月のひびき (徳正寺だより)

“いま”出遇えた一瞬をパチリ
それは仏さまとの日暮らし…

故郷浄土

2013年10月20日 19時40分25秒 | 仏々相念(住職日記)

あ~あ~、誰にも~・・・

 

穏やかで優しいひと時をいただきました。

ドスグロイ、ホンマのコイツを横に置けるような、そんなひと時。

背中に聞こえるご門徒の浄土三部経がお育て下さいます。

「ナンマンダブ ナンマンダブ・・・」

 

連ドラ「あまちゃん」が終了すると聞きつまらなくなるな~って思ってた頃、

娘がBSで「ちりとてちん」が始まるよって教えていただいた。

コイツの連ドラNo.1ドラマです。

といっても、すべて見たものはこれとあまちゃんだけですから・・・

 

昨日放送の話が「ちりとてちん」の中でも一番好きな場面、

夜中に一人で見ながら大粒の涙がこぼれ落ちたことです。

続いてもう一回見たほど。

 

「お母さんみたいになりたくないの・・・」

地味な人生を歩んでいるように映る母の人生、

そんな人生になりたくないと勢いに任せて言ってしまう。

お父さんに「お母さんに謝れ!」って顔をしばかれる。

ケンカして家を出ることを決意する。

 

翌朝、お母さんが「のど自慢、聴きに来い」って言われるが

「こんな時にそんな気分じゃない」と別れる。

 

のど自慢のステージは電車の線路のすぐ近く、

主人公が乗っている電車がそこを通る頃、お母さんが唄うのです、

「あ~あ~、誰にも故郷がある 故郷がある」(五木ひろし「ふるさと」)

お客さんに向かってではなく電車に乗り都会に旅立つ娘に・・・

涙しながら・・・

 

お前にも故郷があるんだよ

辛かったら帰っておいで・・・

 

その姿を・・・

その声を・・・

その歌を聴いて娘は叫ぶのです、

「お母さ~ん お母さ~ん お母さ~ん・・・」

何回も何回も何回も叫ぶのです。

 

「帰っておいで」の優しい声を「お母さん」と聴いていくのです。

 

沢山叫び、沢山泣いた主人公、

大好きなお母さんの姿が見えなくなった後の表情が何とも言えません・・・

寂しさと同時に「ヨシッ」って気持ちが感じられることです。

 

背中に聞かせていただく浄土三部経・・・

真実の親さま(阿弥陀さま)が、

「帰っておいでよ、私がいるから・・・

 大丈夫だよ、私がいるから・・・」と喚んで下さる。

その優しさを「ナンマンダブ」と聴かせていただいたことです。

 

あ~・・・

コイツにも帰るお浄土がありました。

 

阿弥陀さまの極楽浄土。