十勝の活性化を考える会

     
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アイヌ民族とは・・・

2022-08-05 05:00:00 | 投稿

昨年、樺太アイヌ協会主催のオンライン講座に参加した。その際、樺太アイヌ協会の会長は、樺太アイヌはいるが、樺太アイヌ民族などという“民族”はいないという。即ち、アイヌには、民族名を付与しないということである。そもそもアイヌ語には、民族という言葉は無いらしい。

北海道には北海道アイヌはいるが、北海道アイヌ民族はいないということである。私は関西に住んでいたことがある。関西では、関西の人のことを“関西人”というが、関西民族とは全くいわない。その理由は、関西人は日本民族の中の関西の人だから、関西民族といわないのである。

先日、40年年ぶりに「北海道開拓記念館」に行くと、その展示物にはいたるところに、アイヌ民族と書かれていた。北海道人はみんなアイヌであったから、北海道にはむかしアイヌが住んでいたと書くべきだろう。アイヌ民族と書くのは間違いのように感じたのは、私だけではあるまい。

民族とは、言語・人種・文化・歴史的運命などを共有し、同族意識によって結ばれた人々の集団である。「農耕民族」、「狩猟採集民族」あるいは「遊牧民族」といった個別的な民族に言及するものではなく、文化的要素のうちでも特に、生業形態や生活様式に着目した幅広い分類である。

 こうしたことから今日では、アイヌを民族とするという考え方が一般的な解釈とされている。日本の法律である「アイヌ施策推進法」もこの考え方に基づくとみられる。

例えば、モンゴル人といった場合、遊牧で生計を立てている人が多いと思われるが、遊牧民族には違いないがすべての人が遊牧民族ではないのである。モンゴル人を特徴づけるモンゴル語は、モンゴル国の国家公用語に規定している。モンゴル諸語のうち、どこまでを「モンゴル語」と呼ぶのか明確な定義はないが、一般的にはモンゴル国や中国の内モンゴル自治区でも話されているものがモンゴル語とされる。

アイヌを一番特徴づけているアイヌ語を流ちょうに、しかも日常的に話せる人はいないのである。その意味で、「アイヌ系日本人」はいるが、アイヌ人はいないのである。もちろん、北海道にはアイヌの精神性を持つ人はたくさんいるが、アイヌ民族はいないのである。

アイヌのアイデンティティーをもつ人がアイヌ語を学び、流暢に話せるようになる、あるいはなりつつあるというのが、今日的なアイヌ文化振興の成果のひとつかと思う。そうしたことに対する評価もしっかりとしていく必要があろう。

「十勝の活性化を考える会」会員


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