月のひびき (徳正寺だより)

“いま”出遇えた一瞬をパチリ
それは仏さまとの日暮らし…

悠々自適

2010年04月07日 20時00分56秒 | 仏々相念(住職日記)
年をとっていけません・・・

穏やかなご夫妻です。
「おじさん、幾つになられたのですか?」
「83歳になりました。もう今は何もせずテレビの前に座っています。」

ご苦労なされてきました。
ジッとしているのが嫌で身体を動かせて動かせて・・・
休みの時には、山に入り木の枝、根を取り帰り飾り用に拵えては座敷に飾ったり人にあげたり、
川に行っては庭石にするような大きな石を運び、又人にあげる・・・
「こんなものでも喜んでくれると嬉しいのです」

今では大きな病を持っているため趣味の事も出来なくなりました。
「病は気から・・・と言いますから忘れるようにしています。」
本当に優しい笑顔でおっしゃります。
コトコトと4駆のオフロードで1時間掛けて行く病院の先生が、
大病を抱えているのに元気だから驚かれると言う。

苦労して苦労して、朗らかな今を送れる。
苦労して苦労して、僻みだけしか残らない人もいる。

・・・う~ん・・・                          

親鸞さまのご修行のはなし

2010年04月07日 01時07分03秒 | ふうわりふわり(坊守日記)
縁あって、浅田正博和上のご法話をお聴聞させていただきました。

ご法話は、親鸞聖人の20年に及ぶ比叡山でのご修行についてでした。
親鸞聖人が20年間、大変厳しい自力の修行をされたということは承知していましたが、その行の内容までは踏み込んで聞いたことがなかったので、大変良い勉強になりました。

先生のお話では、親鸞聖人はおそらく千日回峰行ほどの行も行ぜられただろうとのことでした。
その千日回峰行とはとてつもなく厳しく、人間の生命の限界のところでの行であるという。
なかでも、9日間の断食・断水・不眠・不臥の行は生死をさまようほど・・・。

他には、常行三昧といって、90日間常行三昧堂のご本尊阿弥陀如来さまの周りを、止まることなくひたすらに歩き、口には「南無阿弥陀仏」と念仏を絶えず称え、心には阿弥陀如来さまのお姿をじっくりと思い浮かべるという行もされたということでした。
この行も大変厳しいものです。

このような行を行じ尽くされて尚、救いを求めて比叡山を下りられた親鸞聖人は、法然上人とお出遇いになりお念仏の道、本願一乗に帰されますが、この間の一切の行の内容をお書き残しになられませんでした。

本当にすごいお方だなあと思いました。
同時に、何の行もできないままのわたしが、この生活の中で阿弥陀さまのお救いのめあてとなりお念仏にあわせていただいていることの尊さをありがたく思いました。

断食・断水の件では、なんだか無性に喉が渇き、お休みの時間に急ぎ飴玉をいただいたわたしです。
こんなわたしなのです。

今日、お聴聞させていただいて、親鸞聖人の偉大さとわたしのありようを聞かせていただきました。
浅田先生、E寺様、まことにありがとうございました。