夜汽車

夜更けの妄想が車窓を過ぎる

特攻崩れ半ゴロツキ親父のホラ話

2020年10月29日 22時46分45秒 | 日記
どこまでが本当でどこまでがホラか定かでないところがムズガユイ・・・確かに軍服には羽の紀章がついていて航空兵だったようでもあるのだが・・・。
肥前言葉を解読されよ。

終戦になったいどん、こんまま戻う(る)わけにゃいかんざいて、皆で相談して最後の特攻ばしよで、と決したサ。そいで翌朝飛行場にいたてみたらプロペラば抜かれとった、こいじゃ飛ぶわけにゃいかん、ちゅうわけでしぶしぶ復員したとばい・・・
(ウソつけ、プロペラがそう簡単に抜けるもんか、それくらいなら燃料を抜くさ)

復員して長崎戻っ来たいどん仕事がなか、そいでぶらぶらして港んねき行たっ見たさ。そけ、米軍のジープが走っ来たざい、窓にドクロば吊り下げとっとばい、そいがチョコレートば投げたさ、そしたや子供ンしがワーッって寄って来て拾うとばい、『ああ、敗けた!』ってそん時本気で思たさ、泣こごたった。

アメリカ兵と喧嘩になったさ、行き掛かりで仕方ンなかったいどん、巴投げで投げたサ、そしたら海ん中へ落っちゃげたもん。その場は走って逃げたいどん、MPが捕まえに来んとも限らん、わや、暫く逃げて身を隠せ言われて天草んにき戦友が居った、そけ逃げた。

『わや遊んでばかい居らんでちった手伝いでもせろ』っちそいが牛ば牽いてきたさ、『どげんすっとか?』『こいば川で洗え、左さね行かすっときゃ【ヒダ】、右さね曲がらすっ時ゃ【ワ】て言え』
そいで牽いて歩いたさ、右さね行かそでっち【ワ】て言うてみたいどんいっちょん言うことば聞きよらん、そいで棒で尻ば打っ叩いて【ワ】て言うたさ、そしたら後ろば振り返っておいばじーっと見るとばい、【こいが横着っか】思て睨み返したさ、だんだん恐ろしゅなって綱ば放して逃げたさ、・・・『追っかけてきたばい、おろちーて海に飛び込んで泳いで逃げたさ』
・・・(フーン、嘘臭いなあ、米兵に仇をとられたわけだ)

中学時代の悪友で原爆におた(遭った)とがおったよ、どうせなご(長く)なかっちわけで密造のショーチューば仕入れて砂糖ばカルメラ焼きして混ぜ込んでウィスキーのごとして飲ませた。野ウサギを捕まえてその肉ですき焼きをして食わせた、ゼン(銭)がの(無く)なっずい(なるまで)やったいどん死なんとばい、参ったぜ、そん奴ゃまだ生きっちょっど。
・・・(これは本当かもしれない)
コメント
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