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2011.6.1~。大津波、宮古市、鍬ヶ崎復興計画。陸中宮古への硬派のオマージュ。 藤田幸右(ふじたこうすけ) 管理人

岩手県の情報開示(1)開示請求

2016年01月20日 | 鍬ヶ崎の防潮堤を考える会

「 第1工区」(120m)の支持地盤など開示請求

鍬ヶ崎の防潮堤を考える会 1/20


 
開示請求書(2016.1.20)

 


全 文

 

岩手県沿岸広域振興局土木部宮古土木センター管轄の「鍬ヶ崎・日立浜町地区防潮堤整備事業」に関する以下の行政文書の開示請求をいたします。

 

A. 建造物防潮堤の基礎くい「鋼管杭」の支持地盤への到達を証するデータの開示。今後、全工区のデータをお願いするが、当請求では先行例になる「第1工区」(120メートル長)のデータについて特に正しく、詳しく、速やかな開示をお願いしたい。

 

a、支持地盤への到達を証するデータについて、地盤の堅さを示すいわゆるN値データ、地盤到達を示す電気抵抗の電流計データ、施工記録上の他のデータ等、複数のデータで示していただきたい。

 

b、ほか支持地盤未到達鋼管杭の追加鋼管の溶接の(非破壊)検査データの開示をお願いする。

 

 B. 先きの当会の同「開示請求」に対し貴知事の「決定通知書」で一部開示を受けられなかった次の文書(3)(4)の開示を改めてお願いしたい。当時「不存在であるため(完成図については工事完成時に作成するため)」等の理由で情報開示を受けられなかったものである──平成27年8月11日 宮土セ第102−52号──。昨年平成27年11月すでに工事は完成しているので再請求するものである。

参考=ブログ用
先きの「決定通知書」(2015.8.11)

 

行政文書の表示── 

(3)、(2)の結果完成図  a 縦断図、b 平面図

 ※ 結果完成図とは鋼管抗埋設工事計画(2)の成果完成図のこと。ここでは「第1工区」(120メートル長)のそれぞれの成果図のことである。

 

(4)、鍬ヶ崎防潮堤「その1」工事におけるペア鋼管抗横断巾に対応した支持地盤の高低差の全記録(図面および数値)

※「第1工区」(120メートル)の40ペア全80本(あるいは20ユニット全80本)の鋼管杭の海側/陸側の支持地盤の高低差の全記録(図面および深さの数値)。内容が分かるもの。

※ この文書(4)に対しては、前回、日立浜側の部分勾配図等内容の誤ったものが送付されてきている。正していただきたい。

 以上

 

解 説

前回の「開示請求」とその回答等これまでの経過が書いてないので分かりづらい所もあると思うが落ち着いて<全文>を読めば概略は分かると思う。後は開示を待つ…

ここでは要点を解説する。

A. は第三者機関をもって基礎くいの支持層への到達を検証するよう宮古市議会に求めたものの代用である。宮古市議会は恥ずかしくもなくこの事案を不採択にしたが、これは、採択不採択の問題ではなく、鍬ヶ崎の防潮堤が大丈夫なのか? の地元民の命に関わる問題なのである。マンション等の基礎くいの未到達、改ざん、流用の問題は少なくとも住民(入居者)の命には関わる問題ではなかった。防潮堤の基礎くいのわずかの瑕疵は防潮堤を信頼する地元民とも限らない人々の命がかかっている。是が非でも精査していかなければならないものである。

 

B. については、今回つけ足した米印(※)にそって説明する

(3)、については単刀直入に、昨年11月に完成した「第1工区」の防潮堤の宮古市民への説明図であり説明である。市当局や宮古市議会のように黙っていては何の説明もこないであろう。前回の開示請求の流れで、ここでは鋼管抗埋設工事計画の a 縦断図、b 平面図の成果品図面に限っている。埋設鋼管杭の腐蝕問題や、上物建造物など、より全体の完成図、構造図、細部の取り合い等は次の機会になる。


(4)、について(長くなります)。「鍬ヶ崎の防潮堤を考える会」としてはこれまで、そしてこれからも、当該防潮堤の立地について、とりわけ基礎鋼管杭の支持地盤になる深層地層、深層地形について疑問を呈してきた。疑問はこの立地がプレキャスト鋼管杭工法を拒絶しているのではないか? という所まで深まっている。岩手県は立地のボーリング調査において日立浜船揚場の前出し工事予定地区ではいたましい犠牲者を出し、防潮堤立地のボーリング箇所は、当初、震災前7カ所と震災後8カ所の15カ所(全長1600メートルに対してマンション調査並みの箇所数)のデータで大丈夫と言って押し切った。いずれも立地を甘く見た岩手県の責任である。あんのじょう前年26年度中に鋼管抗80本のうち52本が支持層未到達の大失敗をした。そのため予算をいじくって1億6000万円増額してボーリング箇所を増やして辻褄をあわせ、「第1工区」では工期を8ヶ月延ばし工事をやり直して現在に至っている。「第1工区」は失敗を修復して完成にこぎつけたことになっているがボーリングの増加箇所数すら公表されておらず、責任問題も棚上げ(日立浜の犠牲者も依然同じ)、そもそも鋼管を継ぎ足して再埋設した鋼管くいが支持地盤に到達しているかどうかさえ不明である。


わき道にそれたが、当該防潮堤立地の宮古港周辺の真面目な地質調査は岩手県の責任において当面の有用価値を超えて行うべきである。将来に亘って教育上、観光上、港湾メンテナンス、防災上、地域の生業上、この周辺の地質地形地図は自治体にとっても必要不可欠なものである。県として巾広く調査をやるべきである。三陸ジオパーク地帯のど真ん中の鍬ヶ崎地区の地殻については北三陸、宮古海域の海上・地上の景観だけではなく、それなりのデータもあって、プレキャスト工法による防潮堤建設場所としては予断を許さない最悪の地殻であることはわかっている。1000本以上の鋼管杭を打ち込むという未曾有の大工事にボーリング調査だけの調査では当然無理がある。有識者を加えて宮沢賢治的遠い将来を見据えた調査の方が何につけ沿岸県民には近いはずである…。しかし岩手県はどうやっているか?


防潮堤立地の基礎くいの支持地盤(の予備的)調査のため、岩手県は、2列の鋼管杭列の中間線で縦断層の地質調査を行っている。それは海側/陸側2列の鋼管杭打設位置ではなく陸側から2.7メートル海側から2.7メートル離れた中間位置だ。平面上2列の鋼管杭の横断間隔は中心ー中心距離で5.4メートルある。その海側/山側の高低差は十数メートルから場所によっては数十メートルになるといってもよい(土木センターは平均的に横断巾の1.5倍の8.1メートル差といってきた)。いずれにしてもその落差のばらつきは大きいといえる。ボーリング箇所からボーリング箇所の距離もあり予備的ボーリング調査の効果(縦断支持層深度分布)も充分であるとは言えず、鋼管杭の打設深度は全くのめくら打ち(打ちながら分かる。打ってみなければ分からない)と言える。前々から立地場所の「横断層調査はやらない」という、これが岩手県のやり方である。なぜだ?! 下にヒントがある。

この段落の蛇足的しかし重要な補足)「1、地質調査について 地質調査はあくまでもその土地の地質の状態を調べるものであって、たくさん地質調査したからといって防潮堤が強く成るものでもない。現在更に調査箇所は増えているし、工事施工については地質調査とは関係なく鋼管杭を固い地盤まで打ち込むので問題点はないとのことです」 (市民団体「鍬ヶ崎地区復興会議」のお知らせ 2015.4.7)。なるほどと思う。納得したのではない、官民の説明する側、説明を受ける側の理解の仕方である…なるほど…。調査には意味がない…単なるアリバイ作りだ…まさに岩手県と業者と一部市民のいつも通りの本音であるといえる。達増知事から、県土整備部八重樫弘明統括課長、沿岸振興局宮古土木センター、工事現場へとつづく系譜である


「(※)鋼管杭の海側/陸側の支持地盤の高低差の全記録(図面および深さの数値)」とは、たとえめくら打ちでも鋼管杭が収まった支持地盤の高低差のことで海抜マイナス◯◯メートル/マイナス▽▽メートルのことである。数値については全80本の数値を求める。なお、鋼管杭の長さは海側/陸側のペアで深い方にあわせて同じ長さを打ち込むと聞き、ユニットでも同様?と思っていたが、ユニットに統一されているのであれば高低差によって無駄な打ちこみの鋼管の長さが半端ではないように思われる。どのみちユニット4本の鋼管杭の支持地盤到達の検証をするのであるから同一長さの鋼管杭を使用する意味が分からない。反自然的ででたらめだと思う。

補足)海側/陸側が平均的に8.1mの高低差であるのであればペア2本に1本に無駄な、有害な 8.1mの余分な長さが生じる。全1064本の鋼管杭÷2(ペア)×8.1m:4309.2メートルの有害な、無駄な、余分な鋼管杭が鍬ヶ崎沿岸に打ち込まれる事になる。事実はもっと…横断段差が明確になるほどに傷口は更に大きく広がるものと思われる。一方ではその事に関連して情報不開示の作為行動がついてまわっている疑い。例えばペア(2本)鋼管杭のみならずユニット(4本)鋼管杭も同一の長さで(一番深い支持地盤に合わせて)埋設する事を隠し通そうとしている行政的現実があるのではないかと思う。そうであれば、闇というよりすでに背任行為だ… 



 

 

 











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