フュージングガラスの「蜘蛛の巣のお皿」がついに完成しました。
1度目は、電気炉の不調で割れてしまい、2度目のやり直しのお皿は、失透(ガラスが曇ったようになって光を失うこと)してしまうという、憂き目に会い、失敗の連続の中からようやく完成したお皿です。
自分としては、全て完璧というまでには至らないのですが、まずまずの出来映えです。
(実は、「え~どうして? バッチリなのに・・・。」 と言って欲しい気持ちモリモリなんですが・・・・。)
やはり、どんなにうまく行っても、どこか気になる点が必ず出来てしまうんですよね。
まあそれによって新しい課題を見つけて、また日々精進していかねばならないのでしょうが・・・。
今回の作品は、かなり力(りき)を入れていたので、若干悔しい気持ちも・・・。
でもまあ、1度目の失敗のお陰で、色合いを少し改善したり、プラチナのラインを入れるのを中止したり、ダイクロ(虹色の光沢を放つガラス)の入れ方を変更したりした事によって、全体的には、前よりもいい感じになりました。
得意の泡入れもバッチリだし・・・。
但、いちいち「お皿に蜘蛛の巣ってどうなの?」と聞かれて、「蜘蛛の巣は欧米ではラッキーアイテムで・・・。」と説明しなければならないのが、ちょっと厄介ですが・・・。
知らない方のために説明しますと、蜘蛛の巣があると、良い夢はとおり抜けて自分に訪れ、悪い夢は、蜘蛛の巣に絡めとられて、やってこないのだそうです。
蜘蛛の巣に絡め取られた夢は、朝日を浴びて、融けてしまうそうです。
なんでも昔、日本でも、蜘蛛の巣柄が流行った時期があったらしく、骨董の古伊万里の皿なんぞもあるようですよ。
まあ、蜘蛛の巣談義はこの程度にして、今回は他に、小さめの作品2つを作りました。
向日葵と紫陽花をモチーフにした皿です。
これも、まずまずの出来になりました。
後、今年の最初に作った作品の形が気に入らなかったので、もう少し深い形にスランプ(ガラスを型の上に置いて熱を加え成形すること。)し直しました。
最初はイメージ通りの仕上がりにならなくて、好きになれなかったのですが、形を変えたら、ぐっと良くなりました。
この皿は、1箇所だけ泡入れに失敗したものなので、それだけが引っ掛かるところなのですが・・・。
工房に皿を取りに行って眺めていると、通りかかったスタッフが
「泡もきちんとコントロールできて、頑張ったね。」と声を掛けて下さいました。
私が「ここだけ、ちょっと・・・。」と、失敗の箇所を示すと、「これは神様の贈り物だよ。」と言って下さいました。
聞くところに寄れば、何によらず、完璧過ぎず、1箇所だけあえて崩すのが、かえって良いのだそうで、くっついてしまってその泡は、神様の贈り物なのだそうです。
それを聞いて私は、断然気を良くしてしまいました。
ゲンキンなものです。
その日一日、私は、「神様の贈り物」という言葉が、ぐるぐる頭を巡って、プチハッピーな一日とあいなりました。