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閉伊川水門の問題つづき
閉伊川水門の問題は、宮古市民にとっては、前に市長がOKを出し、市議会が追従したという政治的整合性(形式)の問題ではない。市長は何にOKを出したのか、市議会は何を容認したのか、宮古市民と合意のないOKであった。事実問題は始まったばかりだ。2月6日の説明会の資料を新たに入手した。前ページにつづいていくつかの問題点の続きをつづける。
なお、説明会資料は、岩手県沿岸広域振興局土木部宮古土木センター(宮古市五月町合同庁舎、電話代表 0193-64-2221)に請求するとよい
1 航路問題(水門全開時)
図は入手資料より
● 自由航路であったはずの閉伊川の航行がこのように窮屈、危険にさらされている。そもそもの宮古湾水路の大動脈の一つをこのように狭くする事態は許されないことだろう。
※ 厳密にいえば魚類等生物の遡上・降海・滞留の生態、上流からの土砂の堆積・浚渫、広い範囲の伏流水の流れの状態もコンクリート大量投入の水門土台工事のために劇的に変化するはず…それらの事については今ここでは触れない
● 低気圧が近づけば内外の漁船が閉伊川に投錨停泊する。漁船にかぎらず、貨物船、観測調査船、工事船、観光船、プレジャーボート、そして昔からの川舟、学生等のするボート、ヨット。この汽水地帯の船舶の往来は見た目以上に激しい。横幅150メートル以上幅が一気に34メートル余に狭くなる。どのようにして閉伊川を上下する船舶はこの狭さを相互通行するのか?
● 地上の「右側通行」というような問題ではない。ほとんどが出会い頭(がしら)の対面通行になる可能性が大きい。大小の船舶がこの狭い水路に向かってくる。強風の日もあれば雨、雪、やませ霧で視界不良の日もある。汽水域特有の海側の高波もあれば突然のような上流からの増水もある。上図のような整然とした航行が出来るのだろうか? ゲート操作予告灯等の光り物装置ですむはずはない。
現在の河口景観
● もはや閉伊川河口ではなくなる。幅わずか34メートル余の狭いトンネル航路となる。それを「大丈夫だあ」「問題はない」という船長や船頭はよほどの馬鹿船長か、よほどのベテラン船長であろう。一度造ってしまえば後戻りは出来ないものなのである。多種多様な船舶でにぎわう閉伊川航路の変化を立ち止まって考えていただきたい。この航路は閉伊川にふさわしい航路か? と
● 「問題はない」というベテラン船長の言葉は聞きたくない。どんなに狭い水路でも俺のウデなら大丈夫だと自慢したいのだろうが、ここはそのような問題ではないのです。多くの船舶運転初心者、海からの訪問者、将来の船舶関係志願者、漁師後継希望者、そして観光目的乗船者、船舶乗船従業員等、の全乗降船者の航路になるべき場所なのです。自分の事だけではないでしょう
● ベテラン船長には、漁船であろうと他業種の船長であろうと、目先のせまい自慢話ではなく計画されているこの水門の存在価値について、自身の特有の経験から、広く将来のあるべき閉伊川の役割から、広く業種を超えた船舶の立場を視野に入れて、よりよいベテラン判断をしてもらいたい。船長に期待するところである。この水門は宮古市にとって必要か? と。
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