皆様こんにちは
山三三ツ屋染舗の三ツ屋邦孝です。
いつも当ブログをご覧いただき誠にありがとうございます。
クリーニング店からHerno(ヘルノ)製パンツを自社工場でドライクリーニングを行った所、
品質表示タグから色が出て、ポケットに移染したので、クレームになる前に移染を落として
欲しいとのご依頼でした。
パンツ(Herno製)
全体像は有りませんが、Herno製のパンツです。
パンツ(Herno製)品質表示
素材 表地ナイロン78%ポリウレタン22%ポケット生地ポリエステル100%となっています。
洗濯表示は家庭での洗濯禁止、塩素系及び酸素系漂白剤の使用禁止、タンブル乾燥禁止、
底面温度110 ℃を限度としてスチームなしでアイロン仕上げができる、パークロロエチレン
及び石油系溶剤による弱いドライクリーニングができる、ウエットクリーニング禁止、
となっています。
パンツ(Herno製)ポケット地への品質表示からの移染(色移り)
クリーニング店からの情報によると品質表示通りに石油系溶剤によるドライクリーニング後に
タンブル乾燥をせずに、自然乾燥を行い仕上げ中に、品質表示タグからポケット生地に移染
(色移り)して紺色になったとお聞きしました。
品質表示通りに石油系溶剤でドライクリーニングして自然乾燥してタグからの移染で
クリーニング業者が悪いのか石油系溶剤で色落ちするタグを使っているアパレルメーカーが
悪いのか、どこに責任があるかを考えさせられます。
品質表示タグですが、ポリエステル素材の物と思います。
ポリエステルの染色は通常130℃~135℃の高温下で染色されていますが、それを常圧で染色
できるようにすれば、染色工程におけるエネルギー消費量・CO2排出量の削減につながります。
この為近年は常圧(98℃、1気圧)で染色可能なポリエステルがでています。
この常圧で染色した製品の一部と思われますが、石油系溶剤でドライクリーニングする事で
色落ちして移染する場合が過去に有りました。
当ブログでも2020.12.29に下記の記事で紹介していますのでご参考下さい。
ドレス ドライクリーニングによる移染 移染落とし ポリエステル素材 - きものと洋服でお困りのあなたへ !! (goo.ne.jp)
おそらくこの品質表示タグも同じだった事が考えられます。
石油系溶剤でのドライクリーニングで洗った事による、色落ちと移染の発生ですが
いくらお客様にご説明しても、洗ったクリーニング業者の責任を問われかねませんし、
酷い場合は賠償問題となる可能性も秘めています。
アパレルメーカーに苦情を言っても、各地のショップではその様な事例は報告されていない
場合はクリーニング店の過失の為に相手にされないどころか、悪質なクリーニング業者の
汚名を着せられかねません。
もしも移染の除去が可能な場合はお客様の目に触れる前に処理する事が急務となります。
HERNOパンツ しみ抜き後
今回は石油系ドライクリーニング後に品質表示タグより移染しましたが、自然乾燥だったので
タンブル乾燥で加熱して移染がポケット生地に定着していなかったので、しみ抜き作業にて
移染のしみが除去できたので、クリーニング業者のお客様にもご心配やご迷惑を掛ける事が
無かったので、とても良かったと思います。クリーニング業者さんも十分お気を付けて
クリーニング事故防止の一助になる事を心より祈っています。
厚生労働大臣認定一級染色補正技能士のいる
山三 三ツ屋染舗にご用命下さい。
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