Landscape diary ランスケ・ ダイアリー

ランドスケープ ・ダイアリー。
山の風景、野の風景、街の風景そして心象風景…
視線の先にあるの風景の記憶を綴ります。

雪面の虹彩

2010-12-13 | 
 霧氷に被われた銀世界の森歩きを期待していた。
 そして、その森が朝陽に燃える様を写真に収めたかった。

 午前4時起床。
 まったく、こんな時だけは遠足前の子供のように早起きする(笑)
 キンと冷えた朝の寒気の中、星の瞬く快晴の空模様。
 シルエットに浮かぶ皿ヶ嶺方面の山並みも、くっきり稜線が見えている。
 厭な予感…先週もそうだったが、あまり早い天候の回復は
 良い結果をもたらさない。

 
 

 路面の凍結した水の元手前のカーブでバイクを置き、
 ヘッドランプの灯を頼りに山道を歩き始める。
 残雪はあるが、樹々は黒々と浮かび上がり、霧氷も雪綿(ゆきわた)を被る
 白い装いの気配もない。
 もう少し標高を上げればという淡い期待を抱きながら雪道を歩き続けた。

 次第に空が白み始め、東の空に黎明の朱が走り始める。
 皿ヶ嶺の主のような、大きく枝を延ばしたミズナラの巨木と久し振りに対面。
 この樹の立ち姿は、繊毛のように枝を張り巡らせた冬木立も、
 淡い芽吹きも、萌える若葉の頃も、万緑の濃い佇まいも、色づく黄金色のフィナーレも
 どっしりと構えて周囲から抜きん出たその佇まいに安らぎを覚える。
 夜明け前の淡い光のなかで、大きく枝を広げるその姿をカメラに収めたかった。
 でも、先の風景が気になって後ろ髪を引かれながら、そのまま通過した。
 いつか、このミズナラ(水楢)の樹をじっくり撮ってみたい。

 
 

 竜神平手前で朝陽が昇った。
 冬木立の樹間越しに光が放射線状に射してくる。
 ブナの樹冠が紅く染まる。
 この光景も記憶のなかの風景に留め、先を急ぐ。
 そんなに急いだ先の風景は、やっぱり悪い予感のままの枯木立の湿原。
 落胆は大きかった。
 でも、視たままの光景をそれなりに切り取るのが写真ヤのお手並み?
 今回はマクロレンズを多用した雪面の小さな世界を撮ってみました。
 特に雪表面のプリズムのように虹彩を放つ輝きを執拗に写しました。
 ランスケワールドをお愉しみください(苦笑)

 
 
 

 朝一番の竜神平で珍しい人と出会った。
 HP「石鎚山の四季」初期の頃からメールの交換をしていた。
 同じように郷土の象徴的な山、石鎚山をメインフィールドとしてきた
 「石鎚自然写真館」の管理人、青嵐さんだ。
 思い掛けない出会いに奥様も交えて色んなお話を伺えた。
 当分皿ヶ嶺通いが続きそうです。
 今度は美味しい珈琲を頂きながら青嵐さんの写真観や自然観を伺いたいです。

 出会いは、この後下山時においわさんとも昨年の石鎚に続いて再会。
 おいわさんの「出たがり家族のお出かけ日記」は、98年から続く四国の山サイトの老舗。
 否、その更新し続けた膨大な山のデータ記録は他サイトの追従を許さない
 情報の迷宮だった。
 残念!kyo-chanブログのように無料サイトは突然サイトを閉鎖して
 その蓄積してきた膨大なデータが、ある日突然霧散消失してしまう。
 おいわさんも、その修復に苦労されているようだ。
 でも、この皿ヶ嶺(東温アルプス)の案内人は簡単には、へこたれないタフな鉄人だ。
 改訂版「東温アルプスガイド」楽しみにしています。

 

 

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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
偶然でした! (青嵐)
2010-12-13 17:31:46
ランスケさん,こんにちは。掲示板へのご訪問ありがとうございます。

昨日はよく声をかけて下さいました。ホームページの閉鎖を残念に思っていただけに,その管理人さんとのしばしの談笑は楽しかったです。

なかなか思うような条件になってくれませんでしたが,快晴でしたので楽しいスノーハイキングができました。鈍った身体を鍛えるのにもよい山歩きになりました。

またどこかでお会いできると思います。

................................

添付の件ではご迷惑をおかけしました。

私の掲示板は自前なのですが,ごく稀に画像が貼れなかったり投稿そのものができなかったりすることがあります。何も設定を変えていませんので理由が分からないのです。普通の人の書き込みで「禁止キーワード」に引っかかるような言葉もありません。困ったものです。
返信する
ご訪問ありがとうございます。 (ランスケ)
2010-12-13 19:04:22
青嵐さん、昨日は思い切って声を掛けてみて良かったです。
四国の風景自然写真系サイトでは群をぬく存在の「石鎚自然写真館」です。
その管理人の青嵐さんとは一度お会いしたと思っていました。
これを機会にまた以前のような交流を復活したいですね。

青嵐さんの画像掲示板に画像を貼れなかったのは残念でした。
また機会があれば再挑戦してみます。

今度は霧氷に被われた銀世界の皿ヶ嶺か石鎚辺りでお会いしたい(笑)
返信する
Unknown (misa)
2010-12-13 21:44:13
ランスケさん、今晩は・・・
このところ、様々な方々との再会が見られ
何だか生き生きと感じます

条件が悪くても写真にしてしまうのはランスケさんです
プリズムの世界・・・ワクワクしてきます!
デジイチに変えて望遠マクロを諦めてましたが
どうやらランスケワールドに魅せられたか。。。
ん~~~~~~工事を止める訳にはいきません

昨日は友人と吾北633美の里までドライブ
新雪のふかふかした登山道を歩いてみたいね
なんて話しながら名物つがにうどんを堪能・・・やっぱり食い気です
返信する
2週連続 (ランスケ)
2010-12-14 00:00:58
misaさん、お母様のための庭造り頑張っていますね。
自然を愛するお母様のために、その笑顔のために、
丹精込めて仕上げてください。
春には、その成果が何倍にもなって返ってきますよ(笑)

2週連続の皿ヶ嶺出動です。
でも5年以上も遠退いていた移り気を、なかなか山の神様は
許してくれません(哀)
時間の許す限り、この森の持つ豊かな表情を私なりに撮り続けたい。
それが母に寄り添う日々の好い息抜きになっています。
今週半ばの真冬並みの寒気…期待出来るでしょうか?

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Unknown (鬼城)
2010-12-14 16:47:45
 今日は会議の後、直帰でした。今夜は忘年会です。

 さて、皿が峰の様子を見せていただいて感激です。写真の思惑とは別にして、ランスケさんの技術にただただ感心するばかりです。雪面の虹彩という題にも引きつけられます。間があれば、ご出勤を続けてランスケワールドの展開をしてください。
返信する
あれ?鬼城さん下戸では? (ランスケ)
2010-12-14 19:34:49
あれ?鬼城さんは下戸だとkyoichさんから聞いてましたが…大丈夫ですか?
気配りの鬼城さんにとって辛い季節到来ではないでしょうか?


私の写真なんてkyoichさんの巨大魚写真(顔と比較すると1mオーバーありそう)
と較べるとスケールが小さいと笑われそうです。
それでも70cmの鯛って、やっぱり大きいですよね。(kyo-chanブログをどうぞ)
お見事な釣果でしたね。kyoichさん(笑)

さて母の病状次第の撮影行ですが、
12月中は息抜き出来そうな雰囲気です。
さて次回は輝く銀世界と出会えるでしょうか?


返信する
雪道をオートバイ? (海野貴公子)
2010-12-15 20:48:39
 シラザかよさこいの雪道で転倒したというのは、貴兄のことではなかったでしょうか?

HPかブログで、読んだような気がするのですが。

あまりにも、デンジャラスKです。(笑)本人が怒るかなーー??

冬は、カーブやトンネルや出口はやばいのでご用心。いつまでも、若いときの反射神経&運動神経は機能しません。(爆)

しかし、そのお陰でランスケワールドが垣間見られます。ありがとうございます。
返信する
想定内の範囲で? (ランスケ)
2010-12-16 00:10:14
海の貴公子さん。
まずはめでたい(鯛)釣果でしたね。

私のモーターサイクル歴は結構長いです。
きっかけは気の合った友人とのツーリングバイクでした。
関東周辺や信州、東北の山岳道路をホリデーツーリングしていました。
峠を越えると一変する美しい山岳風景に魅せられて写真の世界へ。
それが高じて、さらにディープな世界に足を踏み込み山岳写真へ。

昔はよく転倒して痛い目に合いました。
色んな転倒パターンも経験則として想定した上での冬期走行。
とは云っても貴公子さんの指摘するように、
身体が以前のようには反応してくれません(苦笑)
まぁ、ほどほどに冒険してみます。
また母子で入院では洒落になりませんよね(汗)
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