月のひびき (徳正寺だより)

“いま”出遇えた一瞬をパチリ
それは仏さまとの日暮らし…

寿終之後

2010年02月19日 20時29分54秒 | 仏々相念(住職日記)
「住職さん、待ってますよ」・・・

電話がかかってきました。
もうすぐご主人の1年忌をお迎えになるご門徒さま。

しんどくて、辛くて、悲しくて、やるせなくて、痛くて・・・
沢山泣かれた、そんな1年でした。

お七日、初盆、ご命日・・・
お会いさせて頂く度にいろいろなお話を聞かせて頂きました。

私とお会いするときは、気丈に振舞っておられました。
でも、やっぱり切なくなって泣いておられたそうです。
共に過ごされる娘さんご家族が一生懸命支えられておられる。

時には衝突することもあったとか・・・

しんどかったですね・・・としか・・・
力のない私です。

ご仏縁を重ねながら一歩一歩。
少しずつ、少しずつお元気になられてきました。

「今月のご命日にお参りさせて頂いて、
 坊守様と阿弥陀経のお勤めをさせて頂きました。
 ご法話で阿弥陀さまは常に包んで下さっていますよ、ってお話し下さいました。
 主人もそのおはたらきになって私を包んで下さっていたのですね。
 私は、嬉しくて毎晩阿弥陀経のお勤めをさせて頂いています。
 何となく有難くて・・・」

「それは良かったですね!1年忌の時には又一緒にお勤めさせて頂きましょう!」

「下手ですけど・・・」

明るい声が電話の向こうから聞こえてきます。

「もう、家族中でご住職様と坊守様が来て下さるのを心待ちにしています。
 もう昔からのお付き合いみたいな気がします。」

これまでにもご実家の方では何度もお会いしていたお方です。
でも自分の事として考えることもなかったのかもしれません。

しかし、大切な人の死に出会ったこの1年は大変大変長い時の流れだったのでしょうね。
これまでの過去のご縁も振り返りながら・・・

少しでもこんな私を親しく思って下さるその言葉に

「ありがとうございます。最高のお言葉です・・・」