真っ青な空、風が吹き抜ける
風がさざ波を立て、小さな波頭に光が当たって海全体が銀色に輝く
海水浴客のいない海に、ウインドサーフィンの帆がゆっくりと動いている
穏やかで気持ちがよい
ipod nanoを耳に差し込むと、さてこれから一時間余りの小さな旅が始まる
下車した事の無い、通り過ぎてばかりだった街のホームに初めて降り立つ
何時もの慣れ親しんだ街とは何処かが違う
若い女性に道を聴けば
「私も其処に行きますから」
と一緒に歩いてくれる
小さなエレベーターに乗ると、先客数人が
「何階?」と聞いてくれた
「映画館に・・・・」 と言って私は5Fを押した
「此処、映画館有った?」「有るよ!」「有ったんだぁ~」
先客達が笑う
4Fで
「お先に~」
と降りたっていく
4Fは、 スタジオ と書いて有る
そう言えば、楽器を持っていた
5Fに着いてドアが開くと、目の前に券売所が有る
料金を払うと、黄色い紙をくれる
「書いて有る番号を呼びますから、呼ばれたら入場して下さい」
そう言われ、番号を確かめると 14番
上映時間が近づくと、それでも人が増えてゆく
殆どの人が連れの居ない 一人客
時間が来て、係員がカーテンとドアを開けてくれた
1番から呼ばれて、やがて14番
「大きい方の部屋から呼びます」 そう言われた筈が・・・・・
パイプ椅子にクッションを置いただけのものが30個ほど置いて有る小さな部屋
スクリーンは、高さ1.5m 横幅2.5m くらいだろうか~
それでも自分が余り驚いていない事に気付く
ただ 「こんな映画館が営業してるんだ~」
と妙な感慨が有る
予告編
樹木希林さんの 「あん」 と言うのが良さそうだと思う
ハンセン氏病を扱った映画だ
「きみはいい子」 はネグレストを扱う
予告編だけで、涙が出た
高良健吾 尾野真千子 富田靖子 結構有名な人が出ている
私がお目当ての映画が始まった
淡々と日々の生活が映し出される
掛け合い漫才のような母子の会話
娘は言う
「こんな不毛な会話、意味ないねんけどね・・・・」
「それでも凄いでしょう?ああ言えばこう言うって感じでちゃんと次々に受け答えするんやから~」
母は言う
「此処は何処?刑務所?私は人を殺したん?」
「あんたさんは誰?私は自分の家に帰らんと・・・・」
娘は言う
「帰るて、何処に帰るん?」
「もう此処に4年も住んでるやろ?」
「刑務所なんて行った事もないのに」
母は言う
「もう死んだ方がええんと違う」
娘が答える
「そやな~もう死んでもおかしない年やしな~」
徘徊する母の後をこっそりと付いて歩く
最長15時間
最大移動距離18Km
目的地は生まれ育った 門司の町
顔を見せると
「あんたとは一緒に歩きとうない、顔もみと無いわ」 と拒否
距離を取り、見守る
不安になると、道行く人に聴く
「お巡りさんのおるとこは、何処ですか?」
娘さんの笑顔が印象的だ
(⌒▽⌒)アハハと笑い飛ばす顔
観ている人たちも一緒に笑う
外に出ると日が陰り、雑多な街は夜の仕度を始めている
再び電車に乗り、景色を逆に見ながら来た道を戻る
海はもう輝きを失くしている
全ての時間が心地よかった
風がさざ波を立て、小さな波頭に光が当たって海全体が銀色に輝く
海水浴客のいない海に、ウインドサーフィンの帆がゆっくりと動いている
穏やかで気持ちがよい
ipod nanoを耳に差し込むと、さてこれから一時間余りの小さな旅が始まる
下車した事の無い、通り過ぎてばかりだった街のホームに初めて降り立つ
何時もの慣れ親しんだ街とは何処かが違う
若い女性に道を聴けば
「私も其処に行きますから」
と一緒に歩いてくれる
小さなエレベーターに乗ると、先客数人が
「何階?」と聞いてくれた
「映画館に・・・・」 と言って私は5Fを押した
「此処、映画館有った?」「有るよ!」「有ったんだぁ~」
先客達が笑う
4Fで
「お先に~」
と降りたっていく
4Fは、 スタジオ と書いて有る
そう言えば、楽器を持っていた
5Fに着いてドアが開くと、目の前に券売所が有る
料金を払うと、黄色い紙をくれる
「書いて有る番号を呼びますから、呼ばれたら入場して下さい」
そう言われ、番号を確かめると 14番
上映時間が近づくと、それでも人が増えてゆく
殆どの人が連れの居ない 一人客
時間が来て、係員がカーテンとドアを開けてくれた
1番から呼ばれて、やがて14番
「大きい方の部屋から呼びます」 そう言われた筈が・・・・・
パイプ椅子にクッションを置いただけのものが30個ほど置いて有る小さな部屋
スクリーンは、高さ1.5m 横幅2.5m くらいだろうか~
それでも自分が余り驚いていない事に気付く
ただ 「こんな映画館が営業してるんだ~」
と妙な感慨が有る
予告編
樹木希林さんの 「あん」 と言うのが良さそうだと思う
ハンセン氏病を扱った映画だ
「きみはいい子」 はネグレストを扱う
予告編だけで、涙が出た
高良健吾 尾野真千子 富田靖子 結構有名な人が出ている
私がお目当ての映画が始まった
淡々と日々の生活が映し出される
掛け合い漫才のような母子の会話
娘は言う
「こんな不毛な会話、意味ないねんけどね・・・・」
「それでも凄いでしょう?ああ言えばこう言うって感じでちゃんと次々に受け答えするんやから~」
母は言う
「此処は何処?刑務所?私は人を殺したん?」
「あんたさんは誰?私は自分の家に帰らんと・・・・」
娘は言う
「帰るて、何処に帰るん?」
「もう此処に4年も住んでるやろ?」
「刑務所なんて行った事もないのに」
母は言う
「もう死んだ方がええんと違う」
娘が答える
「そやな~もう死んでもおかしない年やしな~」
徘徊する母の後をこっそりと付いて歩く
最長15時間
最大移動距離18Km
目的地は生まれ育った 門司の町
顔を見せると
「あんたとは一緒に歩きとうない、顔もみと無いわ」 と拒否
距離を取り、見守る
不安になると、道行く人に聴く
「お巡りさんのおるとこは、何処ですか?」
娘さんの笑顔が印象的だ
(⌒▽⌒)アハハと笑い飛ばす顔
観ている人たちも一緒に笑う
外に出ると日が陰り、雑多な街は夜の仕度を始めている
再び電車に乗り、景色を逆に見ながら来た道を戻る
海はもう輝きを失くしている
全ての時間が心地よかった