昨日の夕方、向かいのスーパーに
行ったときのこと。
横断歩道渡って見上げると、蒼から
橙に変わってゆく透きとおるような
雲のない空、細く尖った白い三日月。
いつまでも見とれていたかったん
ですが、薄着で出掛けちゃったんで
あきらめて、「冬が来るんだなあ」って
思いながら、身をちぢこめてスーパーに
駆けこんで……。
まずは二階の本屋さん。
目当ての雑誌は無かったんだけど、
そのときなぜかウキウキするような、身体が
軽くなる感じを、微かに意識しながらエスカ
レーターを降りました。
とうちゃんが行くスーパーには、入り口の
脇に、YouTubeでよく見るような、誰が
弾いてもいいピアノが置いてあるんですね。
いつ行っても、誰かしらが、何かしらの
曲を弾いてくれてるんですけど、たいていの
場合は、音楽室に飾ってあった肖像画の人達の
曲なんでしょう、とうちゃんにはなじみがない
ものばかりです。
で、とうちゃんは、さっきから、自分がどうして
ウキウキしてるのかピンと来たんですよ。
夕ぐれ時の、大勢の買い物客の喧騒に
紛れて届く、懐かしいメロディー。
「あ、これ知ってる曲なんだ」
すぐには思い出せませんでした。けれど、
間違いなく、よく知ってる曲のはず。
身体が拍を刻んで、勝手に動きだして
しまいそうな軽やかな音色……。
なんだったかなぁ、
って、ちょっとモヤモヤ……。
あ、わかった、
「ラジオ体操第一だ。」
勝手に動き出したらやべーやつですよ。
警備員に連れてかれちゃう。
まっじめそうな顔したおばさんが、
なんでそんなの弾いてたんだか……。
見事な選曲ですよ。 恐れ入りました。
チャンチャラリン♪ ピン♪ て。