TOY-TORCHA

60歳お父ちゃんの「つまらなくって、何の役にも立たない」と大評判の馬鹿まる出しブログ。

父ちゃんのお茶飲み話 ハゲの先輩として一言 その2

2015-10-29 22:45:23 | 日記






昔、父ちゃんがまだ上京したばかりで、少し頭が薄くなり始めてた頃、バイト先に、Yさんというおでこの広い、薄らハゲで気の良さそうな先輩がいたんですよ。

バイトの先輩でもあり、ハゲの先輩でもあった人ですが、気の「良さそうな」と書いたのは、実はちっとも「良くない」からで、普段おとなしくしてるんだけど、それは仮の姿でしかなく、酒が入ると立場の弱い人にむかって威張り散らすっていう、結構いやな人だったんですわ。

ある日、阿佐ヶ谷の飲み屋街のはずれにある焼き肉屋さんで飲んでたら、お店のおばさんに、度を越して下品で差別的な絡み方をしたもんだから、店の外に引きずり出して、よく言って聞かせて、最後に「わかったかね?」と言って、薄ら禿げたおでこをぺチンとたたいてやったら、(ちょっと前のブログにも書きましたように、父ちゃんはけっして乱暴な人間ではありませんけど、明らかに相手が悪い時に黙っていられるほど出来た人間でもないんだね。相手が弱そうなヤツならなおさらだ。)それまで路地に仰向けにひっくりかえって、申し訳無さそうにしてたYさんがキョンシーみたいにびよーんと跳ね起きて、常軌を逸しためっちゃくちゃな攻撃で父ちゃんをお向かいのスナックの壁に押し付けやがったんだ。
狂犬病の犬みたいな唸り声を発しているYさんに、身の危険を感じた父ちゃんは、仕方なく紳士的な反撃を試みて振りほどき、ほっぺたをかるーく叩いたんだけど…。

気が付くと、薄らハゲたYさんのおでこが狭くなってる。!?!?!?!?

春風のいたずら程度のパンチで人の頭蓋骨が陥没してしまったのか!?
あんときゃあ父ちゃん恐怖に凍りついたね。

父ちゃんが凍りついてる間にも、対峙するYさんのおでこはどんどん髪の毛に侵食されて狭くなっていくんですよ。

宇宙人と闘ってるのかと思った…。

それで、Yさんは、右目にかぶさったひとまとまりの髪の毛を憎らしそうにひっつかむと、
「このやろお!!」と叫びながら地面に向けて叩きつけたんです。

「え?あんたカツラだったの?

ビックリする話だよね?いったいこの世の中に、ハゲ頭にカツラを被って、薄らハゲ頭に変装している人間がいるなんて、誰が想像できるよ?

「被るんだったらもっとフサフサのを被りゃいいじゃねえかよ…、あんた何になりてえんだよ

Yさんは側頭部の髪を落ち武者みたいに長く伸ばしておでこの上でくるくるってまるめて、そこに部分カツラをピンで留めていたようですが、いったいぜんたい何の為なのか、何がしたかったのか、同じハゲとして理解に苦しみましたよ…。

白日の下に正体を晒されたYさんは怒り狂い、またも突進して来るんだけど、よく見ると腰のあたり、落ち武者風長髪の先っちょに、部分カツラがぶらさがっているんだ!本人は地面にたたきつけたつもりなので気がついてないんだけど、そこに残っちゃってたんだねぇ。

主人に着いて来るけなげな部分カツラ…、やるせない気持ちにもなっちゃったけど、ハゲの癖に薄らハゲのカツラを被って人を惑わすとは人間の風上にも置けないですからね。
父ちゃんは正義の心に火が付いちゃって、
「成敗!」(と、心の中で叫び)
怨念のカタマリと化したYさんに正義のゲッターキック(下駄で蹴る技)が炸裂。

Yさんはよろけて何歩か進んだ先にあった、身の丈ほどのベンジャミンの鉢植えを持って、奇声を発しながら回転し始めた。啖呵なのか、恨み言なのか、はっきりと聞き取れなかったけど、ゴニョゴニョと悪魔の呪文のようなものも唱えてたね。

気が付けば父ちゃん達は、大勢の野次馬に取り囲まれ、早めに決着を付けないと警察沙汰になりかねないという大ピンチ。

ジャイアントスイングみたくぐるぐる振り回されてるベンジャミンは、素焼きの鉢に植えられてたんで、いつすっぽぬけた植木鉢が何の罪もない野次馬の一人にあたらないともかぎらないから、気が気じゃないんだけど、Yさんの腰の辺り、長髪の先っちょにくっついてぽわぽわしてる部分カツラも気になっちゃうんだ。
なんかこう遠心力だか、風圧だかで上がったり下がったりしながらユーホーみたいにぽわぽわぽわぽわ回ってるから嫌でも目がいっちゃうワケよ。

もーねー、あんまりにもばかばかしくってさ、路上でウケないコントやってる様な惨めさも感じて来るし、こんなんで警察に捕まっちゃったらみっともなさすぎでしょ。

だけどYさんは、まだ回ってんですよ、UFOと一緒に。

で、結局向かいのスナックで飲んでたおじさんたちが、この馬鹿をはがいじめにして静かにさせてくれたんだ。

そんとき暴れたせいで、UFOが道に落ちてね、スナックのお客さんの、きれいなおねえさんが、両手で拾って、「はい」って馬鹿宇宙人に渡してあげたんですよ。そしたら「どうもありがとう」とか言って、受け取ってクルクルパチンて頭にくっつけて、何事も無かったかのように店に戻って行ったんだけど、なんかあれだね、ずーずーしいってゆーか、気が狂ってるってゆーか…。
カツラなんか乗っけてるヤツは駄目だなーと思ったね。



一言ってワケだったのに、長い話になっちゃってごめんね。
仕事休んでて暇なもんで…。

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