花火が見たい

クレオメが咲きました


丁度１０年前の午後８時少し前、私と主人はJRに乗っていました
もうすぐ下車駅だなと思っていたら、車内アナウンスが有りました
下車駅からたった3つ行けば、もう間もなく花火が始まると言うのです

　「花火だって！このまま乗って見に行こうよ～」
当然とばかりに、主人に言いました
「駄目！帰りが大変だし凄い人出だぞ」
案に反して断固行かない姿勢の主人
私の頬っぺたは膨らむだけ膨らみました
こんな人と結婚した私が馬鹿だった！と思うほど～

　そのまま下車駅で降ろされて、家に帰る道々も怒ってだんまりを決め込んだ私
あ～花火が見たかった　見たかった～と不満爆発です

　そして、家に着きTVを付けて間もなくです
あの　　大惨事　　の速報が入ったのは・・・・・・


　もしもあのまま花火を見に行っていたら
間違いなく、私も主人もあの歩道橋の上に居たでしょう
死んだり怪我をしたりしたかどうかまでは解りませんが
あの惨事を目の当りにした事だけは間違いありません

　今もあの歩道橋を車窓から見る度に思います
あそこに居たかもしれない自分を
それから花火を見に行きたいとは言えなくなった私

　でも見たい
本当は見たいんです





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