北朝鮮が今や、風前の灯火??!
本当なのか?
イラク、イラン、北朝鮮は悪の枢軸国・・・
とは、彼のブッシュジュニアの有名な言葉だ・・・
誰もがそれを願っている・・・と思われている!!
特に、マスメディアは、その期待で一杯だ。それに促されて、国民の大多数がその方向に流されているのも事実である。
それに加えて、朝鮮総連ビルが競売落札された。
それも、永田町の怪僧と称される鹿児島県にある最福寺の池口恵観法主(76)が落札したと言うから、一層謎が深まってくる訳だ。
それに拉致問題が絡んでくれば、悪逆非道な北朝鮮というイメージが定着するというのも致し方があるまい。北朝鮮と言えば、ここ十数年、飢餓と強制収容所の劣悪な映像が繰り返し、繰り返し流されまくったものだから、それが定着しているのである。
はたして、それらは真実か?
斯く言う私も、その洗脳的手法のこれまで一方的思いこみをしていたことに、気づかされる。北朝鮮や中共が楽園などとは考えたことはないが、さりとて、過去も現在も数千万人の人々が生きて生活をしているのである。
それを選んでいるのは、圧政であろうと何であろうと、その国に住む国民であろう。民族自決権とは、古いが今に新しい。他人のとやかく言う話ではない。
その嫌われた最後の全体主義王朝に崩壊の危機が迫っている?!
圧倒的な軍事力を持つ、超大国アメリカが最新兵器を持って、迫っている。と言うのが構図である。何とも絵に描いた様なサスペンス劇場が展開しようとしている。固唾をのんで見守る必要があるだろう。
しかし、一人くらいは、観客席からではなく、舞台の袖で見つめることも必要だ。
舞台の袖からは、その舞台の裏も見ることが出来る。舞台の裏では、中国もロシアも出番を待っているのかも知れない。そして、肝腎の日本はどのように舞台に飛び出すのだろうか?
もし、
マスコミメディアに踊らされて、ピエロを演ずるばかりでないとしたら、その結果は予測できないものとなろう。サダムフセインが倒され、カダフィーが倒され、同じようにアサドが市中引き回しに成るかも知れない様に、金正恩があえなく降参をしないとしたら、少なくとも数百万人の半島の人々が業火に焼かれるのを目の当たりにするかも知れない。
それを、日本国民は容認するのであろう?
西欧各国の思惑はさておき、同じアジアの人間として、そんなことは到底容認できる話ではない。そんなことは考えられない。そんな茶番劇は、荒唐無稽の話だ。
それで拉致問題が、有終の解決策などであろう筈がない。その数百万人の中に彼らも当然含まれるのである。そればかりではあるまい。日本の国土も、日本人の多くもそのとばっちりを避けることは出来ない。
<核を排除するために、核をつかう!http://grnba.com/iiyama/より>
なら、
日本は日本人で、朝鮮半島は朝鮮半島の人々で、民族自決する他はないのではなかろうか?
こんな自明の事をさておいて、絵に描いた様なマンガの話を真に受ける方が、よっぽど狂っているのである。当然の話であるが、そこまで蹂躙される様であれば、日本は徹底的に再軍備してでも、日本の国土は日本人の手で堅く守り、そして、それぞれが民族自決することに邁進する方が、よっぽどましである。
北朝鮮は北朝鮮で、韓国は韓国自身で、そして、中国であれ、ロシアであれ、いささかも他国の干渉なしに自立しつつ協調すれば、それがよっぽどましである。
仮に、北朝鮮が日本に対して、核ミサイルを撃ち込むならば、アメリカの傘の下ではなく、日本の独力で北朝鮮に対峙すればよい。それは可能であるし、それが筋が通っている。中国に対してもそうであるし、ロシアに対してもそうである。
その時、そうすることの無意味さが自ずと分かろうというものだ。そんなことをするはずがないではないか。それよりも協調を選ぶはずだ。その方がよっぽど道理にかなっているし、利益に叶っている。
さて、
犬の喧嘩ではあるまいし、只、猛り狂って常軌を逸しているわけではあるまい。したたかな計算が根底にはある。そのように見せているのは、演技である。
戦争は、その計算上の最終手段なのであるから、既に緒戦は始まっているものと見て良いだろう。ブラフ(虚仮威し)は、大きいほど弱みの証拠。負け犬ほどよく吠える。
それに欺されて、噛みつく方が負けだ。日本は真珠湾でそうした。イラクはクェートに侵攻した。半島で小競り合いが起きれば、起きた側の策略でその方が有利になる。
仮に、どこかの米軍基地が攻撃でもされようなら、喜ぶのはアメリカであるし、米軍機(韓国軍)が、北朝鮮のどこかをアタックするなら、北朝鮮が有利になるだろう。
その時、中国・ロシア、そして、日本がどう動くか、その時は、はっきり言って、知れないからである。本当の断末魔には、本性が出るものである。
【転載開始】2013/02/27
寄ってたかって北朝鮮をいじめるな
我が心まさに折れなんとす。「筆を折る」という言葉は辞書にありますが、「心が折れる」という言葉はないようです。しかし、この表現は私の今の気持にぴったりです。以下の事柄を、私は、一つのはっきりした覚悟を持って書いて行きます。
私の父は中国吉林省の長春、昔の満州国新京で産婦人科を開業していました。中国人や白系ロシア人の間でも人気があり、父も母もその医療業務に忙しく、幼 い私の相手は、もっぱら、往診用人力車の車夫兼暖房用ボイラー焚きの中国人男性でした。地下のボイラーの脇に彼の居室があり、そこで彼は、随分の時間、赤 ん坊の私をあやし、あれこれの世話を見てくれました。仕事の性質上、彼には暇な時間が多かったのでしょう。そんなわけで、父母の話では、私が口にした最初 の言語は彼から習った中国語でした。たしか私が三歳の頃、ある日、彼は私一人を家族の家に連れて行きました。すっかり彼になついた私を皆に見せびらかすつ もりだったのかも知れません。沢山の顔と賑やかな声に取り囲まれて少し怖かったのを漠然と憶えています。私の最も古い記憶の一つです。残念なことに私は中 国語を忘れてしまいました。
私が勤務していたアルバータ大学の化学教室で、私たちより一世代若い韓国人夫妻と知り合いになりました。温和で心の広い立派なご夫婦で、旦那さんは極め て優秀な研究者でした。ある時、彼が「韓国語は中国語より日本語に似ているから勉強してみませんか」と勧められたので、教えて貰うのを始めたのですが、彼 の職場が変わって絶えてしまいました。もう一つ。やはり職場の同僚で、私にとって大切な友人であったスペイン人の御母堂からスペイン語を習う機会が与えら れたのですが、怠惰心からその幸運を逸してしまいました。
今となっては、中国語も朝鮮語もスペイン語も、学ぶための良いチャンスを与えられながら、怠けてしまったことが大変悔やまれます。もしこれらの言語を読 み、そして、聞くことが出来れば、中国のこと、朝鮮半島のこと、キューバやベネズエラのことを、もっと詳しく、もっと正確に、理解し判断することが出来た でしょう。
しかし、言語的な能力が欠けていても、一つの対象について、時間的に長く持続的な関心を持ち続けることで、第一資料ではなく二次的資料、さらには、プロ パガンダの嵐に耳を澄ますことからでさえ、物の真相を窺い知ることは出来ます。1960年、三井三池争議たけなわの頃、たまたま九大教養部で物理学教師を していた偶然から、新しく開校して間もない飯塚市の朝鮮学校を参観したことがありました。その時の印象が私の北朝鮮観の原点です。
核兵器は絶対悪であるという立場を私は取ります。したがって、北朝鮮の核兵器実験には絶対反対です。如何なる国の核実験にも核兵器保有にも絶対反対で す。しかし、北鮮が核実験をしたことで、世界中が、寄ってたかって北朝鮮を非難攻撃するのを容認することは出来ません。これは、核兵器は絶対悪であるとい う立場を取る限り、全く必然的な結論であります。特に、アメリカ、ロシア、中国、イスラエル等の核兵器保有国には、それを許しません。
何の罪もない日本人を拉致して、当人とその家族にひどい苦しみと悲しみを与えたのだから、核実験のことがなくとも、日本が北朝鮮にきびしい制裁を加える のは当然であるという立場もありえます。しかし、その場合には、日本の側にそれに類似する罪業があれば、等しく非難されるべきであります。前回のブログ で、カナダ政府とキリスト教宗教団体が実施したインディアン寄宿学校制度の下で、先住民の幼児たちが家族からむしり取られて無理矢理に遠方に拉致され、心 身ともに虐待を受け、死んで行った話をしました。個々の先住民児童とその家族が経験した悲しみと苦しみが日本人被拉致家族のそれより軽かったとは、決して 言ってはなりません。こうした場合の個々の人間の悲嘆に上下があるという考えを私は断固として拒否します。
しばしばアフリカの北朝鮮と呼ばれる国があります。エチオピアとスーダンの隣りの小国エリトリアです。エリトリアは核兵器を持たず、持つつもりもありま せんが、いじめぬかれて苦境にある点では北朝鮮と同じです。この国については、2012年の5月と6月に『エリトリアが滅ぼされないように』(1)~ (3)で取り上げました。最近の状況を少し。スーダンとエチオピアに接する国境地帯でエリトリアの若者たちが多数拉致されています。拉致を行なっている側 は若者たちを教育して反エリトリア勢力を結成するのが目的です。この1月21日にはエリトリアの情報省の建物に少数の兵士が乱入してクーデターが企てられ たとアルジャジーラが報じました。2月24日には、スウェーデン国内の3カ所のエリトリア人コミュニティ・センターが放火爆破の被害にあいました。「国境 なき記者団」の『世界報道自由インデックス2013(WORLD PRESS FREEDOM INDEX 2013)』によると、エリトリアはドン底最低の179位、北朝鮮は一つ上の178位を占めています。それでも、国と国民と独立運動の成果を何とか守ろう とする独裁者イサイアス・アフェウェルキの苦衷は、私のところまで届いて来ます。http://fr.rsf.org/IMG/pdf/classement_2013_gb-bd.pdf
「このまま放置すれば、東京は北鮮から核爆弾攻撃を受けて150万の死者が出ることになりかねない」という議論があるようですが、もしそうなった らどうするのですか?同盟国のアメリカに頼んで、北朝鮮の2400万人を、核爆弾で、ワイプアウトしてしまうのですか?アメリカがその気になれば、それは 十分可能です。それとも、日本の優れた核エネルギー関係技術とロケット技術を急遽総動員して核抑止力を備えますか?
核兵器が絶対悪であるという私の立場については、2010年の4月と5月に、『核抑止と核廃絶』(1)~(6)という長いシリーズに書きました。そこで 述べた理由から、私は日本の核軍備に絶対反対です。私の個人的立場は『核抑止と核廃絶』(5)の終りに書いた、畏友ダグ・マクリーンの立場と同じです。藤永 茂 (2013年2月27日)【転載終了】