-02-10 09:27:22
デ某こんにちわ
毎日ネットパトロールご苦労様です

「で、それが何か?なかみに突っ込み入れられないんかい評論家様」と答えておきましょう

素敵な曲ありがとうございました
返信する
十勝の活性化 (ヒグマ)
2021-02-10 09:49:47
デ某さん、コメントありがとうございます。
「十勝の活性化を考える会」会長ですが、十勝を活性化させていくためには、いろいろとあると思います。その中のひとつに経済の活性化があります。経済が分からなければ、その方法が分かりませんので、時間が許すかぎり研究しているのであります。
返信する
十勝のお二方に (デ某)
2021-02-11 21:11:27
会員Kさま
どこかのネトウヨのようにネットパトロールしているつもりはございません(笑)
経済談義にツッコミ!いれられるほどの見識はございません(苦)
勿論! 評論家と揶揄されるおぼえもございまセーヌ河。

ヒグマさま
経済の活性化... 仰るとおりかと存じます。
生きた経済の難しさ... 大変なことと存じます。
様々なご努力に敬意を表します。
返信する
コメントありがとうございました (会員K)
2021-02-12 13:14:31
デ某様こんにちわ

てっきりワンコメント○○円で与党に雇われたエージェントかと思ったでスイカの皮

評論家と揶揄した訳では無く、皮肉っただけなんですヨーカンの爪楊枝

あやうく地方のグループが国家・財政を語るのは不遜であるとする「差別者」のレッテルを張るところでありましタンポポの種

おやじギャグは寒すぎて歳がばれますネコじゃらし

それではまた四六四九デストロイヤー
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