日本経済新聞 2016.1.15
最善の合意形成 ──
横浜のマンション問題は最初のキズは小さかったが大きな代償をもって住民合意への道を歩みだした。西棟の2センチ程度の段差発見によって大きく世間を騒がして全国規模で建造物が今も過去10年に渡って検証されている。繰り返すが西棟の2センチの傾きによって、数本の基礎くいの支持層への未到達が明らかになり、今、中央棟、南棟を含めた全700世帯の補償問題に発展してきた。
管理組合のアンケートによると9割の世帯が「全棟の立て替え希望」の結果となった。ほかに部分補修、買い上げ希望、等さまざまな意見があったようであるが、結局、住民の最善の選択が揺るぎなく示された事になる。今後、予断は許されないとはいえこのセンで合意形成されるものと思われる。
住民(入居者)の意志がきっぱりと見えている。それをもって最善としなければならない。結果的に、補償額や責任問題の所在、建設業界のいい加減さや今後の改善問題等も、この住民の意思に引かれるかたちで明らかになっていく。