横倉の森
夜光茸の撮影が端緒ではあるが、四国を代表する豊かな照葉樹の森である横倉山を、
きちんと描きたいと思った。
初めは真似でもいい。
優れた風景や写真との出会いは幸福な瞬間だと思う。
その風景と出会いたい。その風景をカメラに収めたい。
という気持ちは自然な感情だろう。
でも、その自然現象や希少な生物の発生には、それを育む自然環境という背景がある。
夜光茸の発生には、多くの命を育む豊かな森が必要だ。
森は水を貯え、流れを集め、川となって里を潤し海へと注ぐ。
横倉の森は、その麓に美しい川風景を創り上げている。
最初に訪れた時、私は、その川風景の美しさの目を見張った。
子供たちが川遊びに興じ、釣り人が竿を振る生きた川風景から、先ずは始めよう。
森の風景は、水の風景という命脈で繋がっている。
灯火茸や銀河茸のような夜光茸は、たっぷり湿り気を帯びた雨季に発生する。
雨が降り続いた後、胞子を飛ばすために傘を広げ子孫を残す。
雨が降らないと二、三日くらいで干乾びて発光しなくなるらしい。
未だ早い時間に横倉の森に到着して、森の奥へと足を踏み入れた。
遊歩道を外れて、落葉を踏みしめ、森の中を彷徨った。
唯、雨が降ってから数日が経過しているので、倒木に付着した茸は少な目だ。
辛うじて灯火茸だと思われる茸を発見?
一度戻った駐車場で、写真家、高橋宣之さんと出会った。
また高橋さんからは、たくさんの情報と写真家としての、その独創的な作画法を
惜しげもなく御教授頂いた。
世界一のネイチャードキュメンタリーの作り手である英国BBCが、
あのTV放映された「光る森」が切っ掛けで、横倉の光るキノコの撮影に訪れたお話には胸が躍った。
それも目を見張る独創的な風景の物語を、いつも観せてくれる高橋宣之さんの写真家としての力だろう。
一枚の優れた写真を撮る写真家は、たくさんいる。
しかし、風景から立ち上がる豊かな物語を観せてくれる写真家は稀有な存在だ。
私の敬愛する星野道夫、野町和嘉、そして高橋宣之。
森が次第に暗くなって夜光茸の撮影本番に、またしてもアクシデントが。
セッティング途中のカメラが斜面を転げ落ち損傷。
その後、肝心のカメラが作動せず、光始めた灯火茸の撮影を断念。
う~ん、どうも灯火茸と相性が悪いようだ(汗)
(掲載した灯火茸の画像は前回のもの)
主人は飲み会でお留守だし
しかも今日は遅出だったので・・・
ただ帰りの夜の運転がどうも不安で
急に視界が狭く感じ恐いのです
せっかくのお誘いなので行けばいいのにと人は無責任に申します
とんだアクシデントでしたね
私も何回か経験済みで予備のCameraの必然性を考えました(来月は2台持参します)
冒頭の一枚、流石です!
何度も足を運んだのにこんな切りとりはできなんだ~
流石です
釣り人が効いてますね
横倉も神々しさを増して
何だか掻き立てられます
参考になりました
数日雨が降っていないので光る茸の発生数が少なく、満月近くで銀河茸は月明かりの影響で、ほとんど光りません。
唯、夜の神秘の森散歩には最適でしたよ。
ヒメボタルの発生数が多いのです。
闇の森に仄かに光る夜光茸の灯りとストロボ発光のように点滅するヒメボタルの浮遊する光の舞は、
この世の風景とは思えません。
月夜の森散歩に来ていた女性二人とお話しましたが、
甚く感激していましたよ(笑)
同行したmasaさんも初めての闇の森に瞬くヒメボタルの舞に目を奪われた様子。
misaさんも今週末は神秘の森へ。
カメラはバッテリーを抜いて再起動すると元に戻りました。
それに気づいたのは、帰路の車中でした(泣)
レンズもワイド・・・高知の和霊神社の調査に行きました。この古い社と同じような雰囲気でしたが、切り取りは・・・(汗)
川の撮影もすごい博s力です。
惜しげもなく教えていただく方々もいます。
歴史も同じです。
教えてもらう立場からすれば、なんで?となります。
しかし、技術は積み重ねで苦労されていますから・・・
相手の立場があるんですね。
ランスケさんの周りにはすばらしい仲間がいますね。
せっかくの機会、お友達のランスケさんが誘ってくれたのだから写しに行ったらどうですかと言っただけなのに「人は無責任に申します」なんて思われるのは悲しいですね。
高橋さんは、宇和海沿岸から太平洋岸の照葉樹の森には灯火茸が発生すると言っています。
実際に高橋さん自身が室戸の森で撮影に成功しています。
椎灯火茸の分布を観ても、八丈島や熊野、宮崎が多いようです。
ちょうど、この時に宇和島出身の写真家さんがおられ、和霊神社の不入の森なら、きっと灯火茸が観られるだろうと。
横倉も和霊神社も神域として守られた鎮守の森は、貴重な生態系の宝庫です。
大事に守って行きたいですね。
先日、鬼城さんから南方熊楠の名前が出ていたのが縁でしょうか?
今、南方熊楠賞を受賞した中沢新一の「熊楠の星の時間」を読んでいます。
ネイチャーに掲載された熊楠の論文の数50という数字は現在も最多記録だそうです。
この偉大な森の哲学者の思想に深く傾倒しています。
そうでしたか(笑)
親切心から言ったことでも、なかなか想いが通じないことはあります。
misaさんには、misaさんの事情があったのでしょう。
今週は、まとまった雨が降りそうです。
雨上がりの横倉の森へ、皆さんで夜の森散策は如何?
素晴らしい光の世界が待っていますよ。
本当美しいく光るキノコでしたが それ以上に
ホタルのあの飛ぶ姿 光の点滅には目を奪われ
ました。90ミリマクロつけてたので 無理を承知
で光跡だけはなんとか撮影できましたが(ホタル
初撮影なので)本当ホタルは美しかったです。あの
山に何撮りに行ったのと言われそうですが(笑)
あの山は素晴らしい光の森です
TV放映で話題になったのは三年前ですから。
何かを切っ掛けにして闇夜の森の生命現象に興味を持たれることは好い事だと思います。
どうかそれを有名撮影地の綺麗な写真コレクションで終わらせないことを願っています。
自然現象は、それ単独で起こっているわけではありません。
それを育む大きな命の連鎖の中で奇跡のように出現しています。
有名な撮影ポイントだけでなく、自分の足で森の中を歩いて探すことを薦めるのは、
光るキノコを育む豊かな森の生態を知ってほしいからです。
石鎚や皿ヶ嶺もそうですけど、知れば知るほど森は生命の宇宙であることを実感します。
masaさんも石鎚を切っ掛けに自然写真に目覚めたのなら、
定番写真ばかりでなく、それを育む豊かな生態系に目を向けてください。
面白いよ(笑)