今日の夜、テレビで「ゴジラ-1.0」
放送するそうですね。
とうちゃんテレビ持ってないので
観られませんけど、劇場では2回
観ました。
すっごいお勧め映画ですよ。
そりゃね、残念なトコもあります
けども、54年のオリジナルは別として、
だらだらと作り続けたゴジラ映画の
中では最高の出来だと思います。
「別として」っていうのは、ゴジラ
というアイディアをまるごと借りて
作る以上、比較するのはいかがなものか、
っていう程度の意味で、単純な
「おもしろさ」で言えば、圧倒的に
一等賞ですよ。
オリジナルのゴジラっていうのは、
なんか妖怪の親戚みたいに感じますね。
観てて感じるのは人の怨念です。
正体不明の「怪しい獣」。10年ほど後に
「ウルトラQ」、「ウルトラマン」で
キャラクター化した「怪獣」達とは
まとってるものが違う気がするんですね。
水爆実験によって姿を変えられ、放射能
火炎をまき散らして暴れまわり、また
最新の科学力によって葬り去られる生き物
がオリジナルのゴジラなわけですが、
ウルトラ怪獣が、「自然の怒り」の象徴と
して描かれることが多いのに対して、
ゴジラは「人の愚かさ」そのものなんですね。
ゴジラ自体のでろでろでろーっとした形、
体表はケロイド風、背びれは爆炎を
模した様、二本足でうろつく姿、
何よりもその目、眼球の白いトコが
あんなに大きいのは人間の目でしょ。
核の被害者でもあり、核の加害者でも
あるのがゴジラであり、我々人間て事
ですよ。
映画のラストで、ゴジラを倒した新兵器の
開発者は、兵器の再利用を防ぐ為、自ら
命を絶ちます。
そんなせいもあって、映画自体に
怪獣VS科学という単純な構造が感じられず、
「-1.0」のスカッとする面白さとは全く別の
後味の悪さが残るんですが、その分、後を引く
魅力があるんですね。
原爆の被害に合われた方、その御家族、
御遺族の方々は複雑な思いでしょうが、
多くの日本人は、それを投下した国に
対して殊更に恨みを感じてはいないよう
に見受けられます。
占領政策のせいもあるんでしょうが、
とうちゃん個人について言えば、
福島の原発事故以前に、自身が
被害者でもあり加害者でもある人類の
一員という視座を得られたのは、
「ゴジラ」によるところも大きかった
と感じています。
いっぺん映画館の大きな画面で観て
みたいですね。
東京に住んでるうちに「-1.0」と並べて
リバイバル上映してくれないかな。