これが防潮堤?! ちょう薄い!
宮古市磯鶏地区
これでは明治津波( L1)規模でもダメなように思われる…
すぐ倒れて津波は防げない。
撮影 K.古舘 (2017.4.2)
この写真を見ただけでもそのいい加減な造りが分かる。
■ 役に立たない基礎鋼管杭(くい)
・まず基礎の部分であるが基礎鋼管杭はすでに地中に埋め込まれている状態である。基礎鋼管杭がどのように岩盤等の支持地盤に達しているのかは情報開示してもらわないと分からない。
・底版を支える基礎鋼管杭の地上のアタマの部分が写真の手前に出ているが、あきれるばかりである。見るとおり防潮堤底版ブロックには下から30センチしかはめ込まれないということである。鋼管杭は一般に底面から上面(表面)にまで突き抜けて底版を支えているはずなのに、この状態ではがたつく入れ歯みたいに津波の横圧には無力である。
■ ブロック柱はただ置いただけ?
・さて、写真の縦長のコンクリート柱(以下ブロック柱という)6本が防潮堤の最小スパンである。ブロック柱一本の巾が1メートルで全6本全6メートルのスパン巾である。あとの写真に見るとおり3本の太い鉄鋼(だと思う)で6本のブロック柱が締められて、これで一応1本1本がばらばらになるのをまとめている。
断面に上下3カ所。
6本のブロック柱を束ねる装置?
・しかし、このブロック柱の巾6メートルの1スパンが、どのようにして底版に設置されているのかは外からは全く不明。鍬ヶ崎地区工事の逆T字型防潮堤に使われている芯鋼管の気配はない。そうすると底版の上にただ置かれているということか?!そんなバカな、と誰もが思うだろうが写真で見ると底版とブロック柱の隙間から、それが本当のように思われてくる…浮いている…
このアンカー状の穴が不明。
底版とブロック柱の接着装置?
■ ロープ筋交い(スジカイ)で補強?
・あながちそうであろうと思わせるのはスジカイに張られた2本の鉄鋼ロープ。ブロック柱1スパンが前後に転倒するのを防ぐため仮にロープで支えているのか?とおもう。完成後はロープがはずされるのだろうと思っていたが、いや待て、そうではなくこれが本番の支え本体らしい。底版とブロック柱の結合はいずれにせよ万全ではないという事だ。
ロープでなく鎖。まさか補強用ではないようだ。
計測機器?
・誰もが分かるようにロープのハスガイ補強自体が何の支えにもならない事は明らかだ。津波襲撃の力が壁にかかるとき、力のかかり方は一様ではない。渦を巻いて上下前後左右から多様に大きな力が加わり「ねじれ」の力も壁にかかってくる。ロープ補強では「ねじれ」負荷は支えきれない。一定の厚さのスジガイ壁でなければ用をなさない。台形型防潮堤はそのための台形でもあるのです。